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人びとのかたち(新潮文庫) みんなのレビュー

  • 塩野七生
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みんなのレビュー4件

みんなの評価3.9

評価内訳

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4 件中 1 件~ 4 件を表示

紙の本人びとのかたち 改版

2010/01/17 09:21

映画を素材とする人間論

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:風紋 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 秀逸な映画論である。
 とりあげられた映画は『真昼の決闘』から『エーゲ海の天使』まで。作品のストーリーを追うのは、物語作家の読者に対するサービス精神があるからだけではなくて、ストーリーを語ることそれ自体を楽しんでいるからだろう。ストーリーを語ることで、映画に没頭した時間を再び生きるのである。
 当然、話はスターや監督に及ぶ。
 スターを語って、気品と野性的なまなざしをもつエヴァ・ガードナー賛歌があり、ありふれた美男から独特の存在感をもつ男へ変貌したゲーリー・クーパー礼賛がある。監督を語って、官能に執着したルキノ・ヴィスコンティ、あるいは想像力の魔術師フェデリコ・フェリーニからイタリア的なものを拾い出す。

 このあたりは、多くの映画好きもやっていることだ。
 しかし、書き手は塩野七生である。当然、話題は映画にとどまらず、人生と歴史のありとあらゆる側面に展開される。ヴィスコンティ『山猫』に見るマフィア跳梁の原因から、教育、戦争まで、日ごろの蘊蓄をかたむける。読者は、映画一編からかくも多様かつ深い読みができることに感嘆し、懸河の弁にひたすら身をゆだねるしかない。
 たとえば、リーダーシップ論(『プラトーン』のバーンズは冷酷すぎて部下がついていかないし、人間的なエリアスは隙があって安心して身を預けられない)。あるいは、古代ローマ人の哲学者論(ストア主義者は共同体や国家に身を捧げる道を選んだ人であり、エピキュロス派は個人生活の充実に重きをおいた人である)。
 ことに興味深いのは、女の人間学だ。『恋人たちの予感』にふれて、一度もベッドをともにしていない男はどこまで無理を言ってよいかわからないから不安な存在だ、と微妙な感覚を喝破し、『シラノ・ド・ベルジュラック』にふれて、豊かな言葉は頭脳とハートを示すものであり恋の要件だ、と総括する。

 要するに、本書は映画をダシに展開される塩野七生の人間論である。
 暗々裡に自らを語ったと思われるくだりを引いておこう。
 「優れた創作者はけっして、簡単に一刀両断できるような人間を描かない。なぜなら人間は、互いに矛盾する両面を合わせもつのが普通で、そういうアンビバレンスを描ききってはじめて、人間が書けている、ということになるからである」

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紙の本人びとのかたち 改版

2006/10/03 17:56

持ち歩いて読みやすい本。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あんこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 映画関係の話が多いですが、映画だけの話に終始しないので、映画には疎くても充分に考えさせられたり共感したりと楽しめました。もちろん、映画に詳しい人ならもっと楽しめると思います。
 文庫で買うには申し訳ないと思うくらい内容がギュッと詰まっていて一気に読み通すにはボリュームがある本でしたが、文庫なので持ち歩いて気分転換にちょっとと言う感じで時間をかけて読めました。
 新潮社文庫の栞ひもも、持ち歩いて読みやすくて好きです。

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紙の本人びとのかたち 改版

2006/10/03 17:54

著者の価値観、美意識の爽快な表出

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ベリ太 - この投稿者のレビュー一覧を見る

映画の評論とは違う。
映画を通して著者の持つ価値観を語る物である。

恋愛、友情、正義、差別等々とそれぞれのテーマを
短く凝縮したかたちで語っていく。

その語り口には著者の価値観、美意識、いい意味でのプライドが、
濃厚に反映し、それがまた実に気持ちがいい。
また関連しながら随所に現れるヨーロッパ文化の
一つの考え方、ものの見方も啓蒙される思いである。

残念ながら私は取り上げられた映画をほとんど見ていない。
しかし、それでも現実以上の真実を映画に感じる。
著者の広さだけでなく深さにも敬意を表したい。

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紙の本人びとのかたち 改版

2019/12/09 19:08

映画

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る

映画には詳しくないのですが、観てないからわからない・・・ということもなく楽しめました。どの映画も観てみたくなります。

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