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電子書籍

駒子シリーズ みんなのレビュー

  • 加納朋子 (著)
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みんなのレビュー44件

みんなの評価4.4

評価内訳

  • 星 5 (22件)
  • 星 4 (15件)
  • 星 3 (4件)
  • 星 2 (1件)
  • 星 1 (0件)
15 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本魔法飛行

2018/11/02 21:58

駒子シリーズ第二弾。今回もやっぱり裏物語付きでした。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る

ななつのこを読んで,ど派手にKOされた私。
早速買い求めたのが本作である。
前作にも増して幻想的な表紙だ。
少女趣味と言われるかもしれない。
でも,やっぱりこの物語の世界を実に的確に表現している。

目次の書き写し。
一  秋,りん・りん・りん  誰かから届いた最初の手紙
二  クロス・ロード     誰かから届いた二番目の手紙
三  魔法飛行        誰かから届いた最後の手紙
四  ハロー,エンデバー

目次に,裏物語の存在が書いてある。
ななつのこでは,巧妙に隠されていただけにちょっと残念。
それにしても,この手紙,全然分からない。
実は,わざと目次に書いて伏線にしたのかもしれない。

ななつのこを未読の方は、シリーズ順番を守ることをお薦めする。
単独で読めなくもないけど,面白さが違ってくるので。

本題に戻る。あいかわらず凝った仕掛けだ。独立した三つのミステリー。
それを手紙だけで解き明かす探偵。もう一つの裏物語が始まると,
探偵も動き出す。探偵テキストを読んでいた見習いさんを従え,
実践練習で現場に飛び出していくみたいだ。

でも,今回の裏物語は,私には哀し過ぎた。
解決も突き放しすぎている。
駒子さんそれで良いのと声をかけたくなった。
また,ストーカーまがいの行為が含まれており,トリックの一部が
違和感を醸し出してしまっている。著作全体を読めば,
加納さんの意図に反していることは明らかなので,
さすがに今回の裏物語は成功したとの印象は受けなかった。

最後に,駒子さんと探偵の「魔法飛行」が始まる。
それは,とても素敵な展開なんだけど,その前の距離を
取り過ぎた姿が心に引っかかってしまった。
現実のやるせなさも,しぶしぶ理解した。
こんな風に感じるなんて,私は子供すぎるのかな?

全体としては好感が持てる部分が多いので,お薦めすることには
変わりないが。

余談だが,有栖川有栖さんの解説に面食らった。
ななつのこと魔法飛行をまとめて評してある。
ななつのこを,「きれいなガラス玉に糸を通して首飾りができるように-
(略) 物語が浮かび上がる」と喩えていた。
私は「ひとつひとつの宝石が,ネックレスとしてつながる瞬間,
全ての謎が解かれる」と評した。

これぞ小説の波動。バリバリのプロと似た発想をした自分を
褒めてやりたいんだけど,やっぱり,盗作したみたいでいやだな。

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紙の本魔法飛行

2009/10/06 23:29

気づかされてしまった私の譲れないもの

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:wildcat - この投稿者のレビュー一覧を見る

誰にも譲れないものがある。

いつもいつも意識しているわけではないのだが、
それは「事件」が起こると意識せざるを得ない。

私は、ミステリーの読者ではまったくない。

だから、味わい方のルールを知らないといえるのかもしれない。

加納作品については、『モノレールねこ』、『ななつのこ』、
『ななつのこものがたり』という
ちょっと珍しい読み順でここまできた後追い蛇行読者である。

私は、駒子とほぼ同世代である。
(『スペース』まで読んだ今は、諸条件から駒子の方が若干年上かなと想像している。)

本書がハードカバーで出版された1993年当時、私は確かに大学生だった。

90年代がまとっていた雰囲気、90年代の普通の生活が、
冷凍保存のようにここに残っていたことを
懐かしく思いながらページを繰った。

私は、駒子が取得した単位よりもはるかに多くの単位を費やし、
ある資格と学位を取った。

所属していたのがその学位を専門とする場所だったからだ。

その職業は、職業倫理に関わる文章を2種類もっている。

それらは宣言であり自律的規範であるから、
それを破ったからといって、刑事的責任を問われるわけではない。

だが、本書の中で、「職業倫理的にどうなのよ!!」という人物が、
ふたりもその職業に就いているのは、私にはどうにも理解しがたかった。

しかも、その人物の職業倫理に関わる問題行動がなければ、
そもそも事件も起きなかったし、解決もしなかったという構成になっている。

私にとっては、それがなんとも理不尽で悔しかった。

私が読んだ数少ないほかの加納作品についても関連しながら書くと、
『モノレールねこ』は、対極の立場を理解するのが生命線だったのだと思う。

自分目線だけに立っていたら理不尽で理解できない行動が、
そうだったのねとわかるところがきらめきだった。

『ななつのこ』にも、それはあり、
なぜそうなったのかという理由、ばらばらだと思っていたものが、
最後につながるのが魔法のようだった。

そこにこめられた、それしか名づけようのない言葉は宝石だった。

私にとっては、それは謎が解けるに匹敵する、
大切な、大切な要素だったのだ。

本書でも、ばらばらだったものが、つながってはいるのだが、
そのつなげるものが私の譲れないものの対極にあった。

そうしないと、このお話ではばらばらがつながらないとわかっても、受け入れたくなかった。

この「事件」が、私の譲れないものを教えてくれたと思えばいいのかもしれない。

ダメ男は許せても、職業倫理に則らないこの職業の人物は許せないのだと。

私の中では、この職業の職業倫理は簡単に超えてほしくないと思っているのだ。

この部分は、この職業の存在理由に関わるのだから。

こだわりのポイントが、ちょっとズレていることは承知で、それでも力説してしまったが、
お話なのに、こんなに感情的にさせるのも、
それだけ私の中に本書が生きた存在になったからともいえるだろう。

本書については、つなぎとめる糸が違う色をしていたのならと思うと本当に悔しいだけなのだ。

このシリーズが好きな部類に入ることには変わりない。

ところで、ひとつ興味深かったことがある。

駒子が『ソフィーの世界』のソフィーと似たようなことをつぶやいていたことである。

『ソフィーの世界』の日本語訳が出るのは1995年。

駒子の、ときに哲学的とも思えるような悩みや思索は、ソフィーの前を行っていたのかもしれない。

こんな読み方ができるのも、後追い読者の特権かな。

さて、今回私の書いたものは、非常に個人的なものになったように思う。

誰かの役に立つものになっているのかどうかというと自信はない。

正直、とても怖いのである。

だが、駒子と似た悩みとちょっと向き合うためにこれを投稿してみることにする。

私は、ときにネガティブな感情を抱いてしまう自分をうまく表出できない。

どちらかというと個性的な方なので、万人受けはしないのだから、
勇気を持って、そのまんま表出してしまうしかないのだが、
それでもどこかみんなに好かれようとしてしまっている。

嫌われてしまうのが怖いのだ。

そのため、大きく嫌われていはいないけれど、
結局のところ、
自分は二番目以降であって誰の一番でもないという悩みを
駒子と同様に抱えることになる。

書くものにもそれは出ていて、
特に批判的なことをうまく書くことができなかった。

みんなと違っていても、ずれていても、
もしかして、かなり的外れでも、
それでも勇気を持って、今の私の感じたところを残しておく。

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紙の本ななつのこ

2019/02/16 20:23

心落ち着けるミステリー

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る

読メのお気に入りの方の感想を読んで読んでみたいと思ったミステリー。ミステリーといえば殺人、そして刑事あるいは探偵、ですが、これは日常のちょっとした事件を起点にした非常に心に優しく温かいミステリーでした。7つの短編ですが、最後にはこれらがつながります。まぁよくある手法とは思いますが、この手の展開は大好きです^_^。なんとなく落ち着ける感じの読後感でした!

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電子書籍ななつのこ

2017/07/25 17:52

論理的で叙情的。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ishi - この投稿者のレビュー一覧を見る

久しぶりに読みたくなっててっとり早く電子書籍を購入しに来ました。
ハードカバーも文庫も持っているのですが、実家の本棚のどこにあるか判らず。

この本のことを思い出したのはごく最近、英会話レッスンの中で本について話をしたことがきっかけです。
好きな作家は誰か?なぜその本が一番なのか?という質問に拙い英語で「この本を読んだ時に登場人物と同じ年齢だったから」と答えていました。

思い返すとものすごく恥ずかしい理由で通常の会話では絶対に言えない気がしますが、この本に出会った当時の気持ちを正確に顕している気がしています。

そして十数年経った今読んでみたらどんな気持ちになるのかなと思い立ったのですが、ここに寄せられているレビューを読んで同じような気持ちを持った人が沢山いたことに少し感激しています。
(文庫版も続編も読んでいるので正確には十数年ぶりに読むのではないですが)

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紙の本ななつのこ

2015/09/03 14:19

優しい物語でした。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:eri - この投稿者のレビュー一覧を見る

ミステリーですが、児童文学のような温かさ、やさしさ、安心感があると思いました。小学生でも、その世界観を楽しめる本だと思います。

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紙の本魔法飛行

2015/08/29 18:42

シリーズ2作目

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:nazu - この投稿者のレビュー一覧を見る

デビュー作に続く、駒子シリーズの2作目。連作短編だけれど、最後に全編を通した謎が解ける、というところは前作と同じなのですが、前作のさわやかさと比べると、ちょっとほの暗い雰囲気もあります。

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電子書籍ななつのこ

2012/10/02 11:06

ノスタルジーを感じる優しい連作短編推理(日常系)

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:LEGEND - この投稿者のレビュー一覧を見る

何となく「空飛ぶ馬」に近い印象を感じていたら、後でWiki見てなるほどと納得。お気に入りは『白いたんぽぽ』。真雪ちゃんの"ばいばい"が目に浮かぶようでほほえましい。「白いたんぽぽ」もググって、なるほど見たことがあるかもと共感。人の価値観を頭ごなしに否定するのはやめよう(できるかはさておき)と教訓。

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紙の本魔法飛行

2004/07/04 17:26

パステルカラーのミステリー

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:luke - この投稿者のレビュー一覧を見る

 本書「魔法飛行」は「ななつのこ」の鮎川哲也賞受賞後の第一作目であり続編でもあります。主人公は七つの子と同じく女子大生の駒子。探偵役は変わりますが短編の連作で長編仕立てというレシピは同じですね。相変わらずというか、この爽快感と感銘感(感銘感なんて言葉、ある?)は一体何処から? 何故? 今回の解説を有栖川有栖氏が書いておられますが、これが何と的を得た解説なのでしょうか。すごい、おまけだ。

 色彩で云うならパステルミステリーとでも云いたくなるような原色のないカラーで包まれた加納ワールドは、実は説明するのが難しいのです。右と左、黒と白、と明快に言い切れない辛さって、たぶんこの中間色のカラーにあるのではないかと思うのです。ニュアンスから感じろよ…みたいな部分が多くて。それでいながら方向性はしっかり見えていて読者は思う壺にズッポリと…。そして全てはミステリーのレールから外れないのですからねぇ。主人公駒子は最後に鬱積していた現状逃避だと思っていた自分の心が実は新しい出発の旅立ちと見極める事が出来ました。まさに魔法飛行。加納ワールドは可能ワールドでもあるのです。

 一人の作家を見つけると、ある程度まで追っかけないと済まない性格なのですが、ここ数年はあれこれと取り留めの無い読書でした。読まず嫌いみたいなものもあるので、たぶんまだまだ見落としてる作家も多いかと思います果敢に挑戦しなくては!

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紙の本ななつのこ

2004/06/30 18:33

陽だまりのミステリアスな風景へ

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:luke - この投稿者のレビュー一覧を見る

 第3回鮎川哲也賞受賞作なんですね。ミステリーで言えば安楽椅子探偵の部類になるのでしょうか。…「ミステリーで言えば」と敢えて書いたのはジャンル分けする必要があるのかと、いつもの事ながら改めて思える作品です。しかし、日常的に身の回りで起こりうる謎解きなのですが、それは主人公が日常的、言い換えれば普通の家庭で普通に成長してきた、ちょっと好奇心旺盛で臆病で恥ずかしがり屋のごく普通の女子大生の目を通して描かれた世界だからで、謎はどんな世界でもミステリアスですから殺人事件などは無くとも立派なミステリーには違い有りません。視点がそれですから、詩的に気取って気分を損なうような文章などありませんが、ストーリーにピッタリ合った思わず感嘆してしまう言い回しなどに、まさに小説としての完成度の高さを見る事が出来ます。見る事が出来ると言えば、実際見てきたように、体験してきたように描写されるストーリーの展開が素晴らしいのと、創作とは思えないような登場人物の存在感を感じます。

 19歳の入江駒子は短大に通っています。本屋で「ななつのこ」を買い感動して作者へファンレターを出そうと決心します。そのファンレターに今、駒子の廻りで起きている不思議な事件を併せて書いてしまいますが、作者からの返事に謎を推理した解答が書かれていました。それから、何かある度に駒子は作者へ手紙を書くようになります。そして、7つの謎を解き明かした後に大きな謎が…。感動の解答は?

 「ななつのこ」は本作品の題名でありますが、作品中に主人公が買った本も「ななつのこ」であります。この本も謎解き本なのですが、その小説内小説とも言うべき本の内容が語られ、それに準じた事件が起きてそれを解くという2重構造になっています。凝ってますね。しかし、それはそれで大きな伏線にもなっている優れものなのですよ、この本は。
 今の世の中、我先にと主張する事に明け暮れている輩ばかりが多くて閉口しますね。躾のされていない幼稚園児と過保護の親たち、我が儘だけの小学生と学歴偏重の親たち、規則やルールを無視して平気な中学生と叱れない親たち、やる事は大人の高校生と諦めた親たち、遊び呆けている無学の大学生ととりあえず卒業だけが願いの親たち、怠け者のくせに人のせいにする暴走族と取り締まれない警察、遊ぶ金欲しさの売春と買うのが遊びの買春、利益誘導の有権者と理念のない政治家、…ふぅ、こりゃキリがない…と、まあ下から上まで、小から大まで、左から右まで、様々な人が様々な立場で様々な方法を使い主張する事に明け暮れている。主張ばかりが大手を振って歩き、真面目に、いや普通に生きて行く事が難しい。
 爆音を轟かせなくても、言葉にしなくても、他人を振り返らせ心に訴える方法は幾らでもあるのですね。タンポポの色を白く塗ったって良いじゃないか。…いや、良いじゃないかじゃ無いぞ、白いタンポポだって有るのだ。はやてが飛び回った村だって駒ちゃんの街だって、ぼくらのすぐ側に有るじゃないですか。

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紙の本ななつのこ

2004/02/23 18:55

なぜ、空は青く、タンポポは黄色いのか

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あふらま - この投稿者のレビュー一覧を見る

子供のころは誰もが持っている“好奇心”

 なぜ、空は青いのか
 なぜ、タンポポは黄色いのか

大人を困らせるこの類の質問は、
いつのまにかやめてしまっている。

「いったい、いつから疑問に思うことをやめてしまったのでしょうか?」

主人公の入江駒子が、その表紙に惹かれて購入した『ななつのこ』の
作者に宛てたファンレターの中で書いたこの一文は、
本作の内容を非常によく表している。

 ・いなくなった友達の飼い犬
 ・アルバムからなくなった1枚の写真
 ・保育園の裏庭に突如あらわれた大きな恐竜のおもちゃ
 ・タンポポを真っ白に塗る少女

駒子は、自身の日常に起こった小さな謎を、
『ななつのこ』の作者のファンレターに綴り、
作者は、返事の中でその謎を客観的に解いていく。

また、本書に収められている7つの短編は、駒子が購入した
『ななつのこ』の作品とも絡みながら進んでいくという、
面白い形態をとっている。

最後に収められている表題作「ななつのこ」は、
色々な意味で、それまでの短編のまとめ的作品なので、
本書は、順番通りに読み進めることをお勧めする。

遠い昔に置き忘れた好奇心を思い出し、暖かな気持ちになれる一冊。

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紙の本ななつのこ

2002/07/31 17:05

「いったい、いつから疑問に思うことをやめてしまったのでしょうか?」

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者: 青 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「君は夏休みの宿題を自分でやらずに、人のを写したでしょう? それはものをとったとおんなじことよ」

 三章の『一枚の写真』の中で、あやめさんはそう言いました。

 この話を読んで、私はすごく気が楽になりました。私はすごく心の狭い人間で、学校でノートを写させてくれと言われる度に、いつも嫌な気持ちになっていました。私がいつも時間に遅刻せずに学校に来て、つまらない授業でも眠らないよう気を付けて、一生懸命書いているノートをタダで見せろと仲良くもない人に——それもほとんど知らない人に迫られるのは、本音を言えばとても苦痛でした。

 けれども、それが私のように心の狭くない人間だったなら「いいわよ、どうぞ」と優しく言えるだろうと思うと、そしてまた、たかがノートを写させることも嫌がるなんて、なんて狭量な、性格の悪い人間だろうと思われるのだと勝手に想像しては、持ち前のつまらない矜持を発揮して、無愛想な顔しかできないまでも、たいていは「はぁ、どーぞ」と貸してしまうのでした。
 主人公の駒子なら、「なんて自分ってヤツは、プライドのない、なあなあ人間なんだろう」と自己嫌悪に陥るところかも知れません。でも私は、駒子ほどにもプライドのない、自分に甘い人間なので、自己嫌悪に陥る前に、ノートを貸して欲しいと言った人たちに八つ当たりしてしまうのでした。「何で授業に来ないんじゃ!」「この講義を取った以上、まじめに講義を受けるか、さもなければ潔く諦めるかどっちかにしろや!」と。そして「今日はいつも『ノートを貸せ』と言ってくる人は来ないのかな」「でも遅刻してくるかも」「授業終了と同時に急いで教室を出よう」などとくだらないことをいつも考え、そんな自分がますます嫌いになりました。

 けれどもこの『ななつのこ』の、はやてが宿題を写したことを恥じ入るところを読んで『ああ、そうだ。なぜあの人たちは恥じないのか。あの人たちは恥じ入るべきなのだ。私は恥じ入ることは何もない。ただ、快くノートを貸して、その人たちがいつか恥じ入るのを見守っていればいいのだ』と思うことができました。(←これもひどいか・・・(^^;))ノートを貸すこともできない私、ノートを貸せと言われることを嫌悪する私、ノートを貸せと言った人を憎む私は恥じ入るべき、ひどい、性格の悪い人間ですが、きっと、ノートを快く貸し、その人たちがいつか恥じ入ってくれますようにと思う私は、前よりはマシな人間となるでしょう。

 ……何だかやっぱりちがうような気もしてきましたが、気が楽になったことは確かです。次からは、以前ほど嫌がらずにノートが貸せることでしょう。(……そうだといいなぁ(^^;)

 私以外の方も、この本を読み、ほんの一行でも『気が楽になる言葉』を探し出せることを祈っております。

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紙の本魔法飛行

2002/07/02 22:49

“ほわぁん”とした柔らかな気持ちで読み進められる作品です

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:まきしまむ - この投稿者のレビュー一覧を見る

入江駒子を主人公とする第二連作短編集。近況報告するつもりで書いて
ごらんという言葉に後押しされ小説を書き始めた駒子は、自分が日常生活を
送っていく中で疑問に思ったことや不思議に思ったことを題材に選んで
執筆を始めた。

童話作家の瀬田さんに当てた小説仕立ての近況報告は、彼女や友人たちの
成長を記すだけではなく、ある奇妙な事件をも同時にトレースしていた。
物語は自分の知らないところでも紡がれているのだ。

「駒子が書いた小説+瀬田さんの感想・解説+謎の手紙」という組み合わせが巧く融合し
絶妙な世界観を生み出している。瀬田さんの感想は読者が漠然としか抱いていなかった
疑問点を明確な表層へと押し上げた後に、明確な回答までも提示してくれる。しかし、
瀬田さんは全てを解決してくれるわけではない。瀬田さんの感想文の後に「謎の手紙」が
届くことで読者は作品全部を通した謎解きに挑戦しなければならない。

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紙の本魔法飛行

2002/03/18 14:10

人の心は空を想うことで昇華されていく

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:穂高 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 空、宇宙に関するキーワードが多く登場する、人間に対する愛情にあふれたミステリー。話の設定は「ななつのこ」の続編にあたる。
 今回も構成は凝っている。日常を物語として書き始めた女子短大生駒子と、それに感想(謎解きを含む)を返す瀬尾さん(彼に関しては「ななつのこ」を読んで下さい)。そして、せっぱ詰まっていてほのめかしの多い差出人不明な謎の感想文が、存在意義不明のまま各エピソードに付いてくる。この謎の手紙こそが今回のバックボーンであり、最終章ではばらばらと思われたすべての話が一つにつながって謎が解かれる。やられました。

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紙の本魔法飛行

2001/06/29 17:33

mahou

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:作家 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 加納さんの本は良く読ませていただいています。この作品は、加納さんらしいもので、何気ない日常の中に色々と謎を入れ、それを解き明かすものです。これは、“推理小説”と言う硬い名前ではなく、魔法小説です。あまり推理小説を読んだことのない方には良いと思います。

『秋、りん・りん・りん』
 主人公の駒子と、通称愛ちゃんの大学生活での話です。
『クロス・ロード』
 美容院で聞いた、幽霊交差点の話です。途中で少年が出てきて…。
『魔法飛行』
 学園祭でのUFOのお話。
 もう1作品ありますが、ここで終わりにしたいと思います。この中には、誰かから来た、手紙のやり取りがあるので、これも必見!!

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紙の本魔法飛行

2001/03/16 23:54

優しさあふれる連作短編集

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:真  - この投稿者のレビュー一覧を見る

 四つの章からなる連作推理モノで、日常の不思議な謎を解明していくという作品。まず、文章の巧さがいい。伏線の使い方も見事。ミステリーとしての派手さはないが、物語として、充分楽しめる作品。読後も爽やか。

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