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奇跡を起こした村のはなし みんなのレビュー

  • 吉岡忍 (著)
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みんなのレビュー3件

みんなの評価4.6

評価内訳

  • 星 5 (2件)
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3 件中 1 件~ 3 件を表示

紙の本奇跡を起こした村のはなし

2005/05/21 11:08

こんな村に住んでみたい。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:海軍中尉 - この投稿者のレビュー一覧を見る

豪雪地方のある村で、11期勤めた村長と村長を慕い村づくりをしていく村人たちの生き様に感動しました。
「村おこし」が言われ、故郷創生で1億円がばら撒かれたが上手く行った例がいくつあるのか。
この村は、みんながアイデアを出し合い、悩み合い3つのきょうどう(共同、協同、協働)で村を愛し、農業を愛し発展していく。
今後、2代目の村長のもとどのように変わっていくのかとても楽しみだ。
是非、一度この奇跡の村を訪問してみたい。

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紙の本奇跡を起こした村のはなし

2008/04/19 12:41

自立する村の条件

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ナンダ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「戦争になだれ込み破滅していった昭和史を少し丁寧に読み解けば、その前段に地方行政の手詰まり、怠慢、無能力があったことがわかるだろう」
 冒頭、こんな言葉が出てきて、そうだったんだ、と目の前が開けるような気がして買った。
 新潟県黒川村の物語だ。豪雪と天災とに悩まされる貧しい出稼ぎの村だった。そこにあらわれた31歳の村長が中心になって、集団農場をつくり、冬場に出稼ぎをしないですむようスキー場をつくり……いつしか過疎から脱却し人口増に転じた。その足跡を何年にもわたって関係者に丹念に聞き取ってまとめている。
 まずは青年たちを集めて集団農業の新しい村をつくる。冬場の働き口を求めて手作りでスキー場を開き、泊まってもらうためにホテルを開く。減反対策と農家の収入安定をはかるため畜産団地をつくり、その肉を生かすためにソーセージ工場、さらにそれと関連してビール工場、そこで使う原料を供給するために大麦を植える……
 「村おこし」は全国的に盛んだが、ほかと違うのは、施設のすべてが村営で、働いている人も村の職員であること。スキー場の整備をするのも山を切り開くのも村職員、インストラクターも職員、ホテルのコックも職員だ。
 若い職員には海外の研修をつませる。1年間、ヨーロッパなどの農家に住みこませる。帰ってくると「チーズ工場をやらないか」などと何億円の事業を丸ごと任せてしまう。必死になって勉強してその期待に応えようとする。海外で勉強した内容よりも、異文化のななかで1年間すごした経験じたいが大事なのだという。
  「村おこし」で建てたハコモノが全国各地で無残な末路を歩んでいる。そういう事例とのちがいはどこにあるのか。
 農民との生活、できた産品の活用、家畜の糞尿などの活用、それと村民の生活向上との関連づけ。水ものの「観光」に過度に寄りかからず、たえず村民の生活とのかかわりのなかで考えている。なんでも民間にゆだねればよい、という最近の風潮と一線を画する態度は、「役場」の責任感と意欲を感じる。
 バブル崩壊を乗り越え、多大な成果を積み上げてきたそんな村も、2005年に合併でなくなった。その寂しさや悔しさ。これが危ない時代への第一歩にならなければいいのだが。

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紙の本奇跡を起こした村のはなし

2005/08/12 11:35

成功譚は読んでいて痛快。あなたば必ず黒川村に行きたくなる

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:pipi姫 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 過疎に悩むどこの村落にとっても夢のような奇跡を起こし、村づくりに成功した新潟県黒川村の半世紀の歴史。
 2度の大水害、毎年の雪害に苦しめられた寒村がどのようにして村営畜産場や村営ホテルを4軒も持つ村へと発展したのか。どのようにして農業と観光で「立国」していったのか、ルポライター吉岡忍は村長を始めとした村の人々へ丹念にインタビューしていく。
 かつて農閑期には出稼ぎで男がいなくなった黒川村は、今では誰も出稼ぎに出たりしない。村営ビール園や村営畜産団地、村営ホテル、村営そば屋、村営スキー場、それらで働く村職員たちが大勢いるからだ。
 なにもかも村営でやってしまった「社会主義村」のリーダーは31歳で村長になって以来48年間この村をひっぱり続けた伊藤孝二郎。人跡未踏の荒野を沃野へと切り開く進取の気性に富んだバイタリティあふれる伊藤は、長生きして永遠に黒川村のリーダーであり続けると思われていたが、2003年癌に倒れ、今は銅像となって村営ホテルの前に立っている。
 村長になるやただちに若者たちに村営住宅を与え、集団農場を経営させた伊藤はまるで社会主義者ではないか(伊藤は左翼嫌いだが)。そのカリスマ的な存在感が他を圧倒したのは、単なる意気込みのせいだけではない。徹底的に情報を集め、政府の助成金・補助金をあらゆる方途で引っ張り出し、コネは大事にし、調査研究を怠らず、若者は次々に海外へ研修に送り出すという、大胆にして緻密な計画立案実行能力があったゆえんだ。
 黒川村の物語は成功譚だが、疑問もいつくか残る。山を削ってスキー場を作ったり次々と開発の手を休めることなく進めていったのは環境破壊につながるのではないのか? 植樹祭などは、天皇制に反対する人たちからいつも批判されているが、今生えている樹を伐採して土地を切り拓き道路を作りさんざん自然を破壊しておいて、そこに天皇が植樹するというまったくナンセンスな行事だ。
 じっさい、ダム建設計画には県内のNGOから批判が出たということが本書にも少し触れてある。だが、本書のトーンは全体として伊藤村政がバラ色だったように読みとれるのだ。一方でその紙背には、常に新規事業を開拓し続けてきた伊藤村政の自転車操業のような危なっかしさが隠されている。
 伊藤村長は「高度経済成長」という魔物を相手に村を疲弊から救うべく戦ってきたというけれど、実際にはその高度経済成長に助けられた面もずいぶんある。一村社会主義はまわりを帝国主義陣営に取り囲まれ孤軍奮闘したが同時に高度経済成長というもののおかげで黒川村は観光客を呼び込み繁栄したのだから。
一代目はしゃにむに努力して苦労する。その成果があがればそれでよし。問題は2代目3代目だ。伊藤村長亡き後、黒川村はどうなるのだろう。
あと、本書にはまったく書かれていないが、この村役場には労働組合はないのだろうか。ここの職員たちはみな異様によく働く。あきらかに労働基準法違反だ。いくら仕事が楽しいからといっても、これではちょっと問題があるのではなかろうか。伊藤村長以下、粉骨砕身して努力している姿には頭が下がるが、それを真似できない人だっているだろうに、と思ってしまう。
 この本を読むと猛然と黒川村(あ、もう市町村合併で胎内市になってしまった)に行きたくなる。いつかきっと行こう。と思う。

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