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電子書籍

さようなら、オレンジ みんなのレビュー

  • 岩城けい (著)
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みんなのレビュー4件

みんなの評価4.1

評価内訳

  • 星 5 (1件)
  • 星 4 (2件)
  • 星 3 (1件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
4 件中 1 件~ 4 件を表示

紙の本さようなら、オレンジ

2014/01/13 11:47

二つの顔

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ががんぼ - この投稿者のレビュー一覧を見る

太宰治賞を受賞した作品だそうだ。
それを掲載した雑誌『ムック』発表当時からじわじわと賞賛の声が上がり、
口コミ的に評価されて異例の増刷だったとか。
私も評判を聞きつけて本を手にとった一人である。

作者の住むオーストラリアを舞台に、
アフリカ難民の女性サリマと、夫について来た日本人妻サユリと、
異国におけるそれぞれの人生の困難とそれとの葛藤を描いた物語である。
他国で暮らす日本人の違和感、というのはありがちな話だろうが、
それとはまるで異質な外国人を絡める設定が魅力的だ。

もちろん苦い現実が描かれるわけだし、
それを単純に乗り越えていけるわけでもないのだが、
二人の女性を内面を語る言葉は美しく、感動を呼ぶ。
なるほど心をつかまれた読者が多いというのも頷ける。
ちょっと不思議な題もいいし、本の装丁も美しい。

物語の中心にあるのは「言葉」というテーマである。
いずれも英語を母国語とするわけではないヒロイン二人が英語の国で暮らす。
それは単に実用上の困難というレベルではなく、
アイデンティティ、それぞれの生き方の問題として捉えられている。

この二人の人生の対比と交錯ぶりが見事だ。
物語は、サリマに焦点を当てた三人称の語りと、
サユリが恩師のオーストラリア人に宛てた手紙からなり、
これらが交互に現れる形で描かれていくのだが、
二人のアイデンティティというだけでなく、
祖国とオーストラリア、過去と未来、現実と夢、絶望と希望など、
いろいろな意味で二つの面が絡み合って描かれる様が印象的である。

少し驚いたのは、芥川賞候補に選ばれていること。
あと数日で選考結果が発表されるが、
芥川賞といえば、前回の藤野可織「爪と目」でもその前の作品でも、
いかにも純文学らしい仕掛けと韜晦さを持つという印象がある。
一方この本は、ある意味ふつうの、一般ウケする内容だからだ不思議な気もするのだ。

そこで選考委員たちは何を見たのかと考えてみると
ちょっと思い当たるものがある。
人物の名前である。

ニックネームは別としても、同一であるはずの人物の名前を別に呼んでいるわけで、
これは何かあると思っていたら、最後にその仕掛けが明らかになる。
これについては、違和感を覚える読者の感想もあるようだし、
試みとして評価できるものなのかどうか簡単には言えないだろうが、
一見ミステリー小説のようなその仕掛けの背後に、
サユリにとって、ないしは作者にとっての、書くこと、あるいは物語を書くこと、
ひいては、現実とどう向き合うかという問題が浮かび上がってくるように思う。
そしてその際、言葉というものが、
己のアイデンティティあるいは生き方にいかに関わってくるか、
という深い問題意識も窺えるような気がする。

作者のことはよくわからないが、在豪20年というから、
多分に個人的な経験が反映した物語であるのはたしかだろう。
ユニークと見えた日本人女性とアフリカ人難民の関わりも
おそらくはそうした事例はいくらでも身近にあるだろうし、
少なくても観察できるところでの自身の体験に基づくのではないか。
そういう現実を小説の形で追体験できたのもよかった。
今後もこの作者がオーストラリアに住み続けるとして、
また作家としての活動を続けていくとして、
これから我々の知らないどのような感覚で、どのような物語を見せてくれるのか。
楽しみである。

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紙の本さようなら、オレンジ

2019/01/28 15:59

遠い国での話なんだけど、とっても近い話

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

主人公は日本人の女性とスーダンかソマリアあたりからの亡命者の女性。それで舞台はオーストラリア南部の海に近い町。主人公の日本人女性は、皮膚の色、名前、言語で壁を感じる。アフリカの女性も言語により前へ踏み出せない。もちろん、オーストラリアにも差別があるのは当たり前なのだが、亡命者を受け入れ、言語学習プログラムまで政府が実施している。これからの国の将来を考えていくと、「日本は単一民族国家なのだ、汚れた血は入れてはだめだ」と頭の固い政治家やその取り巻きの百田あたりの文化人は息巻くのだが、それで本当にいいのか。日本に将来はあるのかと真剣に考えてしまう。少し、大げさに憤ってしまったが、作品自体はそんな大きなテーマではなく、二人の外国人と彼女ら周辺の人たちのあったかなお話しなのだ

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紙の本さようなら、オレンジ

2015/08/28 09:31

清新な印象を受ける小説。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る

アフリカからの移民、サリマが英語を学ぶ学校で確立させていく自我。そこにハリネズミというあだ名で彼女が読んでいる日本人の女性が時々絡み、その女性の手紙が作品の合間に挟まる。手紙はでしゃばりすぎることもなく、かといって意味のない挿入でもなく、その女性の人生観や言語観を反映していて含蓄深い。サリマにしろ、その女性にしろ、苦しみ、もがいている。けれど、それを押しつけがましく描くのではなく、客観的に描いているところがいい。ひたひたと静かに、感動や感慨といったものが満ちてくる小説。

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紙の本さようなら、オレンジ

2017/02/20 02:04

言語の持つアイデンティティとは

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:koji - この投稿者のレビュー一覧を見る

初見の作家さんです。

登場する人物はほとんど女性で、男も数人でてはくるのですがもうほとんど存在感というか意味が無いような人だけで、そのことを読んでいくにつれて仕方無いかのごとく受け入れてしまいました(笑)
言葉の持つ意味、母国語とは人のアイデンティティと深く結びつくものであるという考え方には大いに同意しました。
全体を通して私は好きな文体でした。

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