閉鎖病棟(新潮文庫) みんなのレビュー
- 帚木蓬生
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紙の本閉鎖病棟 改版
2020/05/07 19:56
本当の正義とは?
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:rin - この投稿者のレビュー一覧を見る
作品のタイトルにあるように物語の舞台が閉鎖病棟が舞台になっている作品である。苦しい経験をした人にとっては、重い作品かもしれない。閉鎖病棟に短期間ではあるが実際に入院したことがある。現実社会では物語に出てくる閉鎖病棟のように、患者自身のそれぞれの絆が結ばれてるか?と問われると、中々難しいものがある。“風変わりな人たち”に失笑した人も、最後は大事なことに気づくはずだ。登場人物の1人が、「事情を抱えてない人なんてこの世に存在しない」という言葉が私自身の心の中に強く残っている。この言葉は一生私自身の人生の中に強く刻まれるだろう。この物語をみんなに読んでほしい。新しい人生が始まる作品であるということには間違いない。
紙の本閉鎖病棟 改版
2018/12/25 23:08
淡々とした展開の末、最後の20ページ位で一気に感動しました。
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
淡々とした展開の末、最後の20ページ位で一気に感動しました。現役の精神科医でなければ書けない精神科病院の日常は、このように整然と描かれると特異な個性を持った人々のコミュニティとして違って見えて来る。不気味に見えていたものが微笑ましく見えて来るから不思議です。そしてその対極として、薬物中毒患者の重宗が徐々に暴虐の度を増してくるにつれて緊張感が増し、遂に起きるべくして事件は起こるのだが、その感動的な決着に「精神病患者」といった偏見的見方を問い直させる力強さを感じた。作品の大半は、淡々とした精神病院内の日常生活を描いた叙事詩的な内容だが、逆にそのフワフワ感の先の結末の強烈さに感動必至です。作者の温かい視点も嬉しい作品でした。流石、山本周五郎賞受賞作です。
紙の本閉鎖病棟 改版
2023/02/02 10:31
在宅治療をめぐって
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
帚木蓬生氏は精神科医である、だからこの作品に登場するチュウさん、秀丸、昭八、敬吾といった入院患者がたちの日常がリアルに描かれているんだと精神保健の仕事に携わった経験を持つ私には思える、措置入院、医療保護入院、任意入院について丁寧に説明してくれているのも嬉しい。チュウさんは、「患者はもう、どんな人間にもなれない、かつてはみんなは何かであったのだ、それが病院に入れられたとたん、患者という別次元の人間になってしまう。そこではもう以前の職業も人柄も好みも、一切合切が問われない、骸骨と同じだ」と途中、嘆く。しかし、何人かの入院患者たちは退院にむけて少しずつ前進していく、もちろんチュウさんも、精神科病院が病院が舞台というとサイコな内容を想像しがちだが、この作品には生きることに懸命な人間が描かれている
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