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電子書籍

飢えて狼(新潮文庫) みんなのレビュー

  • 志水辰夫
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みんなのレビュー3件

みんなの評価4.4

評価内訳

  • 星 5 (1件)
  • 星 4 (2件)
  • 星 3 (0件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
3 件中 1 件~ 3 件を表示

紙の本飢えて狼

2010/06/02 22:06

大傑作です。

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

いやぁ、面白かった!!。

 北上次郎さんが、シミタツさん、シミタツさんって新作が出るたびになぜ褒めまくるのか、
わかりましたよ!。
 本書は、すごい。マジで面白い。
 シミタツさんのデビュー作にして、大傑作。日本の冒険小説での一つの到達点です。
「背いて故郷」もちょっと前に読んだのですが、こちらも、版元を新潮社に移しての初期三部作
の一冊なのですが、「背いて、、」はよりハードボイルドへの希求が強いです。
 で、 冒険小説好きの北上さんがなぜ、かくも大絶賛するのが、
ちょっとわからなかったのですが、本書は、もう冒険小説ど真ん中。

 小さなボート小屋を経営する元登山家の男が、とある理由により陰謀に巻き込まれ、北方領土の絶壁を登る話(ほんとは、ちょっとちがうのだけれど)。
 冒険小説の大きなベーシックな要素に敵と戦う前に厳しい自然環境
との戦いみたいなのが、あるのですが、
それもきちんと盛り込まれているし、正に、冒険小説の中の冒険小説です。

 欲を言えば、デビュー作ならではのちょっと陰謀が強引な気もするし、
ラストを謎解きと敵役への反撃にせず、中盤みたいな大冒険で終わらせて欲しかった!!。と
いうのもあるのだけれど、
 そんなのうっちゃって褒めます。マジで面白かったです。
冒険小説ファン的読みどころは、中盤の北方領土での死闘といいますか、サバイバル!!。
 ここは、本当に圧巻で巻を置くを能(あた)はずでした。

 ただ、北上さんが、シミタツさんはけっして安住しない作家って常から言っているし、
上記した初期三部作の「背いて、、」にして既に少しHBへメタモルフォーゼ
していることからわかるようにどんどん変わっていく作家さんなのですが、
この手の作品をもっと書いて欲しかった気もします。

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紙の本飢えて狼

2005/12/03 10:40

四方、味方なし

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:tujigiri - この投稿者のレビュー一覧を見る

いち民間人が国際謀略に巻き込まれる物語というのは、さして珍しいものではないだろう。
知らずに機密を入手していたり、或いは託されたり。ハリウッド映画だと、そんな主人公が敵に追われるうちに敢然と逆襲に転じて、見事に事態を解決する流れになることが多い。
昔の恋人が主人公を助けたり、スパイ組織の中から懸命にサポートをする味方が現われたりするわけだ。果てはその民間人が実は元軍人だったり警察官だったりと、ある程度の訓練を積んでいたりするケースも多々ある。
だが、純然たる民間人が独力でピンチを生き延びる物語は案外少ないのではないだろうか。
本書の主人公・渋谷は引退した登山家である。山で仲間を失ってのち逗子でボートサービス業を営むも、ブームが去って業績はさっぱり。笑ってやせ我慢するタフな男でもあるが、自分が人生から逃げ続けていることを薄々自覚してもいるといったところ。
そんな彼のもとに、ある日ふたりの男が訪れる。謎めいた男たちが渋谷に依頼したのは、ある断崖の登攀だった。引退を理由ににべもなく断った渋谷は、その日のうちに会社と部下を炎の中に失ってしまう。
紆余曲折を経て依頼を受けた怒れる渋谷が送り込まれたのは、ソ連が占拠する択捉島だった。断崖絶壁をよじ登り、そこで落ち合う予定の亡命スパイを連れ帰る計画は、しかし敵方に筒抜けとなっていた。
択捉から国後を抜ける絶体絶命の脱出行のさなか、渋谷は米ソ諜報戦の捨て駒に使われたことを悟り、激しい憎悪を掻き立てられるのだった。
すべてを失った男は、はたして包囲網を生き延びて真相に辿り着けるのか。
北の果ての厳しい自然と符合するように、峻厳なる精神を甦らせた渋谷の単独行が始まる。
その道の泰斗、評論家北上次郎が絶賛した肉体派冒険小説。
本書は1981年刊行と少々古い本であり、90年代に米ソ対立の構図が表面上解消されて以来、スパイものはテーマ自体が緊迫感を欠いてしまっていると言えるのかもしれないが、愚直なまでに頑固な男が肉体のみを武器にサバイブする冒険小説が支持されていた時代の、代表的な傑作として楽しめるはずだ。
志水辰夫一流の香り高き文体を堪能せよ。

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紙の本飢えて狼

2010/09/16 22:31

すっきりさわやか暴力の余韻を楽しもう

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:よっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

私の記録では志水辰夫の作品『あした蜉蝣の旅』『滅びし者へ』『情事』『暗夜』『みのたけの春』を所有している。時代小説である『みのたけの春』は未読であり、ポルノ小説まがいの『情事』だけはひどく扇情的であったとの記憶があるが、これらの作品の印象はほとんどない。振り返れば代表作といわれるものではないようだし、読んだ当時が志水辰夫の感覚を受け入れにくいような時期だったのかもしれない。

いまさら著者の処女長編を読むのは気が引けるところだったが、読みたいと思う新刊本も見当たらず、手嶋龍一『ウルトラダラー』佐々木譲『エトロフ発緊急電』とスパイ小説を連続して読んだあと、日本のスパイ小説にはどんなものがあるのだろうかと調べてみた。代表格は結城昌二の『ゴメスの名はゴメス』だそうだ。そのなかで志水辰夫の『飢えて狼』(1981年)がスパイ小説だといわれていた。

「ささやかだが平穏な暮らしが、その日、失われた。怪しい男たちが訪れた時刻から。三浦半島で小さなボート屋を経営していた渋谷は、海上で不審な船に襲われたうえ、店と従業員を炎の中に失う。かつて日本有数の登山家として知られた渋谷は、自らの能力のすべてを投じ、真実を掴むための孤独な闘いを開始する。」

プロのスパイたちの暗闘ではない。
「007」的な冒険大活劇でもない。
ソ連とアメリカの国際スパイ戦に巻き込まれた一般市民(といっても桁外れのタフガイなのだが)のシリアスなサバイバル劇である。スパイ小説というよりもいわゆるチャンドラーの流れにあるハードボイルドで、重火器戦闘ではない肉体酷使型バイオレンスで読ませるサスペンスだった。
正体の知れぬ敵の連続襲撃、それをかわしながらの危険地帯への侵入、そして満身創痍の脱出、拉致された女性の奪還、彼らへの復讐と畳み掛ける激闘シーンでは久しぶりの暴力の美学に爽快感を味わうことができた。
女への屈折した愛が横軸にあるのだが、ハードボイルドの文体は哀愁を帯びた男の背中を渋くかっこよく見せてくれる。
当時読んでいればそれから続々と発表された志水辰夫の新作を読み続けることになっただろう。それだけの魅力をもった作品である。

なお、ソ連軍の包囲網からまさに命がけの脱出が山場となっているのだが、その舞台が択捉島、国後島である。「孤独な闘い」「北海、山岳の過酷な大自然」。佐々木譲『エトロフ発緊急電』(1989年)によく似たところがあるが、この作品のほうが早い時期に誕生している。

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