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電子書籍

エーレンデュル捜査官シリーズ みんなのレビュー

  • アーナルデュル・インドリダソン, 柳沢由実子
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みんなのレビュー7件

みんなの評価4.2

評価内訳

  • 星 5 (3件)
  • 星 4 (3件)
  • 星 3 (1件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
7 件中 1 件~ 7 件を表示

紙の本湿地

2012/10/22 14:31

読みやすい文体の奥に、深い広がりが感じられる。犯罪捜査官の生活と仕事を通し、アイスランドの地理的条件、歴史、結婚と葬式、社会の病理、科学技術の受容等が書かれた警察ミステリ。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:中村びわ - この投稿者のレビュー一覧を見る

帯の文句に堂場瞬一氏が「警察小説」、大森望氏が「警察ミステリ」という言葉を使っている。
そういや、犯罪捜査の立場で書かれていたと思い、ふっと「函館水上警察」が浮かんだ。と言っても、読んだのは『墓標なき墓場』だけ。だが、「ああ、インドリダソンと高城高の世界は似ている」と、何やら陶然とした。

寒さ厳しい北の荒涼の中、叩き上げの犯罪捜査官が身を粉にし動き回る。はじめは、どこかであったような事件にしか思えないものが、小さな糸口からこつこつ調べ上げられていく。捜査官独特の勘がよりどころ。忘れてならないのは、その勘が生得のものではなく、不断の姿勢で積み上げてきた能力のたまものだということ。

糸口はやがて手ごたえ強いロープのごとく彼らをみちびく。辿り着けた事実の前に、それが大がかりな組織的たくらみの一角に過ぎないことを知らしめす。後ろ盾のない一捜査官だが、一つの解決で区切りをつけず、巨大なものへ臆せず挑んでいく。

『湿地』の読後、「あばく」という動詞が頭にひびいた。「あばく」には、ピラミッドのような墓をあばく場合と、正体や陰謀をあばく場合がある。前者は目に見えるブツで、後者は目では見えない。読み終えれば、この語が本書を象徴するのにふさわしいものだと分かっていただけよう。

『湿地』も高城高作品も、現場の人間がこつこつ働き、手を抜かず、注目すべきものを見過ごさないから成果がもたらされる。すなわち、真相があばかれる。
おそらく読み手が警察小説に魅了されるのは、内外の作品を問わず、このポイントだ。地道に積み上げた捜査が、犯罪の真実を「あばく」。それも大がかりな犯罪の首ねっこを押さえ、不当な利益を得ていた権威を失墜させる。『湿地』は、しかしそのパターンには収めきれない真相に到達する。
いたし方ないと納得すらできてしまう犯罪をどう受け止めれば良いのか。「殺人」の加害者と被害者の罪の重さが反転して書かれ、人の内面の複雑さに心を千々に乱しながら、読み手たる自分の内面の複雑さにも気づかされる。

レイキャヴィクにあるアパートで老齢の男性が殺されている。意味をなさないメッセージが残されている点が変わってはいたが、現場の痕跡を隠そうともせず、部屋の扉も開けっ放しにされていた不器用な殺人。
被害者はなぜ殺されたのか、被害者がどういう人物だったのかを探ろうとすると、殺人のあったアパートから、人目に触れないよう、ひっそりと隠された古い写真が出てくる。人物ではなく、ある場所を写したものだ。
そして、被害者が過去に、ある罪を犯したかもしれないという可能性が浮かび上がってくる。

読みやすく、手に取れば「どうなるか、これから先、どうなるか」と一気に進んでいく読書だが、プロットが分かっていくだけの消費じみた時間にならないのは、読みやすい文体の奥に、深い広がりが感じられるからだ。
犯罪捜査に並行し、捜査官の私生活が描かれる。彼自身が抱える問題、子どもの問題などが、アイスランド社会全体が倦む問題の一例として挙げられる。主人公の生活と仕事を通し、アイスランドの地理的条件、歴史、結婚と葬式、社会の病理、科学技術の受容等が表される。

本来、からりと乾いているべき場所が湿り気を帯び、不快な害虫や地盤沈下などの問題の原因となってしまう。そういう土地は、人の暮らしに影を落とすに違いない。
揺るぎない大地で悠々と暮らす人びとに憧れながら、置かれた場所の不安定さに、気と生活を蝕まれ、吐息つく人の哀しみを、インドリダソンはミステリ・ジャンルの中で、こつこつ地道に表しているのだろう。彼の作品をまた読みたい。

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電子書籍

2015/11/13 13:54

泣けました。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みかんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る

アイスランドを舞台にした推理小説。
あまりよく知らない土地、国である。
最初は耳慣れない人名や地名に少し戸惑いながらも。
読み進むうちに、荒涼としたイメージのアイスランド、という土地や国柄、国民性などが、少しずつ自分なりの理解を持って、型作られてくる。
それはヨーロッパなどに抱く「合理的、個人主義…」といったイメージとは少し、ずれる。
どちらかというと内気で、強い自己主張はないが思慮深く、忍耐強い、といったイメージ。
それが、主人公である刑事に体現されている気がする。
推理小説といっても、展開は地味。派手さはなく、ハラハラドキドキ、どんでん返しもない。
しかし、主人公を中心に描かれる深い心理描写は、とても丁寧でありながら、読者を飽きさせない。
主人公の中年刑事が持つ心の傷、人生の錆。それは事件とは直接関係ないが、事件を物語として進めるための伴奏のようなもの。
そのバランスが絶妙だと思いました。
推理小説としても、アイスランドという国を舞台にした文学作品としても、味わい深い小説です。

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紙の本湿地

2019/05/03 22:27

アイスランドの事件物もおもしろい

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

原作がアイスランドが舞台のため、聞きなれない地名、人名がたくさん登場する。主人公の刑事がエーレンデュルでその娘がエヴァ・リンド、同僚の刑事がエリンボルグとシグルデュル=オーリ、登場人物表はかかせない。創元推理文庫の人物表は余計な情報がないので人物表でネタバレということはなく助かった。かなり激しい性暴力の表現が何度も登場するがさほど気にはならない。主人公エリンボルグの事件に取り組むひた向きさがそうさせているのだろう。それに最後に妊娠している娘につけようとしている名前を聞いて、この小説を読んでみて良かったなと思った

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紙の本湿地

2016/06/19 18:25

アイスランド発、北欧ミステリの真打登場。

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る

<北欧の巨人、ついに日本上陸>というコピーとともに紹介されたこの本、北欧ミステリブーム真っ最中の私としては見逃すことができず。 なんと作者はアイスランド人です! アイスランドの小説読むの、初めてかも~。

そもそもアイスランドについての知識も乏しい私(ヴァイキングに狙われるのを避けるため、氷の島を“グリーンランド”と呼び、自分たちの住む島を“アイスランド”と呼んだ、という話を聞いたことがあるくらい)。
なんと、アイスランド人にはファミリーネームという感覚がなく(存在としてはあるけど)、誰もがお互いを親しさ度合いに関係なくファーストネームで呼ぶのだそうだ。 人口は30万人、うち首都レイキャビク周辺で20万人が住むというこじんまり感が、地方出身者の自分としてはどこか懐かしさを感じる。

が、そんな田舎でも事件は起こる・・・いや、むしろ狭い社会だからこそ起こる犯罪はある。 日本ならば横溝的な。

先行する北欧作品にならい、ここでも主人公は刑事である。 エーレンデュルという50歳ほどのレイキャビク警察犯罪捜査官は、20年前に妻と離婚して以来音信不通。いいトシの娘と息子がいるが、どちら二人も問題児という・・・ヘニング・マンケルのヴァランダー警部以上に私生活は悲惨(というか、日本の常識から言って「それ、ヤバすぎますよ!」、と言いたくなるほどヤバい)。 これがアイスランドの常識なのかしら・・・。

それはともかく、事件は10月のレイキャビクで起こった老人撲殺事件。
始めは<典型的なアイスランド的殺人>:金品目当ての行き当たりばったり殺人と思われたが・・・死体に残されたメモ「おれはあいつ」が、これはただごとではないとエーレンデュルに思わせる。 年若き同僚エーリンボルクとシグルデュル=オーリと共に、被害者ホルベルクの過去を探っていくと・・・という話。
北欧ミステリの敷居が高いのは、多分、名前にまずなじみがないこと。 しかし何冊か読んでいくと、ありがち名前とか一定のルールが見えてくるので面白くなります。 ぜひ、おためしあれ!

いやー、この季節独特の陰鬱な空気感、好きだわ。
事件のおおかたや犯人がどんなやつかというのは中盤手前ぐらいでわかってしまうのですが、そんな読者の勘で捜査は進みませんから、しっかり証拠を取り、根拠を取り、裁判を維持できるように慎重な調査が要求されるわけで・・・大変おつかれさまです!、という感じ。 しかも事件自体が<アイスランドだから起こること>になっていて、それも好感触でした。
殺される側にはそれなりの理由があり、殺す側にはだから当然理由がある、という現代を描いているんだけれども“古き良き時代のミステリ”的なお約束に、ちょっとほっとします(殺される理由の原因については「ほっとする」どころではないのだが)。
「誰でもよかった」じゃないのがね、いいんですよ。
あまりページ数が多くない、というのもアイスランド的と思える。

何年か後、アイスランドでも無差別殺人事件が起こるようになったら世界社会の秩序は間違いなく歪んでいっている証拠になるかもしれません(『湿地』の原著は2000年の発表ですが)。 アイスランドについてまた見守っていきたくなる。

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紙の本湿地

2015/11/16 18:07

えぐい話のようでいて読後感はそれ程悪くならない。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Ai - この投稿者のレビュー一覧を見る

この主人公のシリーズの3作目ということで、なぜ1作目から出版しないのかなぁと思います。
他の人も書かれているように、読み始めるとすぐに引き込まれて行って集中して読み切っちゃう感じの本でした。
アイスランドといった普通大体の人があまり馴染みがなさそうなところが舞台の話なのがよけいに土地のことも知れて良かった思います。
シリーズとしては面白そうだと思うけど、登場人物がすべてのシリーズであまりに可哀そうな話ばかりだと嫌だなとも思うので何とも言えないところです。

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紙の本緑衣の女

2015/09/07 16:44

二作目

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投稿者:黒猫 - この投稿者のレビュー一覧を見る

捜査官エーレンデュル・シリーズの二作目。一作目の「湿地」の最後の方でエーレンデュルと娘のエヴァ・リンドの関係に仄かな明るい予感を思わせる終わり方であったが、本作では更に悲劇と困難に満ちていて、エーレンデュルの苦悩は続く。淡々とした書かれ方で没個性的であったエーレンデュルの同僚達は今作では見せ場が多く人物像に深みが増し、次作が待ち遠しい気持ちにさせる。事件自体は住宅建設地で白骨が発見されたことから捜査が始まり、その過程もミステリとしては地味に思うが、DV被害者の妻と子供の様子が事件の長れに沿って丁寧に書かれていて、本作はミステリではあるけれども、DVとはどのようなものか縁のない環境下の人にとっては認識を知らしめる一冊にとして貢献しているのではないか。訳者後書きで、出てくる暴力に対して「~これを読んで模倣する愚かな人間が出てくるのではないかと不安になったことも。そしてこれを世に出していいのだろうかという問いが私の心に生じたことも。」とお門違いな迷いが書かれているが、模倣云々ではなく、現実として実際にこの小説以上に酷い現実を生きているDV被害者はいる。調べれば現実に起きてることが解る筈だが、この訳者のような多くの人々の為にも、理解を広める為に筆者は書いたのだろう。ただ一作目の「湿地」と違って、特に母子が可哀想で繰り返し読みたい本ではない為星4つとした。

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紙の本湿地

2012/09/06 11:22

アイスランドの成り立ちに隠された事件の深層

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投稿者:よっちゃん  - この投稿者のレビュー一覧を見る

北欧ミステリーがブームだという。このところスティーグ・ラーソン 『ミレニアム』、ヨハン・テオリン『黄昏に眠る秋』とスウェーデンのミステリーを楽しませてもらったが、今回はアイスランドである。2~3年前に火山が噴火して国際航空線が大混乱したのはたしかあの島だった。「国」というよりも、火山と氷河、寒々とした不毛の「島」というイメージである。

2001年、雨が降り続く暗い町。首都レイキャヴィクのノルデュルミリ(北部の湿地を埋め立てた住宅街)。物語の人間関係を象徴するかのようにジメジメとして陰鬱な情景描写は印象的だ。そこにある半地下室のアパートで69歳の老人の撲殺死体が発見される。犯人が残したと思われるメモには意味不明の単語。行きずりの犯行とみられたが、引き出しの奥から、1964-1968と刻まれた墓石の写真が発見されたことから、事件は40年前にさかのぼる。

レイプ、家庭内の倒錯した性、暴力、薬物中毒、親子の愛憎。事件の周囲はどの国でも変わらないものだ。
「俺についてこい」と勘と経験で突っ走るベテラン捜査官。合理的な判断で冷静、ちょっと生意気な若手。豊かな感受性で二人のバランスをとる女性捜査官。こういう組み合わせで、角を突き合わせ、試行錯誤の地道な捜査活動の結果に真実にたどり着くというのも最近の警察小説にはよくある。
物語の横軸にベテラン捜査官・エーレンデュルの家庭内事情が描かれる。薬物中毒で暴力団から借金し、しかも妊娠中である娘と壮絶な対立がある。日本であればこれでは警察官として社会的地位はないと思うが、それは程度の差であって、警察官のホームドラマを織り込んでストーリーに膨らみをもたせているパターンである。
同情を誘う犯行動機の悲劇性だってテレビ放映のミステリードラマでは定番になっている。

読者はレイキャヴィクの特異な雰囲気に飲み込まれるだろうし、ほぼ納得性のある謎の構築であり、ストーリー展開も丁寧さとスピードのバランスは良い。ただし、これだけであれば万国共通の平板な作品にとどまるところだ。

知らない国の小説は、読んでそのお国柄を垣間見ることができれば、ストーリーそのものよりものめり込めることがある。実はこの作品の肝心なところはアイスランド国の成立ちそのものにあるのだ。「なるほどそういうことなの」と得心できる謎の核心がある。だから、アイスランド国の成立ちの特性とはなにか?をここで述べることはしない。

巻末に柳沢由実子氏の「訳者あとがき」と川出正樹氏の書評「灰色の物語― 節義と血讐を描くアイスランド生まれの警察小説」の二つの解説があるが、本編を読み終えるまで絶対に読んではならないとだけは言っておこう。わたしは途中でうっかり読んでしまったので、それ以降、謎解きの興味は半減してしまった。
ミステリー用には過剰な説明であり、あまり出くわしたことのない特殊ケースだった。ただ、この解説がなかったなら、小説本文だけでは読み取れない。欧米人はある程度、常識なのかもしれないが………。おそらく作品の魅力は理解できず、平板な印象のままで終わっただろう。お国柄を知りたいと思っていたものだから、謎の部分にとどまらずにアイスランドの諸般事情におよんだこの解説はそのものに価値があった。

先に読まれるとネタバレになるリスクがあるとしても、全く知識のない国の作品にはこういう特別な配慮が必要なのだろう。

蛇足だが、犯人のこの状況は殺人を実行する強い動機を生むものなのだろうか?殺人犯にメモ書きを残させたものは?………日本人の感覚からすると疑問が残るのだが、これもアイスランドの国柄なのか。

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