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電子書籍

ひとり日和 みんなのレビュー

  • 青山七恵 (著)
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みんなのレビュー7件

みんなの評価3.8

評価内訳

  • 星 5 (2件)
  • 星 4 (4件)
  • 星 3 (1件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
7 件中 1 件~ 7 件を表示

紙の本ひとり日和

2012/04/21 20:25

等身大の20歳のもどかしくも痛々しい感受性

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちゃき - この投稿者のレビュー一覧を見る

窓の外を見ると、電車に乗った人と目が合うほど、線路近くに建つのに、
まわり道をしないと駅にたどり着けないという吟子さんの家。
どこか現実と切り離された空間のような、そんな印象。
その立地を想像するのに少し苦労した。

吟子さんの家に居候することになった不器用で臆病な20歳の知寿は、
71歳という、彼女にとっては「死に近い」=弱々しい存在であるはずの
吟子さんの飄々として動じない様子に、苛立ちと同時に、羨望を寄せる。

「吟子さんの歳までワープしたい」と言う知寿。
逆ならともかく、20歳の女の子が71歳になりたいなんて、
普通そうそう思うものではない。

けれど、私の友人で、昔、全く同じことを言っていた子がいる。
おばあちゃん達は、悲しいことも苦しいことも既に経験してきて、
この先、もうそんなに沢山の辛いこともないだろうから羨ましい、
とその子は言った。実に勝手な言い分だと思った。

けれど、例えば、子供の頃は大人になるにつれて悩むこととか
不自由を感じることとか、泣きたくなるようなこととかが
どんどん減っていくのだろうと、何故かぼんやりと信じていたような気がする。

実際はというと、全然違っていて、そういったものは全然減らない。

子供の頃に漠然と感じていた不安や恐怖は経験値と共に薄れていくけれど、
歳を取るたび新しい悩みはどんどん生まれていく。

自身の手癖の悪さについて、

  “誰に何を言われようが、動じない自分でありたいのだ。
   これは、そのための練習なんだと、靴箱のふたを閉めながら言い聞かせていた。”

という知寿は、その行動が愚かなだけに、なんだか痛々しい。
そんなことをしても、人は強くなんかなれないし、
たとえ強くなっても辛いことは減ったりしない。

まだ思春期を抜けきっていない20歳の知寿にはそれがまだ理解できない。

恋人が出来てもすぐに愛想を尽かされ、バイトも長続きせず、
友達と呼べる人もいない。
大丈夫なのか、この子?、と思いながら読み進んだけれど、
吟子さんと暮らすうちに、少しずつではあるけれど変化が現れる。

  “この小さいおばあさんが、もう悲しんだりむなしくなることがなければいいけど、
   無理なんだろう。使い果たしたと思っていても、悲しみやむなしさなんかは、
   いくらでも出てくるんだろう。”

若いから、未熟だから辛い、という訳ではないことに
気づき始める知寿は、そうは見えないながらも
少しずつ成長しているのかもしれない。

知寿のような子が近くにいたら、正直、私は苦手だろうなと思う。
けれど、その嫌な面を含めて全てがとても素直に描かれていて
作り物めいた感がなく、等身大の生身の人間、という感じが強くした。
それが、この小説の一番の魅力かもしれない。

彼女の弱さに対して感じる嫌悪感は、
きっと自分自身にも当てはまる部分だからこそではないか、と
そんな気がして、ほんのり苦いような切ないような、そんな読後感。

  “「吟子さん。外の世界って厳しいんだろうね。あたしなんか、
   すぐ落ちこぼれちゃうんだろうね」
   「世界に外も中もないのよ。この世はひとつしかないでしょ」”

最後の二人のこの会話に、じんっ、ときた。

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紙の本ひとり日和

2019/01/27 19:24

空気のような存在って、いいことなの、悪いことなの?

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

2006年下期の芥川賞受賞作品。芥川賞をとれる作品の基準は、まず面白くないことという評判を覆して、とても読みやすくて、とても面白い作品であった。母の海外勤務によって、遠縁のおばあさん吟子(71才)と同居することろなった主人公・知寿の1年間が、たんたんと描かれている。内向的な主人公が、初対面のおばあさんと暮らす。私なら1週間だって無理だ。付き合っている彼氏とはだんだんと距離ができていく。これは、共感する。空気のような関係というのは、いいことなのか、悪いことなのか、難しいところだ。長く付き合っているとこういう時期は必ず訪れる。別れてしまうか、結婚につながるかは運次第なのかもしれない

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紙の本ひとり日和

2018/11/04 11:40

20代、ひねくれた知寿の成長物語。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る

20歳の知寿と71歳の吟子さんの二人暮らしの1年間を描いた小説。四季ごとに章立てされていて、出会いの春→恋愛の夏→倦怠期の秋→別れの冬→出発の春につながっていく知寿の成長が見所。吟子さんに冷たくしたり構ってみる知寿と、見守るでもなく見守る吟子さんが好対照。

かといって、絵に描いたように良い人に変わっていく訳ではないところがこの作品の良い所で、不器用ながらも社会に対する自分のプレースタイルを確立していくプロセスが眩しく見える。春に読みたくなる独り者文学の傑作。

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紙の本ひとり日和

2018/05/04 07:58

第136回芥川賞受賞作品

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る

20代前半の女性と、70代の女性の奇妙な共同生活が印象的でした。駅のホームでのアルバイトから始まっていく、ほのかな恋愛模様も微笑ましかったです。

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紙の本ひとり日和

2017/05/31 21:15

鋭敏な感性の針を,自分で隠そうとしている。そんな気がします。繊細で,比喩に満ち溢れた作品。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る

私にとって初めての作家さん。
きっかけは忘れたけど,なぜか心に引っかかっていた。
同じように,読後も忘れられない雰囲気を感じた。

書評素案を書いた時点で,自分の解釈にちょっと自信が
なかったため,他の人の評や,芥川賞の選評なども
見てみたのだが,近いものが少なかった。

特にプロの作家との乖離が大きくて迷ったのだが,開き直って
そのまま出そうと考えた。こんな風に読んだ人もいるんだと
思って頂き,何かの足しになれば幸いである。

とても静かな作品である。母子で暮らしていた主人公の知寿。
母がしばらく中国に行くことになった。
知寿は中国には行かず,東京に行きたいと言う。
遠縁のおばさんが東京で一人暮らしをしている。
知寿は,母の口利きでそちらに住み込むことになる。

おばさんの家には猫がいて,死んでしまった猫の写真が
いっぱいあり,話はそこから始まる。

来る者は拒まず,去る者は追わず。
おばさんとの生活は,実にゆるりとしている。
冒頭の猫は,主人公に対する暗喩のように思う。
しかも,どちらかというと野良猫。

遠縁という実質的にほとんど無関係の人のところに身を
寄せるくだりが,ひとり日和のタイトルを連想させる。

知寿は引っ越してすぐに彼氏と別れる。
新しく始めた東京での生活。
おばさんに恋人らしき人が現れ,知寿にも新しい
彼氏ができる。おばさんはじんわりとお付き合いを続ける
のだが,知寿は深入りを恐れるように別れてしまう。

母が再婚を申し込まれているという話を聞いた時も,
努めて無関心を装う。派遣先の会社で正社員登用の
話が出て社員寮に入ることになり,
この奇妙な同居生活も終わりを迎える。

知寿には何回も別れが訪れ,その都度一人ということを
確認しているようだ。
私が強く感じたのは,「一人である」 状態の強調ではなく,
自ら殻に閉じこもって 「ほら,一人になっちゃった」 と
言い聞かせる知寿の心の動きである。

若さゆえの自意識の強さ。
自分を傷つけたくないために,深入りを避けている。
その結果,一人になる。

繊細な感性を一歩離れたところから感じ,ほとんど無意識に
自分を守ろうとする。そんな臆病な 「ひとり日和」 が
横たわっている。

ラストで,社員寮という守られた場所に移っていくところが,
自分の心の守り方を一つ学んだように見える。
私には,これすらも比喩に思える。

野良猫に喩えられた主人公は,隔離された家から
「外界」 である駅のフォームを見つめる。
駅でアルバイトを始めても,キオスクの中に一人で
入り込み,彼氏の仕事を遠目に見つめる。
他人の小物を自分の獲物としてくすね,自慢げに眺める。

最後に獲物を猫の写真の裏に隠すあたりで,
この比喩を確信した。主人公は,まさに野良猫のごとく,
抜き足,差し足で生きている。
人と関わりを持つのが怖いんだろうね。

自我というものを,強く,冷静に見つめる作品ではないだろうか。
湖にさざなみが立っていて,湖の中には自分でもコントロール
できない深層心理が渦巻いている。
殊更に波立てるでもなく,周囲の土から水を染み込ませるように,
他人との関わり合いを少しずつ咀嚼していく。

陳腐な表現で申し訳ないが,触れると壊れてしまいそうな
心理を描いた作品と評したい。
何かが心の針に触れたらお読みいただければ。
おそろしく静かな作品である。

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紙の本ひとり日和

2016/11/18 18:16

ジャケ買いです(笑)

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:koji - この投稿者のレビュー一覧を見る

初見の作家さんです。

この本の装丁が素敵で買ってみました。

小説の技法とか私はわかりませんが、素直に心に届いてくる作品でした。
いつの時代も人は同じようなものを抱えて生きていて、それを言葉で表す作家もまた次々に出てくるのですね。
新鮮さというべきものはないと思うのですが、また読んでみたいなと思わせる作品でした。

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紙の本ひとり日和

2018/01/23 10:45

ひとつしかない世界の中で。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kaoriction - この投稿者のレビュー一覧を見る

第136回芥川賞受賞作。
二十歳の知寿が居候することになったのは、二匹の猫が住む、七十一歳・吟子さんの家。駅のホームが見える小さな平屋で始まる奇妙な同居生活。知寿はキオスクで働き、恋をし、吟子さんの恋に心乱され、恋に破れて。

「見知らぬだれか」との同居、という意味では先日読んだ『すみれ』と共通する部分は多々ある。本作の方が先に書かれているということは、こちらで書き切れなかったこと、伝えたかった何か、または、違う視点からの違う何か、を作者は『すみれ』で描きたかったのかな…。
どうなんだろう。

淡々とした日常と描写が逆に内面のざわつきをえぐる。淡々と。じわじわと。

「世界に外も中もないのよ。この世は一つしかないでしょ」。

吟子さんの言葉は、何も経験して来なかった人の言葉ではないことがわかる。
何が楽しくて、年をとってから恋なんかして、何のために生きているのか。淡々と暮らしているだけに見える吟子さんの内に秘めたエネルギーは、知寿のそれには及ばないかもしれない。でも、いつか、知寿は吟子さんのような人間になってゆくんだろうな。

「一人暮らしは、いいものよ」
「若いうちに、家を出なきゃ」
「若いときには、」「苦労を知るのよ」

ひとつしかない世界の中で、私たちはもがき苦しみ、苦労を知り、苦労をして、かなしみ、楽しみ、生きてゆく。
それが、日常。

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