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電子書籍

塩野七生ルネサンス著作集 みんなのレビュー

  • 塩野七生
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みんなのレビュー26件

みんなの評価4.4

評価内訳

  • 星 5 (20件)
  • 星 4 (5件)
  • 星 3 (1件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
26 件中 1 件~ 15 件を表示

塩野七生は結局これ!

10人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る

塩野七生の本は沢山あるが、結局「サントリー学芸賞」を受賞した
「海の都の物語」に尽きますな。商業国家として繁栄を極めた中世の
都市国家ヴェネチア。最盛期には大英帝国顔負けの植民地帝国を築き
あげ、地中海を我が海としたヴェネチア。その栄華の絶頂期に衰退の
兆しは始まり、一旦衰退が始まると今までヴェネチアの長所だったもの
が短所となり、すべての歯車が逆回転を始めてしまう。帝国は衰退し
敗戦につぐ敗戦で領土は次々と失われていくが、皮肉なことにそれでも
ヴェネチア人は豊かであり続けたが故に、危機感は国民の間に高まる
ことはなく、構造改革の火は消され、衰退は続くのだった。豊かに
なった人間がリスクを取ることを避けるようになり、安全な道のみを
選ぶようになったことが国家から進取の気性を奪い去り、国家を衰退へ
と導いたという塩野の議論は初版から20年以上たった今も、その輝き
を失っていない。衰退した日本の大手都市銀行員に是非読ませたい一冊
である。

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学校で学ぶ歴史が嫌いだった人へ。

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:アルテミス - この投稿者のレビュー一覧を見る

 私は学校の歴史が嫌いだった。
 だが、今考えれば、年号を覚えさせられ暗記できたものの量で評価されるのが嫌いだったのだ。本書に出会う前の私は主にSFやファンタジーを読んでいたのだが、それらの中でも「舞台は架空だがストーリーは大河ドラマ的」なものを特に選んでいたのだから。
 ともあれ「歴史は嫌い」と思い込んでいた私は当然歴史ものを読むことはほとんどなかった。したがって歴史の知識が増える筈がなく、あまたある日本の歴史物はたいてい読者の側にある程度の歴史の教養(常識)があることを前提にしているので、手に取る気にならないという悪循環に陥っていた。
 だが、ある日。
 本書の後に書かれた塩野氏の「レパントの海戦」が目にとまった。レパントの海戦の少し後の時代をを舞台にしたマンガを読んだ後だったのだ。三部作の三作目だったので、一作目から読んだ。面白かったが、この三冊の段階ではまだ「歴史」ではなく「物語」を愉しんでいた。ともあれ、同じ著者の別の作品を、と思って本書を手に取った。
 私の読書傾向は、それ以来一変した。
 本書に、「美術史以外ヴェネツィア史について書かれた書物が皆無に近い日本では、先例を参考にするということができないために、言葉の訳ひとつからして私がはじめなければならない」という記述がある。そのために塩野氏は大変に苦労されたのだろうと察するが、結果として本書は何の予備知識もなく読める歴史書となった。そのおかげで、私は本書を読み通すことができ、「自分が歴史を好きである」ことを「発見」できたのである。
 著者が自らたびたび言明しているが、塩野氏が「作家であって歴史家ではない」のも幸いした。歴史家の書いた歴史書では論拠となる資料をそのつど挙げないわけにはいけない。いきおい「注」が膨大な量となる。なかには、本の厚さのかなりの部分が「注」に割かれてしまっているものもある。いちいち巻末を参照するのは手間である。しかし、引用されている資料のタイトルなどに混じって、知らない用語の解説などが載っている場合もあるのでその手間を省くことはできない。
 そういう散文的な理由以上に、「文章が作家のものであって歴史家のものではない」ことが、本書の魅力をより高めている。これは塩野氏の文章が簡潔、平明であるという意味「も」もちろん含んでいるが、ここでの主眼はそういう意味ではない。歴史家が歴史書を書くときは、おそらく「扱っている史実あるいはそれについての論考に関心がある読者」を想定しているであろう。そういう読者は、内容がしっかりしていれば、文章力は文法的に誤りがない程度であれば文句は言わない。しかし作家は、そういう「はじめから興味を持って読み進めてくれる読者」だけを相手にして文章を書く贅沢は許されない。常に読者の興味を引き続ける文章力(努力と言い換えてもいい)が必要不可欠なのだ。
 その点、塩野氏は間違いなく作家であった。
 史実について述べるときは臨場感豊かに、ときには脱線して空想と遊ぶ。ヴェネツィアを危機が襲うたびに、読者ははらはらして手に汗を握ることになる。読み終わったときに、知的好奇心だけでなく純粋に娯楽としても「面白かった」と言わせうる歴史書など滅多にあるものではない。
 本書の後、ヴェネツィアに関する本が多数出版された。それらを読んで後に本書を読み返すと、塩野氏の視点がいささかヴェネツィアに好意的に過ぎる部分があるとわかる。だが。
 本書に出会うまで、私は長らく歴史を「暗記物」だと思っていた。
 しかし、ヴェネツィア旅行が趣味になってしまい、イタリア語をかじるようになった今では、「歴史」と「物語」が、イタリア語では同じ「ストーリア」という単語であることを、私は知っている。
 そして、塩野七生氏は「ストーリア」の書き手なのである。

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かつての政治学徒にも興味は尽きない。

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:わたつみの自游人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

6月末大学のクラスメートでアドリア海・エーゲ海のクルーズに行くことになった。そのクルーズの出港・帰港地が共にベネチアであり、クルーズ終了後更に2日間ベネチア観光の日程をとっていることから、思い立って昔読んだ塩野七生女史の「海の都の物語—ヴェネチア共和国の一千年」を読み直そうと考えた。
処が書棚にとっておいた筈のこの書籍が見当たらないのです。丸善に行ってみたところ、品切れで、途方に暮れたが、amazon.comと同じ方法で商売している@niftyの「お買い物」を呼び出し、ネットで注文したところ、4月27日の2100頃注文したものが、28日の午後には宅急便で配達されたのには驚いた。
十数年前に読んだ記憶があるが、細部は殆ど忘れていて、今回のクルーズの航路がヴェネチアが地中海の女王として、活躍した通商ルートと重なり合う為、興味は尽きなかった。是非ご一読をお勧める。

歴史としても面白いし、1000年に亘って繁栄を続けた統治機構を作り上げたプロセスなど、政治機構論的にもかつての政治学徒としても勉強になった。「ヴェネチア共和国は資源に恵まれなかった国である。資源に恵まれた陸地型の国家ならば、非効率の統治が続いても、そ
れに耐えていかれる。古代ローマ帝国、ビザンチン帝国、トルコ帝国も、悪政が続いてもそれが帝国崩壊につながるには、長い長い歳月を要した。一方、資源に恵まれないヴェネチアのような国家には、失政は許されな
い。それはただちに、彼らの存亡につながってくるからである」との指摘は日本と中国との関係にもそのまま通用しそうな議論で、身に詰まされる思いを懐いた。

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塩野七生の愛のありか

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くにたち蟄居日記 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 塩野七生という作家は 自分が女性であることを縦横無尽に使って
いる点では 特筆すべき作家である。好きな男に肩入れしている時の
塩野は 「だって好きだからしょうがないじゃない」と言い切って
いる。これに反論することは難しい。塩野自身が それを分かって
いて そう言っている。これを確信犯と言うのである。

 そんな塩野の想い人の一人が マキアヴェッリである。彼は
「君主論」で 日本でもよく知られている。マキアベリズムという言葉
は 日本でも悪い響きを持って言われる。そんな彼の悪評に我慢が
ならないのが 深情けをしてしまっている塩野である。

 本書で マキアヴェッリの生涯に親しく触れることが出来た。
そこで描かれる彼は 幾分が滑稽味を帯びた 我々と等身大の男で
ある。塩野は 彼を我々の目線に下げた上で その稀代の現実主義を
説く。
 実際 「君主論」を読んで見ると 彼は 科学者の視点で人間を
語っているだけのように思えてしかたない。善悪を超えて 実態を
冷静に叙述する彼は 正しく科学者である。

 そんな彼を 愛をこめて塩野七生が描き出す。面白くないわけがない。

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ある国との類似

6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:コーチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る

 『海の都の物語』下巻では、強国オスマン帝国の台頭、宿敵ジェノヴァとの戦争、さらに大航海時代以後にゆらぐ地中海での覇権など、15世紀以降次々と新たな時代の荒波にもまれるヴェネツィアの姿が描かれる。
 特にオスマン帝国との戦いでは、スペインと結んだレパントの海戦など、痛快な勝利を収めたこともありはしたが、結局、資源に乏しいこの海洋国家が無尽蔵の資源を有する陸の大国に対して最終的勝利をおさめることはできなかった。地中海支配の要であったクレタ島の攻防戦は実に25年も続き、その最終段階においてはまるで亡霊のようだと形容されたヴェネツィアの兵士たちの守りもむなしく、結局オスマン側に要塞を明け渡すこととなる。
 国内の社会変化も、さまざまな角度から綴られていく。ヴェネツィアでは、伝統の共和政を維持しつつ、有事の際の政治的指導力強化のため、やがて政治家の世襲制が開始される。つまり代々政治家を輩出する家が生まれたわけであり、彼等は貴族といってもよい階級ではある。しかし、これは一般の貴族とは様相を異にする。一種の名誉職ともいえる政治家であるが、彼らの収入は決して多くはなく、16世紀になると、金に困って顔を覆いながら乞食をするような者も出たという。
 「聖地巡礼パック旅行」という章では、15世紀を中心に行われたイェルサレムの巡礼ツアーに国をあげて取り組む様子が描かれるが、今でいう観光事業にも手をのばす彼らの巧みな商才には思わず微笑んでしまう。
 もともと潟(ラグーナ)だけであった領土も、国家の隆盛とともに周辺地域にひろがってゆく。その過程でヴェネツィアは、海洋国家から農耕中心の国家へと徐々に移行していく。かつては国家の安全と繁栄を守るために必死になって戦った覇気にあふれる国民性もいつのまにか萎え、18世紀にはかつてのような覇権国家とはほど遠い存在となりながらも、市民たちは平和と豊かさとを享受し、その華やかな文化はゲーテを始めとする多くの観光客を魅了する。
 しかし、文化的絢爛のさなかにあったこの国も、フランス革命後に頭角を現したナポレオンによって征服され、花火のように消えてゆく。ナポレオンの恫喝に、市民も政治家もただ怖気づいて、結局一度も剣を交わすことなく、ヴェネツィアはフランスの手に落ちたのだった。かつてクレタ島を死守したときのような覇気はどこにもなかったのだろう。
 最後まで読んでみて、ヴェネツィアという国が、現代のある国と歴史や国の性格、国民性の点から非常に似ていると感じた。
 四面を海に囲まれ、天然資源にも恵まれていない。しかし、この国の民は古来、高い道徳性と勤勉性により、豊かな文化と物質的繁栄とを生み出してきた。海を隔てた近隣には、領土的野心に燃えた大国が数カ国存在する。先人たちは自国を愛し、それを守るために自分の命さえも投げ出して戦い、これらの国々の侵略を許さなかった。しかし、その後訪れた長い平和と繁栄のなか、その子孫たちは平和を自らの努力によってかちとるものということを認識を忘れたばかりか、そのような考えを否定ないしは軽蔑するようにさえなっている。(ついでに、かつて各々生活苦をかかえながらも他の階級の上位に立っていた支配階級がいた点も似ている。)
 その国とは、いうまでもなく我が日本である。ヴェネツィアの歴史をそのまま当てはめるならば、日本もやがて近隣の大国に併呑されてしまうということか?それも戦わずして降参することによって...

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千年の繁栄を支えた国家の美徳

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:コーチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る

 多くの歴史的遺産と独特の景観で今も世界中の観光客を魅了してやまない水の都、ヴェネツィア。ローマ帝国末期、蛮族の侵入におびえる人々がキリスト教の司教に導かれて潟(ラグーナ)へと移り住んだことが、その起源であった。やがて彼らは、地中海を舞台にした中継貿易で発展をし、中世においては西ヨーロッパの経済的中心として栄えただけでなく、近世以降も繁栄を続け、1795年にナポレオンに征服されるまで、実に1千年以上ものあいだ存続したのである。
 塩野七生の本作は、『ローマ人の物語』のときと同様、通俗的な歴史の蒙昧から私を解放してくれた。ヴェネツィア=守銭奴というネガティブなイメージが偏見にすぎず、その長い繁栄を生んだ要因は、彼らの悪徳ではなく、むしろ正義と公正の念、国家への忠誠や団結心といった美徳であるということを、本書は教えてくれた。以下、この国に繁栄という正当な報酬をもたらした諸要因を、具体的にあげてみたい。
 第一に、彼らの政治体制があげられよう。権力の集中を極度に嫌い、常に共和政をとり続けたことが、国民のあいだの政治的・社会的平等を生んだ。その結果、この国の長い歴史を通じて内乱やクーデターはほぼ皆無であった。
 ヴェネツィア市民の公正で勤勉な気質も、繁栄の大きな要因であった。同じイタリアの海洋都市ジェノヴァの商人は海賊行為などの不正も平気で行ったが、ヴェネツィアの商人は、正当な手段で堅実に商売を行い、国家もまた護送船団方式などによりこれを保護し続けた。
 第三に、現実主義的な彼らは、中世ヨーロッパ社会で一般的であった宗教的不寛容や残虐性とは無縁であり、カトリック教会とも常に距離を保った。他のイタリア諸都市が、皇帝派と教皇派に分かれて政争を繰り返したのに対し、現世の利益を第一に考えるヴェネツィア人のこのような性格は、政治的安定にも大いに寄与した。
 最後に、国家としての危機管理体制と、いつでも国家のために命を張るという国民一人ひとりの愛国心こそ、この国の存続を可能にした最大の要因であろう。市民の一人ひとりは、個々の利益を追求する商人ではあったが、いざ国家の困難や危機に際しては、市民全員が力を合わせてそれに対応し、幾度か経験した祖国存亡の危機もこのような団結により乗り越えたのだった。(残念なことに、18世紀以降はこのような気概が国全体から消え失せ、結果、ナポレオンの恫喝で戦わずして国を明け渡すこととなるのだが...)
 これら数々の美徳と呼ぶべき特質により、ヴェネツィアは、国土も狭く物的資源に乏しいというハンディキャップを克服し、中世以降のヨーロッパにおいて稀有な経済的繁栄と政治的安定を享受したのである。
 ヴェネツィアが歴史的にこうむった汚名の典型例は、第四次十字軍で彼らがとった行動であろう。世界史の教科書などでは、騎士たちの宗教的情熱を利用して自らの利益のために東ローマ帝国を攻撃し、これを一時的に滅ぼしたとしてその卑劣さが強調されがちである。しかし、この上巻において塩野は、現実主義者として首尾一貫した態度をとった彼らの行動原理を描くことでヴェネツィア悪人説を見事にくつがえし、その冤罪を晴らすことに成功している。
 「ローマ人」シリーズで、歴史の盲点を突く塩野の手法には慣れっこになっていたはずの私だったが、今回もやられたと感じた。しかし本作品は、「ローマ人」よりもはるか以前に書かれた書物なのだった。

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紙の本ルネサンスとは何であったのか

2010/10/30 19:32

心眼と克己のルネサンス

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kc1027 - この投稿者のレビュー一覧を見る

巻末の対談が秀逸なこの文庫本には、問いが満ちている。
タイトルからして魅力的なこの書は、ルネサンスとは自らの生き方を
疑ってみることから始まることを鮮やかに提示してくれる。
蒙が啓かれる感覚というのは、こういう書物を読むことによって
鍛えられるのであって、『ルネサンスとは何であったのか』という問いは、
まさにルネサンスを生むための源泉でもあり得る。

ではなぜルネサンスを問うのか?
それは、中世キリスト教的価値観に行き詰ったヨーロッパ人と
近代西欧的価値観に行き詰った現代人は似たような状況にあり、
中世ヨーロッパ人が古代ローマ時代に立ち返ろうとしたように、
現代人も近代の入り口であるルネサンス期に立ち返るのはごくごく
自然なことだと著書は語る。至極合理的で、スマートだ。

ルネサンスの本質は、見たい、知りたい、理解したいという人間の
精神運動の爆発であって、様々な造形美術が花開いたのは「創作する」
という行為が理解への一番の近道であったから。更に言えば、
理解というのは、ものごとを「心眼」で見通し、惰性でものごとを
済まそうという己に打ち勝つ「克己」によってこそ獲得できるもの。
この何とも日本的とも言うべきルネサンス論は、塩野七生氏が
ルネサンスとその起源である古代ローマに関しての創作を通して
深く長く考え続け表現し続けたから書くことが出来たもので、
もしこれから新たなルネサンスが花開くのだとすれば、日本では
その体現者として塩野氏自身が歴史に残ることになるのだと思う。

人が生きられる最上の人生のようなものがあるならば、
自由な精神が爆発するような生涯がその1つではないかと思うが、
果たして日本にはかつてそんな自由な精神が爆発するような時代は
あったのだろうか? もしないとすれば、わたしたちのこれからは
世界をもっともっと知ろうとする精神の在り方に、かかっている。

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七生歴史観

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぶん  - この投稿者のレビュー一覧を見る

 現在はローマの歴史を描いている著者だが、その歴史観はこの著作から一貫している。著者は、国家の衰亡はその構成員の堕落によって引き起こされる、というありがちな歴史観に真っ向から反対し、国家の盛衰は構造・特質による、と説く。客観的な視点ではなく、主観的な構成員批判に傾きがちな国家盛衰論へ一石を投じる著作である。

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塩野七生の傑作

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 本書は彼女の事実上のデビュー作であり、彼女の著作の中での最高傑作であろう。ヴェネチアという中世に絶頂期を迎えた商業都市国家の運命と、今日の日本の運命が重ね合わさるような感覚にとらわれる。それにしてもあのヴェネチアの石の都を支えているのが、ヘドロに大量に打ち込まれた松の杭だったとは知らなかった。歴史叙述もさることながら、ヴェネチアの都市建設の知恵についての解説が興味をそそられる。読んで損はありません。

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紙の本神の代理人

2014/08/05 05:20

人間的な、あまりに人間的な

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:コーチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る

塩野七生が、自ら「若書き三部作」と呼ぶ三十代前半に著した作品群の一つ『神の代理人』は、ルネサンス期に出たピオ二世、アレッサンドロ六世、ジュリオ二世そしてレオーネ十世という四人のローマ法王の物語である。
 読んでみて一番に感じたのは、これらの主人公や聖職者たちのだれもが宗教とは無関係な、人間的な、それもあまりに人間的である点だ。法王という曲がりなりにも当時のキリスト世界の頂点に立ち、強い信仰心とともに高潔な人格が求められているはずの人間が、何ら宗教的、倫理的な動機ももたず、個人的欲望や政治的打算をむき出しに行動し、ときに人を貶め、殺害することも躊躇もしない様子が淡々と語られる。塩野はそれらを、宗教的腐敗とか堕落などと一蹴することなく、特殊な社会に生きる人間の失敗と成功の物語としてとらえ、いかにも人間社会の縮図らしく、これら人間くさい宗教者たちの中にも、よくできた者とそうでない者がいるととらえているが、そんなところにこそ本書の醍醐味はあると思う。
 そういう意味で4人の法王中、最も魅力的なのは、アレッサンドロ六世であろう。そして、その賢明さを際立たせるかのように、対照的に描かれるのが、フィレンツェで一時神権政治を確立した修道士サヴォナローラである。信仰の自由、本来のキリスト教的清貧といった美辞麗句を並べ、民衆の熱狂的支持を得たこの男を、キリスト教会の秩序を守る立場からアレッサンドロは最終的に破門に処する。塩野は、両者の書簡のやり取り、さらには、当時の関係者の書いた日誌などを交えながら、サヴォナローラの偽善性に対して、法王の責任ある態度を描き出す。そこで描かれる法王は、つねに冷静で、かつ他宗派、他宗教に対して寛容なる人である。
 その一方で、ピオ10世、ジュリオ2世については、彼らの宗教的不寛容がかえって、カトリック教会やイタリアを混乱に招いたことなども見事に描かれている。ルターが非難をし、後に宗教改革をおこすきっかけとなるレオーレ十世についても、一般的な世界史的知識に反して、寛容で陽気なイタリア人として描かれている。その反対にルターは石頭で陰鬱なドイツ人としていささか滑稽に描かれているのも、おもしろい。このように本書は、これまで偏見をもってとらえていたカトリック教会の法王たちについて、思わず目からうろこの経験を味わえる一冊である。

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国は生まれて、そして滅びゆく

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る

どんな国も生まれて、消えていく。大小関わらず。マイナスをプラスに変えて栄えたベネチアが力を失っていく描写は本当にすばらしく、何度読んでも色あせません。

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久しぶりに読んでみようか

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る

わが家にはなつかしのハードカバーがあります。娘や夫に勧めてみたら、結構真剣に読んでくれました。やっぱり名著の吸引力は違います。

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凍れる魅力

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る

塩野作品の最高峰。
ローマ法王の隠し子という生い立ちのチェーザレ。彼のイタリア統一を目指し謀略と戦いに明け暮れた一生を描く。

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君主論を読む前にご一読を

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:サラーさん - この投稿者のレビュー一覧を見る

塩野さんが親友ニコロ・マキアヴェッリについて書いた本です。割とエッセイで書いていたこととかぶる箇所もありますが、当時のフィレンツェの政治情勢や庶民の生活も触れているので、ルネサンス期のイタリアの本が特に読みたい人にもオススメ。君主論を読む前に読むと良い感じに予備知識を持った状態で君主論に入れるので読んで損するところはないです。

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紙の本神の代理人

2017/06/03 19:06

ローマ法王列伝

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:サラーさん - この投稿者のレビュー一覧を見る

塩野七生さんらしくローマ法王様だろうと人間味溢れ、魅力的に書いた作品。その中の一つアレッサンドロ6世は秘書の記録を辿る形で従来の好色法王というレッテルを外し、法王にするには勿体無いほどの類い稀な政治センスを持ったダンディとして描かれ、とても面白い。

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