闇狩り人犯科帳 みんなのレビュー
- 笹沢左保 (著)
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2002/07/13 13:15
音なし源捕物帳3。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:凛珠 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「長屋の賭け」「飛ぶ稲妻」「笛の女」「革財布の中身」「捨子のお恵」「江戸を去る朝」「盗人嵐」「嘲笑う墓」「猫の幽霊」「歓喜の辻君」……を収録。ミステリーも時代考証も一流の笹沢時代小説だ。
江戸時代の風俗などに関する長い用語説明は、小説を冗長にする向きもあるが、江戸時代について勉強したいと思っている者にとっては一石二鳥である。笹沢氏は様々な「江戸情緒」に通じているのだろうが、安易な江戸礼賛をしていないので軽薄な感じになっていない。(……いや、文体のせいで軽薄な感じになってはいるが;)それはあくまでも「時代考証」に重きを置いているからであろう。時代考証の勉強は小説の為であって、江戸礼賛の為ではないのだ。時代物を書く作家でも笹沢氏のような作家もいれば、本業を忘れているような作家もいる。研究者でもそうだ。対象を研究するのに対象を溺愛しては真実が見えなくなってしまうのだが。
2002/07/13 12:54
音なし源捕物帳2。
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投稿者:凛珠 - この投稿者のレビュー一覧を見る
シリーズ第2弾。
「罪なお年玉」「薮入りの留守」「死の初伊勢」「梅の声」「消えた花嫁」「甘い毒薬」「夜の花吹雪」「子の刻参り」「斑の蝶」「盗まれた片腕」……という作品群だ。「盗まれた片腕」では、「音なし源」の秘密がばれそうになる。
それほど力を入れているとは思えないシリーズでも、駄作や似通った作品が無いのが笹沢氏の凄いところだ。どんでん返しと綿密な時代考証によって構築された時代ミステリーである。
紙の本闇狩り人犯科帳
2002/07/13 12:44
音なし源捕物帳1。
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投稿者:凛珠 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『音なし源捕物帳』を改題(……笹沢作品の書評を書くたびに原題を提示しているような気がする……)。
両国の居酒屋「春駒」に住み込む源太は美しい女将お小夜の情夫だが、とにかく図体ばかりが大きくてドジで間抜けで不精ったらしく、子供にまでからかわれる始末。しかしそれは仮の姿。源太は岡っ引き文次郎の下っ引きで、人知れず諜報活動をしているのだ。だが、源太には更にその下に真の顔がある。それこそ「闇狩り人」──。そして源太が闇狩り人となるのは、名前に「さ」の字のつく男が事件に関わっている場合であった。「さ」の字に執念を燃やす源太の秘密とは?
そうそう都合よく名前に「さ」の字がつく男が事件に関わるわけは無いだろう、とは思うが、設定場仕方が無いか。ご都合主義的な作品でも書き続けていけるのが笹沢氏の凄いところ(?)。多作ゆえか、力の入れ具合が作品によって異なるのだ。力の入っていると思われる笹沢作品は抜群に面白いし、あまり入っていないと思われる作品でも、そんなに酷いということは無い。このシリーズは後者だ。
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