君たちに明日はない みんなのレビュー
- 垣根涼介, 垣根涼介 (著)
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紙の本君たちに明日はない
2005/04/24 23:38
リストラ請負人を主人公とした数々のドラマを描く
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投稿者:格格 - この投稿者のレビュー一覧を見る
会社のリストラを請け負う会社の腕利き、村上真介を主人公とした短編集.ただし、全編を流れる一つのストーリーもある.第1編の相手との恋愛が続いていくのである.真介の過去も順に語られていく.必然の履歴があるのだ.5編の表題を記すと以下のとおり.巧妙な題は二つの意味を重ねているものが多い.うまい.面白い.会社のリストラには本当にドラマがある.
ACT 1. 怒り狂う女
ACT 2. オモチャの男
ACT 3. 旧友
ACT 4. 八方ふさがりの女
ACT 5. 去り行く者
『ワイルド・ソウル』は、重さの中に軽さを兼ね備えた長編であったが、本書は、軽さをメインとして、その中に重い部分を兼ね備えた短編集と言える.
紙の本君たちに明日はない
2006/12/02 22:07
読む者に左右される意欲作と取りたい
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:よし - この投稿者のレビュー一覧を見る
リストラを行うことが自分の仕事、「リストラ請負人村上真介」。そんな彼が請け負って出会うのは怒る女、オモチャ屋の男、旧友、元コンパニオン、音楽プロデューサー。シビアな現代を描きつつ、決して暗くない5つの短編。
と書いてきましたが、そういうリストラ世代になった今、この短編集は自分にとっても、決して笑って読むことができませんでした。こういう人物の設定や、リストラの対象にされる人たちを見るまなざしも優しい視点で書いて欲しいのですが、決してそうではありません。主人公はその筋のプロだけあって、淡々と自分の仕事をこなしていきます。一人ひとりを査定で評価してリストラに追い込めれば良いのですが、簡単にそうはいかないのがまた現実的。何ともいえない複雑な気持ちに。
ただ、この作者はこうしたテーマを決して暗いものではなく、展望を持った書き方をしているところがすごいなーと感心してしまいます。読ませる力量はさすがです。名作「ワイルド・ソウル」のノリはこの作品にも出ていています。ある意味この作者の特徴なのかなと思ってしまいます。
人物の設定も面白い。主人公の恋人芹沢陽子との出会いとその後。彼といつもコンビを組んでいる川田陽子は美人なのだけれども今風のボケの持ち主。そんな彼女とは一定の距離を置いて付き合っています。そしてリストラの対象になる人たちの悲哀。
この主人公、マザコンなのか、かなりの年上の女性を好みます。その辺をもう少し書いて欲しかったのと同時に、現実的な生活の臭いが感じられない主人公なのです。全て完璧。
しかし、このテーマでここまで読ませるのは作者の力量。おそらく今後も読む作家でしょう。ACT.3「旧友」の夫婦の会話には泣きました。この作品の中でも絶品です。
良くもあり、悪くもあり。しかし、力量は認め、期待する。そんな作家さんは、誰にもありますよね。わたしにとってはきっとそういう作家さんでしょう。
結論は全体的にはいいが、個人の思い(読む側の)に左右される本でしょう。そこに挑戦した作家の意欲作と取りたい。
紙の本借金取りの王子
2022/01/20 14:40
リストラする側される側
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
本作は、される側がメインですね。
する側だけだと、行き詰っちゃうもんね。
これといって、ここが良い!っていうところは無かったかなあ。
紙の本君たちに明日はない
2021/11/28 11:38
いいんだけど
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
結局、主人公の周りの人間には、悪いことは起こらない。
リストラ対象予備軍の立場は同じはずだったのに。
その辺りのご都合主義がなんとも。
紙の本永遠のディーバ
2016/03/11 22:38
歌姫の話
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投稿者:おさる - この投稿者のレビュー一覧を見る
垣根さんの君たちに明日はなしシリーズの作品です。
表題作は歌姫と同じ夢を追っかけてサラリーマンの話です。
スポットライトを浴び続けることに憧れるが、
それだけが夢ではない。
お金を稼ぐことだけが仕事ではない。
身につきささる話です。
紙の本君たちに明日はない
2005/06/27 14:12
こういうチャラチャラした主人公にこれからの人生を絶望的に宣告されるサラリーマンは浮かばれない。
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投稿者:よっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
今年度の山本周五郎賞受賞作。この賞は平成15年、京極夏彦の『覘き子平次』平成16年、熊谷達也『邂逅の森』が該当作品であり、新潮社がスポンサーとなってそれなりの文芸作品を対象にしているのかと思われた。垣根涼介の作品は『ワイルドソウル』を読んでみたいと思っていたところで、「山本周五郎賞受賞」をおおきく白抜きした表紙帯にひかれて、まずこの作品から読むことにした。
「リストラを専門に請け負う会社に勤めている真介の仕事は、クビきりの面接官。昨日はメーカー、今日は銀行、女の子に泣かれ、中年男には殴られる。はっきり言ってエグイ仕事だ。それでもやりがいはあるし、心も身体も相性バッチリの恋人もいる。そして明日は………?
笑って唸って泣かされる、女と男の危ういドラマ。」
「小説新潮」に掲載された短編5作を連作風にまとめたもので、人員整理を進めようとする会社の人事部を補助するコンサルタント業のエピソード集である。
「何故わたしなの」と
うそぶき、首を切られるのを渋る能無しを相手に
「こういう理由であなたは必要ないのです」
グウの根いわさず、論駁し、希望退職に持ち込む。真介33歳だ。
長いことサラリーマンをやってきてリストラの両サイドと身近につきあってきたものからすると、普通の企業の人事部であれば、転職先を探すために人材コンサルと契約することはあっても、退職勧告を他人まかせするような不誠実はしないものだから、まず、世間知らずが書いたいい加減な話だなと第一印象。
しかし、山本周五郎賞を受賞できたとすれば、きっとお互いに深刻な問題をゲーム感覚でさらりと描いているその気分が新しい時代の風潮なのかもしれないとそんなところが評価されたのかしら。わたしにしてみれば「職を得る」、これはゲームじゃないぞって腹が立つくらいなのだがね。
「生涯の伴侶を得る」ことだって大切な問題でしょう。それを恋愛とかセックスもゲーム感覚なんだな。真介君自身も、また彼の相手である40歳を超えた熟女たちも考えていることは相手に「どうか結婚してください」と頭を下げさせてその勝利感として自己満足しようとオシャレ、会話、食事、ムード作り、『愛の流刑地』並みのベッドテクニックを競って楽しんでいるように見えてしまう。
ゲーム感覚だって言うのは、要は生活感がまるで希薄なのだな。これは小説がまずいのか、そうではなくて、実際30台の人たちって真剣な生活なんてものとは無関係に生きているのだろうかと、むしろそうならその方が情けない。
ただこの本音をもらせば
「年寄りがわかったようなこといってんじゃないよ。私たちだってマジメに迷っているし、真剣に考え、悩んでいるのよ。そっちには迷惑かけるつもりなんかこれっぽっちもないんだから、そんなお説教はなんの足しにもならないの、オトウサン!!!」
と時々我が家へ顔を出す娘どもからガツンと反撃されるのがオチだな。
さわらぬ神にたたりなし。
「この作品は行間にいいところもあります」
と締めておきましょう。
紙の本迷子の王様
2022/03/03 14:41
結局
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
結局、主人公は自分では何もしてない。
誰かが作った土俵の上で動いてるだけ。
そのくせ、上から目線なんだよね。
紙の本永遠のディーバ
2022/02/22 11:58
パターンが変わった
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
これまでの3作では、リストラするっていうのが前提でワンパターンだったからね。
今回は逆に、残したいっていうパターンがあったり。
ただ、やっぱり、上から目線の主人公は好きになれない。
紙の本張り込み姫
2022/01/29 11:21
飽きてきた
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
結局のところ、リストラされる側に焦点を当てないといけないわけで。
あと、主人公に魅力が無い。
いってみれば、ただの会社員だからね。
それを、上から目線で語られてもなあ、と。