生き返るマンション、死ぬマンション みんなのレビュー
- 荻原博子
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2017/02/21 20:21
やはり勝ち組マンションへの道は難しい
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投稿者:melon - この投稿者のレビュー一覧を見る
大手財閥系の作ったマンションですら瑕疵があり、さらに実は補償まで苦労してこぎつけているのが実態であり、実際に瑕疵が明らかになったのは氷山の一角なのだろうと感じさせるものがある。そんななか、全国的に欠陥マンションとして有名になったところでも、なんとか建替えをおこなって再生した事例もあり、やり方によってはマンションもどうにかなるものなのだという希望も見せてくれた。
よく、マンションは老朽化していくが、住人の高齢化もあるため、建替えはうまくいかず、廃墟のようになるといわれいている。ビジネス誌でもたまに特集が組まれている。その論調は本書でもなされていて、マンション界の共通認識であろう。よくいわれるのは容積率などがまだ余裕のあるところはより大きなマンションに建替えをして売り出し、その売却して得たお金によって住民負担をほとんどない状態にしようという戦略だ。本書でもそのような事例は多数紹介されていて、このようなマンションはみごとに生まれ変わることが可能である。しかしそんな余裕のある僥倖に恵まれたマンションなどごく少数であり、ほとんどのマンションはそんな手は使えない。大きくすることで解決できないなか、建替えに成功した大阪市の大宮第一コーポの事例について、もっと分析を加えるべきであろう。建替えに成功したことは伝わってきたが、その勝因が不明では、何の参考にもならないではないか。その点が読者の知りたい部分ではないだろうか。
マンション管理について、高級マンションと一般マンションの2つの成功例が示されている。私が思うに、両者の共通点は管理組合役員の情熱だろう。一般的には役員はなかなかなってくれる人がいないものである。自身の仕事を抱えているのであるから当然であろう。しかし両マンションとも、管理組合がしっかりしていて、素晴らしいなり手が存在している。これが勝ち組マンションへの道に必要なのではないだろうか。そもそもマンション住人の高齢化もマンションの老朽化と同時に問題となっているのであるから、住人はリタイアしている人も多くなっていくだろう。現役世代はマンション管理に力を注ぐことは不可能であろうが、引退した者であればそれも可能であろう。そうすると、何とかマンションをよくしていくことも可能であるのかもしれない。
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