永田鉄山 昭和陸軍「運命の男」 みんなのレビュー
- 早坂隆
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2015/10/13 21:22
軍政家永田鉄山
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:小市民 - この投稿者のレビュー一覧を見る
永田鉄山という人については陸軍内部の権力争いで暗殺された人程度の認識であった。しかし、本書を読み進めていくにつれ、戦争の形態が軍隊単独の戦いから軍隊の後ろにある「国家」も含めた戦いになることを見通していた稀有な軍人であったことが読み取れる。
永田本人は戦争を回避せんとしたにもかかわらず、陸軍の特性であるかも知れないが「現場の判断」による戦線拡大に巻き込まれたが、にもかかわらず如何にして「必然性のない戦」を収束せんと努力した。このことが、後々、皇道派の反感を買い、かつ、「国家」による戦争を「政財界の走狗」である統制派の象徴とされ、暗殺につながったと言えよう。
前にも述べたが戦争を軍隊同士の戦いではなく、その背後にある「国家」も含め、冷静に戦力分析をしたということでは、海軍における井上成美と通じる所があると言える。
また、永田自身は実戦経験がなく、井上も実戦では芳しくない評価(これについては井上を貶めるためであるという論もある)があり、「現場の指揮官」ではなくどちらかと言うと軍政家であったことも両者に共通するところである。
歴史にifはあり得ないが、永田鉄山が相沢三郎に殺害されず、東條英機に成り代わり首相になっていれば米内・山本・井上らと交わっていたであろう。
その時、歴史はどうなっていたのか。
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