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電子書籍

泣き虫弱虫諸葛孔明 みんなのレビュー

  • 酒見賢一
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みんなのレビュー11件

みんなの評価4.5

評価内訳

  • 星 5 (7件)
  • 星 4 (2件)
  • 星 3 (2件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
11 件中 1 件~ 11 件を表示

紙の本泣き虫弱虫諸葛孔明 第2部

2007/03/25 11:32

孔明火のない所に煙を立たす

10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:星落秋風五丈原 - この投稿者のレビュー一覧を見る

さて、実に二年三ヶ月ぶりの酒見版『三国志』第二弾の登場である。本書に書かれているのは、年号で言えば、二○七年〜二○八年の出来事である。実はこの期間、二年という短いスパンであるが、孔明の『出廬』『博望坡の戦い』『長板坡の戦い』など、蜀ファンが泣いて喜ぶ名場面がズラリと揃っている。そしてまた、書生あがりの頼りな気な孔明が、関羽・張飛・趙雲の武勇と劉備の人柄で保っていた集団に、知略という異質の存在を持ち込み、戦績により地歩を固めてゆく過程が描かれる。孔明ファンが、来る赤壁の大舞台に向けて次々と打たれる布石-彼の活躍-を見んと、目を輝かせて見守る様が、目に浮かぶようだ。
ところがそんな読者の瞳は、輝くどころか一挙に大きくなったまんま、戻らないかもしれない。まあ、第一作を読了した方達は、「軍師としての階段を駆け上っていく孔明」などという、従来のイメージを踏襲するなどとは、もう期待していないだろうが、そうでない方にはあらかじめご警告申し上げる。
ここにいるのは「弱者を守るためにいつも割を食う義の劉備軍団」ではなく、「いきあたりばったりにやった事が、結果として後世に高評価を受けてしまったヘンな集団」である。孔明はやたら火をつけたがるし、張飛は「気は優しくて力持ち」という可愛いレベルではなく、自らの中の暴力を抑えられないコワイ人だし、劉備も調子いいだけの無策者。新野からの脱出行で、劉備が民衆に呼びかける場面は、伝説のTV番組『アメリカ縦断ウルトラクイズ』そのものだ(p261)。「民衆心理は今も昔も変わらないという事か」と変な所で納得してしまうが、閑話休題。庶民や他国のエライ人(曹操も含め)が、こんなヘンな集団のとばっちりを受けて右往左往する…という、「歴史ってこんなものでいいのか?」と言いたげな事象ばかりが展開される。しかし、これだけ活躍が「描かれず」英雄が「パッとしない」にも関わらず、面白い三国志というのも稀有であろう。だが今まで氏が好んで主人公としてきたのは、見た目パッとしないキャラ、脇キャラが多い。『後宮小説』の田舎娘・銀河、『墨攻』のむさいなりで現れた軍師・革離、『陋巷に在り』の顔回…。普通の人達が、自分達がごく普通だと思われる事をして、歴史が動いていく(一部虚構もあるが)。その基本パターンが変わらないから、酒見ファンはどんな変化球が飛んでこようと、安心して見ていられるのかもしれない(本当か?)。直球好みの読者には、相当癖が強い作品だが、思いきりバカバカしく笑いたくなった時には、是非この本を手に取ってみる事をお勧めする。
だが間違っても、『三国志』の再検証には使用されませんように。

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紙の本泣き虫弱虫諸葛孔明 第1部

2005/07/20 23:41

抱腹絶倒とはこの小説のことを言う

10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:江葉 - この投稿者のレビュー一覧を見る

ファン待望の(久しぶりの)新刊であるが、
題材が三国志というだけあって初めて酒見賢一という作家を
知ることになる人もいるだろう。
とにかく小説は面白くなければ、というスタンスにこだわった作家であり、
淡々とした筆運びの中にエンターテイメントが詰まっているといっていいだろう。
いままで誰もやらなかったような角度から諸葛亮を切ってしまう。
これがこの小説の醍醐味だ。
多くの作家が三国志を描いてきたが、これほど異質な世界観を醸し出しているのは
この作品くらいだろう。
ストーリーの途中でも、すぐに脱線して作者視点のエッセイ調の部分がでてくるのも
酒見賢一ならでは。
とても分厚いので、躊躇する方もいられるだろうが大丈夫。
あっという間に読み終わってしまうことうけあい。
ついでに、この分厚さで2000円は破格の値段といっていいだろう。
現在、この続きも連載中であるから、しばらく(かなり先)すれば第2巻が読めることに!
(これも間違いなく面白い)

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紙の本泣き虫弱虫諸葛孔明 第1部

2010/06/08 16:52

宇宙スケールの天才のお話

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ジーナフウガ - この投稿者のレビュー一覧を見る

いやはや、実に面白い!!こんなに笑える歴史小説を読んだのは初めてである。
歴史小説の多くは英雄や豪傑の活躍する華々しい面へと焦点を当てるのが常であるが、

この本は中華四千年の内でも天才中の天才、名軍師と評判高い男諸葛亮孔明が、
どれほど風変わりで、自信過剰な男だったか、また、自分の名声を天下に轟かせる為に、

如何なる手段を用いたかが、事細かに記されている、いわば暴露本の如き伝奇小説なのである。
この設定からして変だし、どこかしら諸葛孔明への等身大な(ユニークな)

愛情さえ感じられて微笑ましいではないか!?そう今作は、とってもチャーミングで可笑しい、
諸葛孔明賛歌なのである。例えば未だ仕官先すら覚束ない、そんな折に仙術の導師が着るような妙な道服を着、

時々不意に立ち止まっては、扇子を取り出して、なにやら往来でジーッと考え込んでいる始末。
なので、縁談にせよ、その相手が孔明だと各家々に知れた途端、

『あの奇行癖のある変わり者のですか…』とことごとく破談になる有り様で。
遂には七回も連続して話が流れるに至って、孔明の姉も弟可愛さに、他人の身に起きた事だという風にして、

孔明本人から結婚への策を授かりに行きますが…。自分の身の上に起きた出来事などとは露とも思わぬ、
後の世の天才軍師様はヌケヌケと、『七回も断られたような男などは、既に七回家を滅ぼしたも同然であり…』

云々とぬかす自信家っぷりで。やり取りのちぐはぐさが堪らなく可笑しいです。
更に、自らの仕官先である、劉備玄徳に三顧の礼を持って迎えられる迄がヘンテコ極まりない。

劉備玄徳は、何れ襲来するであろう、宿敵、曹操との対決を前に、それまでは、
侠という単なるチンピラと雑兵の寄せ集め集団に過ぎなかった劉備軍団を、

キチンと組織化された軍勢にする必要がある事に、気付かされます。それもそのはずで、
戦さをすれば連戦連敗、未だ自分の領土すら持てていなかった訳ですから。

そんな玄徳に特上の中の特上である軍師が身近に存在しているという噂が次第に聞こえ始めます。
その様な軍師が本当にいるのなら我が軍勢に力を貸して欲しい…。自然な成り行きで始まったのが、

有名な三顧の礼。の、はずですが…。劉備も劉備で、一度目の訪問の際には
『場合によっては、まぁ、やっちまってもいいかこの際、とは思っておるのだが』

なぞと危険な台詞を吐いたりして。敵(孔明) も去るもの、二度目の訪問の際には、
雪吹きすさぶ荒天の中、何処へか、遊びに行っており、又しても不在。一体、どんな風にして三顧の礼を経て、

劉備玄徳と天才軍師諸葛孔明は巡り会う事が出来るのか?
そして、竜の軍師を得た劉備の軍団は一体どのような変貌を遂げるのか?

それは次巻のお楽しみと言うことで…。著者酒見賢一さんの三國志観も合わせて、
抜群に面白い作品となっています、オススメです!

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紙の本泣き虫弱虫諸葛孔明 第1部

2005/01/23 20:18

権力が好きな人間は三国志、反権力志向の人は水滸伝、勿論、私は後者。大嫌いな孔明だけれど、こんな俗物だったら見直してもいいか

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

さて、三国志、困るのだ。私はこの話が好きではない。この物語には、戦争に巻き込まれる、国家に振り回される大衆の視点が全く欠如しているから。それなら、反権力を謳った水滸伝のほうが遥かに面白い。そこには、権力によって踏みにじられる人々の怨嗟の声が確実にある。

まして、私は諸葛孔明が嫌いなのだ。軍師というやつ、頭でっかちで、どこか東大出のエリート官僚を思わせないか?孔明にとって、人民などというものは数に過ぎない。或は、収奪の対象か。む、これも現在の愚鈍政治家を連想させないか?せいぜい、三国志で許せるのは宿敵曹操か孫権、或は関羽くらいなものだろう。

とまあ、長い間、三国志=無視の態度を決めてきた私をして、この本に飛びつかせたのは、なんといっても酒見賢一の名前。あの日本ファンタジーノベル大賞は、結局、『後宮小説』を書いた酒見一人を生んだことで役目を果たした、というのが私の勝手な決め付けだが、その鬼才が孔子を描いた『陋巷に在り』全13巻完結後に書いた小説、無視するな、というほうが無理だろう。

しかも、そのタイトルが『泣き虫弱虫諸葛孔明』、どこか井上ひさし『しみじみ日本・乃木大将』『頭痛肩こり樋口一葉』『泣き虫なまいき石川啄木』を連想させる。単なる英雄譚にはならないはずだ。だって「泣き虫弱虫」なんだもん。しかも、ちょっとソフトな感じのハードカバーは、筑摩が昔出した「哲学の森」シリーズを思わせて、手に優しい。

何を隠そう、これを担当しているのが装幀界の大御所 菊地信義、現代美術している人を模したであろう、一見漢字風の装画は古内ヨシ、中国のお話には不可欠な三国志地図作成は(有)ジェイマップ、まさに歴史書と感涙の襄陽拡大図作成は関口信介。もう、ここまで用意されれば読むっきゃない。

夜郎自大というか、自意識過剰の孔明が、己の才能を売り出すために、自らを臥竜と称し、故郷で好き放題なというか桁外れな野放図さを見せつけ、それを?徳公が支援し、乗せられた劉備玄徳が三顧の礼をもって迎えるまでを、今までの小説にあった英雄譚というか講談調の偉いエライえらいではない、スタイルで描くエッセイ風の小説である。

でだ、面白いのである。まず、酒見の視点がいい。この人、決して三国志フリーク、オタクではないところが好感度アップ。そのせいか、最初から孔明を神のごときものとして描かない。ま、「泣き虫弱虫」場面が多いか、といえばそうでもないけれど、ともかく、酒見描く軍神は実に人間臭いのだ。はっきりいえばペテン師だろう。それも、町の人が誰も相手にしないような。

当然、その視点は私の大嫌いな劉備にも向けられる。粗雑で、なんとなくのし上がってきてしまった男なのだ。無論、人の上に立つうちに、それなりに人間が出来てきて、戦も上手くはなる。しかしだ、所詮拠って立つのが漢王朝という血筋である。世襲というものが大嫌い、二世三世はおろか万世だって反吐が出るほど嫌いな私がこんな保守的人間を認めるはずがない。それを酒見は子気味いいほどにこき下ろす。

ま、いちゃもんをつけるだけではなく、認めるところは認めるのもいい。勿論、孔明にだって、劉備にだって、政治家にだって、官僚にだって、東大出にだっていいところはある、はずだ(殆ど知らないけれど)。それを冷静に、というか面白おかしく説いてくれる。でも、この話の最高の収穫は孔明夫人となった醜婦、黄さんだろう。孔明ほどの人間の夫人、だから絶対に美人、という常識的な発想を捨て、ブスはブスと認める。その上で、彼女の傑出した才能や人物を描く。作家たるもの、これでなくてはいけない。

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紙の本泣き虫弱虫諸葛孔明 第1部

2004/12/08 23:55

生ける酒見賢一死せる孔明を踊らす

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:星落秋風五丈原 - この投稿者のレビュー一覧を見る

某雑誌の一九九九年八月号に、こう書いた発言が掲載された。「宮城谷昌光氏と酒見賢一氏に、三国志を書いて欲しい。」

その頃、三国志をテーマにした小説がなかった訳ではない。定番の吉川英治をはじめとして、柴田錬三郎、陳舜臣、やおい系、果てはコバルト文庫にまで、三国志は至る所に登場していた。いわば、既にさまざまな料理法が研究され尽くした食材のようだった。
それらの料理(作品)が、物足りなかったわけでは決してない。けれど、この二人なら、更に食材から新しい味を引き出して、「おお、そうだったのか!」とこちらを瞠目させてくれるのではないかと考えていた。宮城谷氏は格調高い文章で語るのだろうし、酒見氏は『墨攻』の如く思いっきり主人公をクールに書くか、崩すのだろう。そう漠然と予想していた。たまたま書店で見かけた別冊文芸春秋が、この物語の連載開始号。「これは運命だ!」とそれ以来、第一部の連載が終わるまで、欠かさず購入しては、真っ先にページを開き、予想を遥かに越えた内容に、爆笑するやら、呆れるやら。いやはや、ここまで壊してくれるとは。おまけに時々著者によるツッコミまで入る。そういえば80年代後半から90年代の漫画って、よく漫画家が自作の中で主人公と会話してたよーな。ズバリ、そのノリ。一番笑ったのは三顧の礼のくだり、特に前半。前途に悩む劉備玄徳が、意を決して諸葛孔明を訪ねるシリアスな場面が、なぜか「会う人会う人カラオケ状態」に早変わり。

え、「三国志を冒涜してる」? いえいえ、そんな。人面瘡がしゃべったり、夢の中に神霊が現れたり、三国志演義はこう見えて(どう見える?)、もともとが、なかなかツッコミがいがある話。
本場中国の人がどう思うか?いや、それは、立てる所のない線香を、五丈原諸葛亮廟の入り口で売っているおおらか(アバウトともいう)なお国柄だから、案外「これは凄い」と呵々大笑の顛末となるかもしれない。
「五丈原までは長いから、なかなか本にならないだろうなぁ。」と思い、わざわざこの連載のページだけ切り取っておいたのだが、こちらも予想外に早く本になってしまった。なるほど、こういう表紙になったのか。「神算鬼謀の大軍師か? 自堕落、色欲三昧、ヤクザ以下の変奇郎か?」これはまた、随分なアオリ文句。それはいいが、ああ、この切り抜きをどうしよう。

それにしても、あれから五年、こうして連載が読める日が来るとは、「物語が終わるまで、死ねないなぁ。」と、まさに感無量(いや、別に、『最後の一葉』を必要とする病状ではないのだが)。

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紙の本泣き虫弱虫諸葛孔明 第1部

2005/03/01 20:04

痛快な講談

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る

痛快。痛快な講談である。語り口が良い(書き物だから文体か!)。三国史演義はもともと講釈師によって語り継がれてきた講談を、明代に小説の形にまとめたものだろうから、講談調の語り口がちょうどいいようだ。内容ははちゃめちゃな皮肉だらけというところ。抱腹絶倒とまではいかないが、とにかく面白い。日本のまじめな三国史ファン、孔明ファンは、卒倒し激怒するような改変だらけの小説である。孔明が正体不明の怪人になっている。はちゃめちゃ加減、韜晦さが、かぎりなくおもしろく痛快。登場人物の立前と本音(作者のいろんな資料からの推定?)の落差が楽しい。三顧の礼、孔明出廬で終わっているが、当然続きがあるだろう。書かなかったら許さないぞ。

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電子書籍泣き虫弱虫諸葛孔明 第伍部

2017/10/25 17:38

硬軟自在の三国志

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:さしんぼう - この投稿者のレビュー一覧を見る

墨攻しか読んでいませんでしたが、
大変楽しく一気読みしました。
作者の自作に期待しています。

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紙の本泣き虫弱虫諸葛孔明 第2部

2007/07/06 17:37

孔明さん出廬から長坂坡の戦いあたりまで

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 軍師ならぬ、ぐんしーの孔明さんを描くシリーズです。
 本書、どんな風に連載されているのか、全く知りませんが、前作「泣き虫弱虫諸葛孔明」の第二部が出ました。
(中途半端な終わり方だったので、続くのかなぁ位の感じでした。)
 前作は、孔明さんが、三顧の礼で劉備軍団
(まだ、寄って立つ国すら持っていないので、軍団ということで)
に迎えられるあたりで終わりだったので、今作でフォローしているのは、前作の終わりから始まり難民を引き連れて荊州脱出、長坂坡の戦いあたりまでです。
 どんな感じでこの小説の企画がスタートしたのかもわかりませんが、
前作は、孔明さん一人にライトが当っている感じでしたが、
(孔明さんが、世間とかかわりを持たず一人で篭っていたのだから、
 今でいう、ひきこもりですね、、、しょうがないのですが)
 本作では、酒見版「三国志」の本格的なスタートといった感じを受けました。
孔明さん以外のキャラクターにも十二分にページを割いてきっちり書かれていて、孔明さんサイドで存命時期を描くにしても、脇から敵役まできちっと酒見さんの筆で
書かれています。

 「後宮物語」や、「墨攻」「童貞物語」「周公旦」「陋巷に在り・シリーズ」等で、中国史ならびにその文化に大変造詣の深い酒見さんの博識が相変わらず爆発といった感じで、誇張と笑いを織り交ぜ、半分歴史エッセイといった体(テイ)でどんどん綴られています。
 荊州脱出のエピソードは、普通、難民を引き連れての涙、涙の、
お話しになるのですが、こんな風になっちゃうとは、、ちょっと吃驚。
 書評ブロガーさんの、間で超人気の孔明さんの弟、均君ですが、
(私も大好きです)
本作でも健在です。コメディ・リリーフ的に扱われていますが、
劉備軍団と行動をともにします。
 この後の、呉を魏と戦わせるための孔明さんの超絶舌先三寸外交!?や、赤壁の戦いの
風起こし(実は、入念に地元漁師にインタビューをしてお天気データを入手していた孔明さん)
なんか、あるわけですが、
 どんな風に描かれるのか、本当に楽しみです。
このペースだと、ちょっと書き込みすぎって気もしますが、
まぁ、長大なシリーズになるかもしれませんね、、。

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紙の本泣き虫弱虫諸葛孔明 第1部

2005/01/12 15:44

面白いけど初心者向けじゃないね、これは。

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:戸隠かれん - この投稿者のレビュー一覧を見る

これがあの名軍師と名高い諸葛孔明像?? 何かの間違いじゃないだろか。
と思わず、目をこすってみたくなる。
しかし。
実は三国志を幅広くみていると、
演技でもはや神仙化されている孔明も、正史を見るとそうでもない。
作者が蜀の人間だから、筆を押さえて書いてはあるけど、
名軍師ではなく名政治家だったことがわかるし、妙な行動も多い。
かといって、[蒼天航路]の孔明のように破廉恥(失敬)ではないか。
おっと、話がそれた。

その、妙な行動。
それに目をつけた本書。

はっきり言ってかなり笑ってしまう。
まるでコメディを見てるようにページも進むし、
思わず笑ってしまうこと請負。
ただ、惜しむらくは。
同じようなペースで進んでいるため、最後に少し息切れがしたか。
少し飽きた。
そして。
せっかく好敵手、司馬仲達にも少し触れてあるのに、
見所、活躍所の五丈原まで続かないのは残念だった。
機会があるなら、彼らの駆け引きを読みたいところである。

しかし、この孔明。
こんなヤツに天下を切り盛りさせたら、
さぞ楽しい世の中になったろうなぁと想像すると、おかしくてたまらない。

ちなみに、本書は。
三国志初心者で、演技だけをかじった人にはオススメしない。
どちらかと言えば、演技、正史、漫画などに精通した人向けだと思う。
斬新な孔明像に、三国志熱が再燃して、
またいろんな角度から新しい発見できそうだ。

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紙の本泣き虫弱虫諸葛孔明 第2部

2007/08/03 17:53

多分、酒見が提示している三国志、というか孔明像っていうのは斬新だと思うんです。でも、この文体がそれを示すのに相応しいか?っていうと、多分、足を引っ張っている。ま、女性読者を当てにしてはいないんでしょうが、あまりに御無体な・・・

11人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

酒見賢一は好きな部類に入る作家ではありますけれど、飛びつくほどに面白いかといえば疑問なんです。なんていうんですか、『陋巷にあり』で醒めちゃったというのが正しいかな。宮城谷昌光に比べれば、本格的というてんで酒見の仕事のほうを評価はしますが、いかんせん楽しめない。で、今回は迷った末、読まないでおこうかと思っていました。

でも第1部は読んでいるので、気にはなります。その時はこんなことを書いています。

「さて、三国志、困るのだ。私はこの話が好きではないのである。この物語には、戦争に巻き込まれる、国家に振り回される大衆の視点が全く欠如しているからである。それなら、反権力を謳った水滸伝のほうが遥かに面白い。そこには、権力によって踏みにじられる人々の怨嗟の声が確実にある。

まして、私は諸葛孔明が嫌いなのだ。軍師というやつである。頭でっかちで、どこか東大出のエリート官僚を思い起こさせないか?孔明にとって、人民などというものは数に過ぎない。或は、税収の対象か。む、これも現在の愚鈍政治家を連想させないか?せいぜい、三国志で許せるのは宿敵曹操か孫権、或は関羽くらいなものだろう。

とまあ、長い間、三国志=無視の態度を決めてきた私をして、この本に飛びつかせたのは、なんといっても著者である酒見賢一の名前である。あの日本ファンタジーノベル大賞は、結局、『後宮小説』を書いた酒見一人を生んだことで役目を果たした、というのが私の勝手な決め付けだが、その鬼才が孔子を描いた『陋巷に在り』全13巻完結後に書いた小説である。無視するな、というほうが無理だろう。

しかも、そのタイトルが『泣き虫弱虫諸葛孔明』、どこか井上ひさし『しみじみ日本・乃木大将』『頭痛肩こり樋口一葉』『泣き虫なまいき石川啄木』を連想させる。単なる英雄譚にはならないはずだ。だって「泣き虫弱虫」なんだもん。しかも、ちょっとソフトな感じのハードカバーは、筑摩が昔出した「哲学の森」シリーズを思わせて、手に優しい。

何を隠そう、これを担当しているのが装幀界の大御所 菊地信義、現代美術している人を模したであろう、一見漢字風の装画は古内ヨシ、中国のお話には不可欠な三国志地図作成は(有)ジェイマップ、まさに歴史書と感涙の襄陽拡大図作成は関口信介。もう、ここまで用意されれば読むっきゃないでしょ。」

うーむ、困った。ここまでは今回も全く変わらない。変わったのは、関口信介作成の図が長坂坡の戦いのものに変わったことと、初出が「別冊文芸春秋」第二五四号~二六五号になったこと。それから前巻で魅力を振り撒いた孔明夫人の黄さんが登場しないことだろうか。そのかわり関羽のおとこぶりが際立ち、曹操との闘いが本格化します。

でも、この小説ともエッセイともつかない語り口、これが酒見版『三国志』の特徴ではあるんですが、正直、笑えないんです。何ていうか、全てが嘘っぽい。そんなことはないんですよ、酒見の中国史に関する知識は、私の見るところ宮城谷を遙に凌駕します。ともかく深い。でも、それが伝わらない。下手なギャグが足をひっぱるんです。

もう、ここまで書いてしまったから後戻りはできないんでしょうし、このスタイルゆえの独自性は認めざるをえない。でも、喜んでいるのは酒見だけで、読む側は嬉しくない。いつかは水滸伝にも手をつけるんでしょうが、その時は、薀蓄はともかくとして、構成はオーソドックスに、文体と知識で差別化してもいいんじゃないか、そう思います。

ちなみに、今回のお話では魅力的な人物造形は皆無。男だけの小説なんて、読みたくもないやい!

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紙の本泣き虫弱虫諸葛孔明 第1部

2005/02/22 23:55

喜劇・駅前三国志

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちょも - この投稿者のレビュー一覧を見る

 常人の思いもしない発想を元に行動する。周りにいる人は彼がいったい何を考えているのか分からず、人によっては気味悪がり近寄ることさえ避けるようになる。その行動の結果、周りの人のお役に立てばよいがそうではない場合どうなるか。“何とかと天才は紙一重”というがまさにその言葉を地でいくような物語。本人は至って当たり前のように行動するのだがその結果、家族親類は勿論師匠や友人もその行動に振り回されていく。かの有名な三顧の礼も孔明に振り回された典型例として描かれている。しかし、振り回され続けた結果、一番可哀そうなのは弟の諸葛均。彼の涙ぐましい行動を見ると“失礼ながら”おかしすぎて涙が出てくる。
 僕は三国志演義をきちんと読み通したことがないのでえらそうに言えないのだが、その中に出てくる理不尽な話の展開にたいして著者自身が随所に疑問を呈し、さらにおもしろさが増す。“孔明が、玄徳があるいは曹操がそのような行動を取ったのだからそうなのだ”と、これまでの三国志演義やその翻訳小説が素通りしていたようなところにも酒見氏は見逃さない、随所につっこみを入れ続ける。その結果手に汗握る戦いが繰り広げられる英雄伝であるはずの三国志を舞台に喜劇を成立させてしまった。実はこの作品、上に書いた三顧の礼の場面までしか書かれていない。その為孔明の常人には理解できない行動も天下に広く影響を与えるモノにはなっておらず親類縁者お近所の方方の首をかしげさせるにとどまっている。(それでも充分面白いのだが、実際にこんな人が周りにいたら本当に大変だろう)。調べてみると最近別冊文藝春秋で第2部の連載が再開されたよう。まだ始まってまもなくすぐに追いつけそうなので図書館でバックナンバーをあさってみるか。

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