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みんなのレビュー6件

みんなの評価4.3

評価内訳

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6 件中 1 件~ 6 件を表示

日本の鉄道の正確さは我が国の社会が抱える宿命的病巣である

26人中、26人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:吉田照彦 - この投稿者のレビュー一覧を見る

——君のところでは列車が遅れると社員を死刑にするのか?
鉄道の国際会議があると、日本の鉄道人はこうきかれるそうである。日本の鉄道の正確さが世界的に驚きをもって迎えられているひとつの証拠である。
我々日本人は、ものの5分も列車の到着が遅れると「なんだどうした」と騒ぎ出し、また海外へいっては、当たり前に10分15分と遅れる鉄道を見て「おかしい」と呆れ返るが、世界水準から見ると、在来線の平均遅延時間わずか1.0分(99年度)という驚異的な数字をたたき出している日本の鉄道の正確さのほうがよほど「おかしい」のである。
本書では、その第Ⅰ部において、日本の歴史的風土・文化・地理的環境から説き起こして、日本の鉄道の正確さがどこに由来するものであるのかということを多角的に検証している。日本人は古く江戸時代から、定時に鳴らされる寺の梵鐘などによって欧米の庶民などよりもよほど早くから比較的鋭敏な時間感覚を養っていたこと、足で歩ける距離に「鈴生り」に発達した宿場町が鉄道の駅間を短くし、鉄道運行における微妙な時間調整を可能にしたことなどを挙げ、それら日本の文化風土のもつ固有の要因が生物学上の「アミノ酸のスープ」のようにその後の正確無比な鉄道運行を生み出す土壌になったのではないかとする著者の説は非常にユニークで面白い。
続く第Ⅱ部では、世界一を誇る正確な鉄道ダイヤというものが実際にどのようなシステムで運用されているのかということが科学的・技術的に分析されている。「一つの駅のブレーキ扱いでだいたい五秒縮められるのです」と語る山手線のベテラン運転手の言葉は特に印象に残ったが、精巧な巨大建造物の図面を引くように綿密に作成される鉄道ダイヤの緻密さ・壮大さ、そのダイヤに仕組まれた「遅れない鉄道」「遅れてもすぐに回復する鉄道」を作り出すための神がかり的な工夫や技術にはため息が出る。
そして第Ⅲ部では、社会構造の変化を見据えながら、日本の鉄道の未来図を展望している。日本の鉄道の正確さは、正確さに対する顧客の要請という側面もさることながら、実は欧米諸国に比べて狭い駅舎、少ない架線という限られた施設・設備の中で可能な限り大きな輸送力を生み出さねばならないという日本の鉄道事情の抱えた宿命的な所産であった、しかしいま、日本の鉄道がダイヤの正確さという形で増大する輸送需要に応えるという時代は大きな転換点を迎えていると著者はいう。
先に起きた尼崎の大列車事故は、列車のスピード化やダイヤの正確性という形で、輸送の利便性を追求したいという顧客のニーズに応えていくことの限界を明確に示すものとなった。マスコミは、事故を起こしたJR西日本が列車の発着状況を秒単位で調査していたことなどから、その企業としての体質の異常さを必要以上に喧伝しているけれども、上述の山手線運転手の言葉の中に、我々はすでに、秒単位での鉄道運行というものが各所で日常的に行なわれている事実であるという証拠の一端を見ている。輸送安全軽視といわれても仕方のないJR西日本の経営姿勢は黙視あたわざる事実であるけれども、これまで大きな事故を起こしたことのない他の鉄道会社といえども、ダイヤの正確さに縛られているという点において、多かれ少なかれ、内在的に同様の問題を抱えている。一方、過度に輸送の正確さを求める我々鉄道利用者の意識もまた、いくぶんかの修正を迫られているのではないだろうか。
今回の事故が我が国の社会に投げかけた問題は、事故という目に明らかな形で噴出した病巣をもぐらたたき的に叩いて済むような、そんな単純な問題ではないような気がしてならない。

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巨大システム

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:近森透析 - この投稿者のレビュー一覧を見る

戦争中の物資輸送のために開発されたシステム工学は原子力発電所、NASAのアポロ計画で学問として一般化されジャンボジェットの開発で民間企業に広がり、現在では金融からCPUの開発まで広く使われるようになっています。
日本はトヨタの改善運動に見られるようにシステム工学を超える蜂や蟻のような生きた統合体を生み出しました。
マニュアル文化と密接な人的交流によるすりあわせ型文化の違いです。
歴史的、文化的文脈性がこういった違いを生み出しているのですが、最近はシステムが巨大化して大型事故や銀行システムの破綻を引き起こし始めています。
鉄道だけの話ではなく全ての日本的システムが変化を示しているのです。
世界一の技術的蓄積があったイギリスの鉄道は民営化され設備と運営が別会社になることで過少設備投資となり事故が多発していると言われています。
実際には職員解雇と共に蓄積された知識が失われて事故が多発していることを示すレポートもあります。
設備改善の必要性や投資効果が示されていればイギリスの鉄道設備は改善されていたでしょうし、必要性を理解できない投資会社が設備を所有すれば古い設備を長く使おうとします。
定時運行に対する宗教的とも言えるこだわりが悪なのか、運行マネジメント能力の低下が悪なのか是非読んでいただきたいと思います。

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このタイミングで発売とは・・・

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:文学少年A - この投稿者のレビュー一覧を見る

JR西日本福知山線脱線事故が2005(平成17)年4月25日に起きたときに、本書の発売が5日後の同年5月1日というとんでもないタイミングだった。
しかし、その背景を知るには本書を読むのがおすすめだと思う。

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国鉄のさが

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:nobita - この投稿者のレビュー一覧を見る

定時運行は関係者全員の思い。鉄道マンが組合問題があっても定時を確保しようとしていた。

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便利に追い立てられて

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る

最初は皆が便利に使えるシステムだったはずなのに それを動かすために絶えず人間が神経をすり減らす…本末転倒とはこの事。

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鉄道と日本人の生活との係わり合い。実に興味深いが、鉄道技術本ではない。

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る

日本の鉄道が時刻に正確であることは、われわれ日本人にとっては当たり前なのだが、これが世界の中ではきわめて珍しいことであることはあまり知られていない。著者はこれに着目して、世界広しといえども日本の鉄道だけが何故時刻に正確なのかをテーマとして探っている。
時刻に正確なのは何も鉄道に限らず、国民性なのではないかと勝手に想像してみたのだが、果たして探求の成果は如何に。江戸時代の生活習慣、すなわち、時刻が定着し始めたところから紐解いている。なかなかの労作であるし、興味深い。
列車を時刻に正確に動かすには、多様な力が働かなければ到底なし得ないことも解き明かしている。そして、正確であるということは、もしも遅れた場合に直ちに正常に回復させる能力も含まれていることを分からせてくれる。
これらの鉄道に携わる大勢の人々の努力によって日本の鉄道が時刻に正確に動いていることが理解できる。
本書は3部構成をとっていて、1部が「環境」で時刻の定着の仕方や鉄道での時刻の感覚など、2部が「仕組み」で正確な時刻を維持するために、鉄道関係者がそれぞれの職務でどのように活躍しているかなど、3部が「正確さを超えて」となっている。
先日の尼崎でおきた死者100名を越す脱線事故後に、本書は偶然にも時期を違えず文庫版が発刊されたが、時刻に追われて運転士が追い詰められることは、本書を読んでもよく理解できる。なぜ、それほどまでに正確さを維持しなければならないのだろうか。
今度の事故原因は、運転士がカーブで減速し損なって脱線したものだが、時刻を守ろうとするあまり、スピードを出して回復しようとしたために生じたものであろう。たとえ遅れても直ちに回復し、より短時間に目的地に到着できることを利用者であるわれわれが鉄道に求めている。時刻表を見て2、3分遅れていようものならたちまちイライラする。
時刻に遅れるということは、それだけ前後の列車との間隔が狭く、遅れは直ちにレール上にいる列車全てに遅れが出るということである。ダイヤに余裕がない。それだけ前後の列車との間隔を詰めるのは需要があるからで、やはり原動力となっているのは利用者側のニーズなのである。
本書は鉄道保安にかかわる最新技術を紹介することを趣旨としていない。したがって、ATSやATCなどの信号保安技術はあまり表には出てこない。むしろ、鉄道の時刻が正確であることが社会に与える影響や意義を探り、掘り下げている。しかし私は前者であると考えて本書を手に取ったので、期待を裏切られてしまった。技術的な考察や展望が詳しく書かれているわけではなく、本書はまさに社会学的な研究であって、鉄道の時刻とわれわれの生活との関係を探った点が興味深いのである。その点では日本人の誰もが読める書で、鉄道を見る視点がきわめてユニークであった。

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