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電子書籍

龍神の雨 みんなのレビュー

  • 道尾秀介 (著)
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みんなのレビュー5件

みんなの評価4.0

評価内訳

  • 星 5 (1件)
  • 星 4 (3件)
  • 星 3 (1件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
5 件中 1 件~ 5 件を表示

紙の本龍神の雨

2016/08/21 21:23

雨のせい、そう思うとき

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る

結局また勘違い、嘘、思い込みから始まる悲劇ではあるのだけれど。事件が起きたとき、また起きるとき必ず雨が降っている。だから考える「雨さえ降らなければ。」決して雨のせいではないのだけれど。後半まで本当に犯人がわからない読ませ方はすごいなと素直に思う。登場人物、全員に何かしら動機があり、チャンスもある。いろいろ降り掛かって来る不幸の数も全部提示され、こんなに不運なんだから、、と読者をも「思い込ませる」そうして、何でもないごく普通の人の影を薄く薄くしていく。全ての種明かしのとき。愕然とした。のめり込み必須の一冊。

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紙の本龍神の雨

2016/01/19 09:56

道尾ワールド

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ヴァン - この投稿者のレビュー一覧を見る

独特の世界観と緻密なロジックで定評のある道尾氏の作品。
一見関係ないような記述が実は全て伏線だった。
綿密に練り込まれた伏線を最後に知ったとき
自分が道尾ワールドに迷い込んでいることにあなたは気付くであろう。
長雨の続く季節に読んでもらいたい作品。

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紙の本龍神の雨

2013/09/10 09:37

よりドラマティックに

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:黄成 - この投稿者のレビュー一覧を見る

新潮文庫のこれまでの2作「向日葵の咲かない夏」「片目の猿」に比べ、独特のミスリードによる巧さというより、もう少し人物像を描くようなイメージになっている。何となく新本格の流れから人物描写に軸足を移していった東野圭吾を思い出した。トリッキーなだけでなく、ドラマも感じたい人にお勧め。

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紙の本龍神の雨

2013/03/08 10:16

道尾作品の独特の世界観に浸る

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る

著名な作家はみな、文章間から匂い立つような独特の雰囲気を持っている。たとえば芥川龍之介ならえも言われぬおどろおどろしさだったり、夏目漱石なら不思議なノスタルジックだったり。そしてそれこそが、その作家の魅力であるわけなのだけれど。道尾作品にも、本当に独特の、比類なき雰囲気と世界観があると思う。なんと表現して良いのか分からないけれど、それは「不安感」のような物。「何か、騙されているような」「何かを読み落としているような」、何とも言えない不安感。そしてそれは読み進めるに従って、どんどんと積もり積もっていく。ではこの感覚が嫌いかと言えば全くそんな事はなくむしろそこを感じたくて、毎回道尾作品を手にとっていたりする。その答えは物語の最後に、わっと明かされることもあるし、そのままで終わってしまう事もある。読者が自ら、探し出す物だとでも主張するかのように。そしてこの作品でも見事に、終始その感覚に囚われ続けた。
二つのきょうだいが、一つの死体~殺人をめぐって交錯する。どちらにも似たような複雑な家庭環境があり、複雑な思いを持っていた。そして彼らの住む町に雨が降った時、事件は起きる。
二つのきょうだい、それぞれの視点から事件を追っていくような展開になるのだが。やはり何か、隠されている感。何か欺かれている感が終始付きまとう。そしてこの作品で言えば、物語中ではその感覚の原因は明かされない。が、巻末の解説にその種明かし的な事が書かれている。真実は分からないが、ちょっと鳥肌物だったりするので、忘れずに解説まで読み進んで欲しい。
あまりにあっさりとした物語では物足りないし、辟易とするくらい説明がましい物ではめんどくさい。道尾作品はその間の絶妙なバランスで物語が構成されてあり、また隠されたエッセンスが読む側の第六感を刺激する。さらりと物語を楽しむのもよし、この得も言われぬ不安感の謎を解き明かしつつ読んでいくのもよし。誰でも楽しめる一作と思います。

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紙の本龍神の雨

2012/02/19 14:20

道尾作品を見直した一冊。お上手すぎるっ!!! そして解説が秀逸。

10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る

久々の道尾作品。
読むのはこれが二作目。

道尾作品はどれもテーマが苦手な気がして
なかなか手が出ないでいたのだけれど、
本書を読んで考えが変わった。
もっともっと、読んでみたいっ!!


物語は同じ地域に住む、
二組の兄弟のストーリーで構成される。
一方は連と楓というアルバイト青年と中三の兄妹。
もう一方は辰也と圭介という中学生と小学生の兄弟だ。

どちらの兄弟にも共通しているのは、
血のつながった両親が他界しているということ。
そして、継母または継父と暮らしているということ、だ。

この独立した「兄弟の日常」が重なり合って、
事件が膨らみ解決へと向かうのだけれど、
その展開が非常に巧い。
巧い…というより、「巧妙」。
こう言ったほうがしっくりくるかな。

そしてタイトルにある「雨」や「龍」といったモチーフが
非常にうまい具合に活かされている。

もう端的に言っちゃう、
とってもお上手だっ!!!


『片目の猿』を読んだ時は
それほどお上手だとは思わなかったのだけれど、
本書の文章は「流れるよう」で、
それでいて場面の切り替えもシンプルかつ明瞭。

また圭介という「子ども」の心理描写も繊細で、
揺れ動く微妙な「こころ」模様がひしひしと伝わってくる。

ところどころに挟まれるニュースや天気予報といった
伏線も巧妙で、緻密な計算がなされていることが伺える。

いや、ほんと、お上手。
びっくりしたーーーーーー。

思い込むだけでなく、真正面から確かめること。
それだけでちょっとした行き違いを防ぐことができる。
その「ちょっとした行き違い」は
「取り返しのつかない事件」の元になるかもしれない。

そんな人間としての基本の部分が、
ミステリの中に描かれているように感じられた。


最後に。
著者の飲み友だちだというライターさんの解説が
非常に良かった。

難しいことをさも難しく、
やさしいことも「自分はすごいんです」と言わんばかりに
ややこしい解説を載せる解説者が多い中、
わかりやすく丁寧で、かつご自身の意見も交え、
いち「読者」としての地位も崩さない。
近年稀に見る名解説だろう。

エライひとたちがどうとらえるかなんてわからない。
ただ、読者が求めているのはこういう解説なのだ、
ということを知ってほしいし、わかってもらいたい。

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