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城塞 みんなのレビュー

  • 司馬遼太郎
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みんなのレビュー11件

みんなの評価4.4

評価内訳

  • 星 5 (7件)
  • 星 4 (3件)
  • 星 3 (1件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
12 件中 1 件~ 12 件を表示

紙の本城塞 改版 上巻

2006/09/30 17:52

滅びの美学

15人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:佐伯洋一 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 この「城塞」は、1600年の関ヶ原の戦いから、1616年の大坂冬の陣・夏の陣そして元和偃武の太平宣言に至るまでの模様を描く。
 どうしても日本は滅びの美学を尊ぶ精神を持っていることから、滅ぶ側すなわち西軍を何となく応援してしまう。そのせいか、徳川家康が悪の権化のように描かれることが多い。しかし、その流れは、山岡壮八による家康ブームで多少流れが変わったように思える。司馬遼太郎も、捉えどころの無い家康という人間をよく理解しようと勤めている一人であって、本書も、家康が悪者扱いされるようなことはない。家康は、世界史を見ても、これほど多面体を持つ奇妙な人間はいないのであって、とてもではないが、「悪」などという枠にはまるタイプではありえない。
 しかし、物語としては、悪と善が峻別できる方が面白い。その意味では、本書は極めて忠実的であって、物語的盛り上がりには欠けるかもしれない。浅田次郎や北方謙三のようなロマンチシズムよりもあくまでリアルを追及しているのがおそらく司馬さんなのではないかと思う。
 本書でいえば、善の役はおそらく真田昌幸、幸村親子であろう。昌幸といえば、秀忠軍三万を自他共に認める鬼謀神算で信州に釘付けにした「表裏比興」と評される謀将である。その子、幸村は、真田10勇士などというフィクションまで語り継がれるほど徳川打倒に燃えた忠烈勇智の武将である。
 この幸村の活躍をみるためにこそこの夏冬の陣があるのではないか?というほど幸村は傑出した働きをする。そのあまりの烈々たる戦いぶりをして、「真田日本一の兵」とまで賞賛されたそうだ。真田丸に籠もって、全国の早々たる大名に食って掛かる姿は清清しい。ちなみに、真田丸は西洋で言う稜堡に相当するが、攻城の天才と称されたフランスのヴォーヴァンがこれを体系化したのは1633年以降である。
 悲しいのは、このとき東軍として参列していた中には、義でならした上杉景勝・直江兼継までいたことである。もちろん、体勢はもはや決したし、関ヶ原で十分義は果たしたと言うかもしれないが、参陣していた事実は事実である。伊達政宗も藤堂高虎も一世の傑物であるが、家康の前には大人しくするしかないのだろう。また、アホの福島正則は、秀頼を思い西軍に10万石の米を寄贈したらしいが、秀頼をその目に合わせたのは他ならぬ自身の軽挙妄動にあったことは取替えしようがない。
 要するに、そんな英雄たちでさえ、もうどうしようもないほど天下は決していたのである。にもかかわらず、大坂城に参集する美学は筆舌に尽くしがたい。後藤又兵衛やこの幸村の活躍は、永遠に光輝を放つ事は疑いもない。この2人の死に様を見ずして大坂の役は語れないだろう。
 「城塞」はあくまで滅びの美学である。しかし、家康はそんな義の為に死ねる男たちが大好きである。彼を支えてきた三河武士の気質はまさに幸村そのものである。それでも家康は、天下泰平を考えていたのだと思う。その結果、世界が戦乱に明け暮れる300年を超平和の時代へと導いたのだ。それは鎖国の成果であろう。江戸時代は循環型社会として、エントロピー論においても極めて注目の的なのである。理想郷と語る環境学者もいるほどだ。
 家康は、福島正則を抑え、伊達政宗に釘を刺し、藤堂高虎に外様を託し、「ざっとすみたり」と語り死んだという。すべてを完了して寿命が尽きたかのようで、本当に家康というのは不思議な人間である。ちなみに、家康の唯一の知恵袋本多正信も家中で忌み嫌われ外部にいたが、お互いを「友」と非公式に認め合い、その正信も同じ年に追いかけるように死んだというのだからなかなかドラマチックである。
 このとおり、家康も幸村もいずれも私にとっては掛買いの無い歴史の「美」であるが、読者はいかに感じるのだろうか。

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紙の本城塞 改版 中巻

2016/12/21 08:31

いよいよ「真田丸」登場!

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

いわゆる大坂の陣は、慶長19年(1614年)の冬の陣と翌年慶長20年(1615年)の夏の陣のことである。
 慶長5年(1600年)の関ケ原の戦いのあと、徳川家康が豊臣家をどのように滅ぼしていったかを描く、司馬遼太郎の長編小説は文庫本で上中下の三巻で構成されている。
 上巻で冬の陣に至る家康の策謀、中巻は冬の陣、下巻は夏の陣が描かれている。

 その中巻は「真田父子」という章から始まる。
 2016年のNHK大河ドラマ「真田丸」で脚光を浴びた真田昌幸と信繁(幸村)父子の話であるが、司馬は大坂城に入った信繁の心情をこう記している。
 「四十幾年を為すことなく過ごしてきて、あのときもし右大臣家のおまねきがなかったとすれば高野山麓で虫のごとく果てる運命にあった。によって、いまは自分は望外な幸福の中にある」。
 信繁の活躍に家康が領地を与えんと調略を企てる場面で、信繁はこう言って大坂城を去ることはなかった。
 まさに「義」の武将であったといえる。

 大坂の陣には真田信繁以外に後藤又兵衛や明石全登といった、のちに五人衆と呼ばれる武将が活躍するが、司馬のこの作品でもそれぞれが各章ごとにその逸話が描かれていく。
 そして、「真田丸」という章も出てくる。
 彼らの活躍で大坂勢は優勢であったが、いかんせん豊臣方には家康のような頭(かしら)がいなかった。
 和睦という陰謀で大坂城の堀が埋められていく。
 あとは滅びるしかない。

 「滅びの業火のなかで牢人どもがいかにめざましく戦うか」、下巻へと続く。

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紙の本城塞 改版 上巻

2016/12/13 07:25

城はどのようにして崩れていくか、この巻はまだ始まり

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

文庫本にして上中下の三分冊となるこの長編小説は1969年夏から71年秋にかけて「週刊新潮」に連載された。
 この時期司馬遼太郎は代表作の一つである『坂の上の雲』の連載もしていたから多忙であったが充実もしていた頃でもあった。
 連載が始まる前の予告で、司馬はこんなことを書いている。
 「私は大坂城のある地域にすんでいる。大坂政権の没落ということは、私にtってひとごとではない痛みを覚える」と。

 タイトルの「城塞」は、つまり、大坂城のことであり、この長編小説は大坂冬の陣と夏の陣の有名な攻防が描かれている。
 物語の始まりは関ケ原の戦いから五年、徳川家康63歳の時である。
 この時、大坂城の主豊臣秀頼はまだ「少年」に過ぎない。
 家康にとって自分の年齢は常に恐怖だったにちがいない。すでに政治の大勢は徳川側に移っていたが、秀頼が生きている。だから、家康は戦いを決断していく。

 この時代、大坂城には一万人の女たちが暮らしていたといわれる。
 その頂点にあったのが秀吉の側室淀君である。
 歴史に「もしも」はありえないが、それでももし淀君に政治のなんたるかがわかっていれば大坂城の行く末も秀頼のありようも違っていただろう。
 そんな複雑なやりとりを司馬は家康が放った諜者小幡勘兵衛を狂言まわしのようにして、上質の読み物に仕上げていく。

 「城というものは、固いものだ。正面からゆけばたたこうと突こうと崩れない。それよりも城の中身を腐らせ、水が出るばかりに饐えさせてから、ゆるりと攻めにとりかかるものだ」。
 司馬が家康に語らせた言葉のように、大坂城の崩壊が始まっていく。

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紙の本城塞 改版 中巻

2015/09/21 01:08

おススメです

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:tr - この投稿者のレビュー一覧を見る

兵法家小幡勘兵衛景憲が徳川方の命を受けて潜入している豊臣方の大坂城に、続々と真田幸村後藤又兵衛長曾我部盛親等の没落した有名武将が集結して両陣営の対立は決定的なものになります。中巻ではあまり触れる機会がないこれらの豊臣方についた武将の事情や経緯が描かれていて大変興味深いです。

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紙の本城塞 改版 下巻

2017/01/31 19:40

教訓に満ちた史実

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:まさきー - この投稿者のレビュー一覧を見る

著者の作品は、登場人物の息遣いが伝わってくるところが好きである。
本作も、これまで読んだ作品同様である。

各人の思考、対人折衝、合戦模様等々、終末に至るプロセスを、実に巧みに、そして生き生きと描かれている。
中でも、その手練手管を発揮する家康を「奸物」とまで書き記しているのが傑作だ。
小生にはページ数の多い作品であるが、とても面白く、夢中になって読み進めていた。

しかし、結末が分かっていながらも、
「どうにかならなかったのか! 」
と、何度も歴史のIFを自問してしまう。
「豊臣方は、特に豊臣一族達は、本当に勝つ気があったのか!」
近年の研究により、最後まで諦めていなかったことが定説となりつつあるが、この史実から学べることは、事欠かない。

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紙の本城塞 改版 下巻

2016/12/27 08:14

「無限の可能性を夢想させる時代」を生きた人たち

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

大坂の陣を描いた司馬遼太郎の長編小説は、文庫本にして上中下の三巻に分かれている。
 この下巻では夏の陣と呼ばれる家康勢と豊臣勢との最後の戦いから大坂城落城までが描かれている。
 「絶望的な戦いをしようとする五万」の豊臣側と「三十万の東軍とどちらが英雄的行動であるか」、司馬さんは当然それは豊臣側に「同情を寄せるにちがいない」と書いている。
 この小説では家康の謀略のひどさが目立つが、それ以上に豊臣秀頼や淀君の愚かさにも司馬さんの筆は容赦がない。

 その一方で豊臣側に味方した牢人たちには優しい。
 真田信繁といわれた幸村については、特にだ。
 彼の人物について「情のこまやかなうまれつきで、しかも性格にあまりひずみがなく、人あたりもよかった」と記している。
 そんな幸村をもっと生かせれば、あるいは時代はまた別の様相を見せたかもしれない。いや、司馬さんはそんな「もしも」を描いている訳ではない。

 ただ、信繁や後藤又兵衛といった豊臣側の諸将だけでなく、この長編小説の狂言まわし的に描かれている徳川側の謀者である小幡勘兵衛を仲立ちにして、この時代のことを「ひとびとに無限の可能性を夢想させる時代」であったと、司馬さんは書いた。
 信繁の心にもそういう灯が点っていたかもしれない。
 そういう夢想があればこそ、この時代は面白いといえる。
 そして、豊臣頼朝には残念ながら己にそんな「無限の可能性」があるとは思いもしなかったのではないだろうか。

 蛇足ながら、この長い物語の最後の文章はなんともいえず、いい。
 司馬さんの小説家としても巧さだ。

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紙の本城塞 改版 上巻

2015/09/21 01:08

やはり面白いです

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投稿者:tr - この投稿者のレビュー一覧を見る

司馬遼太郎さんが戦国時代の終焉を描いた作品です。大阪夏・冬の陣直前から大阪城落城までの徳川方と豊臣方との駆け引きから豊臣氏の最後までが兵法家小幡勘兵衛景憲を中心に展開されています。本作では戦国から江戸時代への時代の時代の転換点における人間の生き様が、真田幸村後藤又兵衛等の著名な武将や徳川知豊臣両政権の有力者や使える人々、両政権の間で生きる人々達を通じてとても素晴らしく表現されています。

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紙の本城塞 改版 下巻

2015/08/16 14:24

彼らはいかに戦い、いかに滅んだか。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:historian - この投稿者のレビュー一覧を見る

大阪の陣を描いた完結編。裸城になった大阪城に押し寄せる数十万の徳川軍。その現実が分からず将士を振り回す淀殿。無能な大野治長が権力を握り、大阪方は敗北を繰り返す。敗北が免れないことを知っていた真田幸村・後藤又兵衛ら牢人諸将は最期を飾るべく華々しく戦って散った・・・
「歴史上滅び行く王朝がたどった道を法則通りたどって滅んだ(本文より)」豊臣家。その姿を自由人な野心家で後の軍学者・小幡勘兵衛の目を通して描く。

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紙の本城塞 改版 下巻

2017/04/04 18:17

美しさも愚かさも

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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る

時代の大波の中を必死で足掻く人々を重厚描く、流石は司馬先生!と唸る一冊。幸村の娘が片倉小十郎の元に預けられた場面が印象的。あの瞬間 大阪の陣で報われる事がなかった幸村の思いと血脈が後の世に繋がったと思うと感慨深い。

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紙の本城塞 改版 中巻

2016/05/03 08:44

攻防戦いよいよ

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投稿者:健ちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

いよいよ、大阪・関東の戦いの前哨戦クライマックスにはいってくる。家康の巧妙な和議申出に対して「大阪城を墳墓にして戦う」と秀頼が言う。勝敗は、どちらに転んでもおかしくない展開を進んでいく。

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紙の本城塞 改版 中巻

2015/08/28 20:08

大阪冬の陣

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投稿者:historian - この投稿者のレビュー一覧を見る

大阪城を包囲した四十万の徳川軍。しかし城方の奮戦で攻城は難航し、遂に和睦に至る。しかし家康の陰謀によって大阪城は総濠を埋められてしまい、無力化してしまう・・・
大阪の陣の概要は色々本も読んでよく知っているのだが、これだけ多くの登場人物の感情の起伏や心底の思考を綿密に描き、なおかつ時代背景も漏れなく解説して一つの物語としてまとめ上げているのはこれだけであろう。

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紙の本城塞 改版 上巻

2017/02/12 17:10

大阪冬の陣

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:井沢ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る

大阪冬の陣の内容。真田幸村や後藤又兵衛などの活躍や大阪城の政治動向が詳しい。だた、他の小説「軍師二人」などにも書いている内容もあり、新味に乏しい感がした。そこそこ面白かったが、くどいところやそこまで知りたくないところなどは飛ばして読んだ。後半は斜め読み。

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