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ウルトラマンになった男 みんなのレビュー

  • 古谷敏 (著)
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みんなのレビュー5件

みんなの評価4.4

評価内訳

  • 星 5 (3件)
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2 件中 1 件~ 2 件を表示

紙の本ウルトラマンになった男

2010/03/15 11:21

ウルトラマンは、僕なんだ

17人中、17人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:タール - この投稿者のレビュー一覧を見る

 アルバイト代の全てを映画代につぎ込んでいた少年・古谷敏。憧れの東宝ニューフェイスに成長した彼に舞い込んだ初主演の話が、謎のヒーロー・ウルトラマンだった。映画俳優としてのプライドから、「顔が出る役」にこだわり固辞するものの、その身体的特徴(手足が長い、頭が小さいなど)から「古谷敏にしかできない役」だと説得された彼は、やがてしぶしぶウルトラマンを着ることを承諾する――。

 一言でいえば、初代「ウルトラマン」を演じて一世を風靡し、「ウルトラセブン」では心優しいアマギ隊員として人気を博した古谷敏が、40年以上の時を経て書き下ろした当時の撮影秘話ということになるのだろう。しかし、史上初めてウルトラマンになった彼が、開発途上としか言いようのない「ゴムのぬいぐるみ」に苦心と工夫を重ねて身体をねじこませ、過酷な撮影に限界をみた体験話は、撮影秘話どころではない生々しさと痛々しさを伴って迫ってくる。当時の大ヒーローだったウルトラマン。その実態として知るには、この年月が必要だったんだという思いで、しみじみ読んだ。

 読むと、その苦労たるや並大抵ではないと知らされる。当時を知っている人ならわかると思うが、ウルトラマンは当初顕しく変化した。それはつまり相当無理がある状態で始まったということではないだろうか。不具合を調整するのは着用後だ。着用している古谷氏はほとんど実験台のようになって、歩いては転び、動いては息が詰まり、宙づりになって痛みにのたうつ。文中「地獄」という言葉で表現されるほどに過酷な撮影の日々にあって、家に帰ってからも筋トレやポーズの練習を欠かさず行い、実直に頑張る古谷氏の姿には、ファンとして今さらながら頭が下がる。

 ウルトラマンとして文字通り命をかけて頑張っていた時、番組を酷評した新聞記事を目にして、限界ギリギリにあった心と体をついに持ち堪えられなくなり、降板の決意をした古谷氏が、生き生きとウルトラマンを語る子供たちの熱っぽい声に引き戻される場面が印象的だ。覚悟を決めた古谷氏は、「ウルトラマンは僕なんだ」と気づいたという。その清々しい場面に「ウルトラマンになった男」というタイトルの意味がじんわりと効いた。

 ところで、撮影現場の「地獄」が描かれているとはいえ、この本のポイントは、痛々しい話ですらどこかほんわかとさせてしまう古谷氏の語りの柔らかさ(氏の人柄の良さなのだろうが)にあると思う。たとえば彼は、しめつけられるゴムのせいで、休憩のたびに吐いてしまうのに、誰にも気づかれたくないということばかりを書く。怪獣を演じる大変さを体験する段では怪獣役の役者に称賛の声を惜しまない。自分自身がいつ大怪我をするかもしれない大きなリスクを抱えているというのに、他のキャストやスタッフのことを常にねぎらうし、監督をはじめとする制作者たちのことををすごい人たちだと手放しでほめちぎる。自身の状況をどこか他人事にして、周囲の人の仕事ぶりを気に掛け感謝を捧げる素直な言葉が、痛々しいはずの話を温かいものに変えていく。

 きっと古谷氏はこれまで、こうした苦労話を自慢話として熱弁をふるうのでなく、とっておきの思い出話としてさりげなく語り続けてきたのだろう。それがじんわりと人々の心に沁み渡り、本を書いたらと勧められ、初めてウルトラマン役をになった時のようにしぶしぶながらも承知して、子供たちの声に励まされてウルトラマンを続ける決心をかためた時同様の純粋な心根のままに書きあげた。そんな気がする。生々しい現実も苦しい過去も、スペシウム光線を美しく決めた大きな掌でくるみこんでは温める、そんな古谷氏の生粋の優しさによって心安らかに知ることのできる特撮秘話は、テレビ創世記時代を知るためにも有効だと思う。

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紙の本ウルトラマンになった男

2021/06/29 15:36

私が恋したアマギ隊員は…ウルトラマンだったのです(汗)

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:もー子 - この投稿者のレビュー一覧を見る

(ネタバレ注意!じっくり読みたいお方はこのレビュー読まない方がいいです。)
「ウルトラヒーロー」の最初のお方、古谷敏さんの自叙伝。憧れの職業には就いたものの、いきなり『スター』はあり得ず、小さな役をコツコツ積み重ねる日々、そして、主役クラスの役が来た~と、衣装を見ると『飛んで逃げようかと…』、それでもお仕事を引き受け、辿り着いた大役『ウルトラマン』の誕生!!
時は昭和40年代、現在とは環境もスーツ素材も雲泥の差、体を壊しそうになりながらも『やりとげた』ところの秘話は、思わず涙がこぼれました。
後に役者をお休み、実業家へと転身され成功者に。しかし、それに終りが見えて来る、そして…その後のご苦労はほとんど書かれていませんが、ご本人は決して思い出したく無いであろう日々が待ち受けていました。
再び芸能の道を歩かれる古谷さん、『最初の役』からのドキドキも、スーツアクターでの『正直しんどい』も、『試行錯誤』も、そして二枚目(イケメン)役者の『モテキ』も、そして、役者を離れてからの『成功と挫折』も、全部引っくるめて『ウルトラヒーロー伝道師』として現在ご活躍中、ウルトラ特撮ファンも、そうでないお方も…「働くのしんどいな」そう思った時、一度読んでみてください。

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