「昔はよかった」病(新潮新書) みんなのレビュー
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紙の本「昔はよかった」病
2015/08/08 09:36
幻影だった昭和ノスタルジー
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
庶民史を紐解いてみると、真実は意外なもので、皆が憧れる昭和ノスタルジーは幻影でした。
内容は、火の用心、治安、クレーマー、長者、コーラとウーロン茶、自警団、美人、安心・安全、ハイテンション、熱中症、敬老、絆、商店街といったキーワードで庶民史を検証します。すると「昔は良かった病」が、明らかにされていきます。
例えば第2章では、最近治安は悪化しているという嘘を暴きます。確かに、40年前の自分の子供時代を思い出すと、空き巣が横行し(我が家も社宅のベランダから2度侵入されそうになりました)、川辺にはホームレスが掘立小屋を作って住んでいました。そして、夜間に子供が出歩くのは、極めて危ない空気が漂っていましたので、今みたいに深夜に普通の家庭の中学生がウロウロするなんてことは、滅多にありませんでした。
私自身は、著者が言うほど「昔は良かった」と思ったことはありませんが、それでも「昭和」という響きには、どこか懐かしさや郷愁を誘いますし、あの頃は、夕焼けが綺麗だった気がします。これも、きっと「昔は良かった」病ですね。
とにかく、独特のテンポの語り口で、期待以上に面白かったです。
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