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電子書籍

輝く日の宮 みんなのレビュー

  • 丸谷才一
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みんなのレビュー3件

みんなの評価4.5

評価内訳

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紙の本輝く日の宮

2006/09/26 16:54

失われた源氏物語の真実

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る

2003年泉鏡花賞受賞作。
『源氏物語』には「桐壺」と「帚木」の間に、「輝く日の宮」という巻が失われているという学説があります。『源氏物語』は長編小説として、そのあとの巻との整合性が欠けているのです。この巻には光源氏と紫の上のとの一度目の情事、朝顔の姫の登場、六条御息所との関係のはじまりが書かれているとされています。
そのようなことがどうして起きたのか、ということを女性研究者が解いていく小説。文学的な謎を、史学的にも考察し、さらには平安時代への想像力を働かせます。
この女性研究者は19世紀日本文学が専門なのですが、『古今集』巻19の伊勢の歌の「つくるなり」の文法上の正しさから本意を指摘したり、芭蕉の東北への旅の目的を明らかにしたり、「日本の幽霊」のシンポジウムに出席したり。専門外での活躍とその学術研究結果が優秀という、ユニークさ。
ところが自分の領域を冒された研究者にしてみれば、おもしろくない。公開シンポジウムでほかの研究者とやりあう様は読ませます。人のゴタゴタがおもしろいのと一緒ですね。
また彼女の父親が日本生活史研究者であり、彼からの学会での姿勢や、研究の方法論などの指南があり、研究者としての丸谷才一を感じます。
さらに彼女が中学生の頃に書いた新左翼との恋愛小説や、実際の恋愛を絡めながら、源氏の謎を解いていきます。小説としての楽しさは円熟の筆で読ませるのはあたりまえ。研究の楽しさ、奥深さも堪能できます。すっかり「輝く日の宮」存在説支持派になりました。

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紙の本輝く日の宮

2009/08/11 12:26

平安時代に生まれた『源氏物語』の謎。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オレンジマリー - この投稿者のレビュー一覧を見る

 本書を手に取ったのは、泉鏡花を尊敬している恩師に勧められたからだった。装丁から雅な雰囲気を感じたので、読み始めるのを楽しみにしていた。最近『源氏物語』の現代語訳を読もうと不意に思っていたが、本書にそれが登場してくるなんて思わなかったので、中盤辺りから食い入るように読み進めてしまった。高校の頃以来の古典への興味で、教科書に載っていた一部しか私には馴染みがないけれど、平安の宮廷で楽しまれ、続きが待たれていたという長編の謎があるなんて知る由もなかった。

 読み始めに、やや辛めの一冊だという感想を持ったのを覚えている。単に私が浅学なだけだけれど、古風な文体を使っているのに戸惑った。読めない漢字が出てきたり、知らない単語があったり、馴染むまでに多少の時間を要したのは言うまでも無い。古典の授業で登場してきた数々の人名もあり、文学に多少触れたという懐かしい感覚もあった。松尾芭蕉の『奥の細道』を文学者の視点から語ったり、主人公の女性が論文を発表したり、これまで親しんできた小説とは一味も二味も違った表情を持っていて読み応えがあると思った。

 そして何よりも、本書のタイトル『輝く日の宮』が一体何なのか、全然知らずにいたけれども途中で明かされて驚いた。本書を読み終えたら手をつけようと思っていた『源氏物語』の幻の巻だなんて、気持ちが高ぶった。そんな巻が存在していたのかと思うと、伝説的な感じがして深い。そしてそれを、主人公を含めた学者達がそれぞれの観点から学び、刺激し合い、検討していく。平安時代の雅な世界で、紫式部が生み出した長編は今の世でも語り継がれ、褪せる事無く親しまれている。私もいよいよ読んでいくと、繋がらない一部を疑問に思うのだろうか。今から楽しみである。

 俳句で気持ちをやりとりしていた時代、もっと古い時代の一句から引用したり、教養の深さを感じ取れた。あの光源氏のモデルと考えられている有名な歌人に、まだ紙が貴重品だった時代。今まで古い古い作品には目を向けなかったけれど、知り始めると興味が湧いてきた。泉鏡花賞を受賞した作品の奥行き、しっかりと味わう事のできる喜びもあった。これからは、もっと辛口な文学に触れていくのも悪くないなと気持ちを切り替えるきっかけにもなった一冊だ。古い言葉遣いのわりには英単語を使う癖のある女性が登場したり、若干時代的な違和感もあったけれど『源氏物語』に触れる前に本書と出会えて本当に良かったと思った。

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紙の本輝く日の宮

2019/06/11 23:29

文学の力を示すメタ文学

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る

主人公の女性国文学者は、美人で頭も良く、父も学者で育ちもいい、言い寄る相手はひきもきらない。専門が19世紀日本文学とか、そんな分類あったろうか。近代文学や江戸文学でもなく、それが為永春水と徳田秋声とか、泉鏡花とヘンリー・ジェイムズといった、独特の論考を生み出すのは、作者の仕掛けの一つなのかとも思う。
それがある公開パネルで、源氏物語専門の女流学者と、テーマには無関係な、源氏には失われた巻があったという説を巡って喧々諤々の大議論と当てこすり合戦になってしまう。その女流学者は、主人公のかつての愛人に振られたことがあるという曰く付きと分かっていたのに、引くに引けなくなって深みにはまり込むのは、やはり女ってそうだよなと思ってしまう僕を許してください。そもそも女って、なんでみんな揃って源氏が好きなのか。これもなにかのアイロニーなんでしょうか。
それで主人公は、その失われた巻「輝く日の宮」を小説として書く羽目になってしまう。いや別になってないんだけど、どうしてそこでムキになれるのか。しかし19世紀を中心に文学史を俯瞰する視点をもってみると、説得力のある考察にもたどり着くという、ここに作者の設定が生きてくるという仕掛け。
ただその論考では、紫式部のパトロンであった藤原道長が重要な役割を果たす。女って藤原道長が好きだよね。このテーマと並行して、彼女の新恋人として登場するのも、ある大企業の幹部社員で、倉橋由美子の桂子さんシリーズか島耕作みたいである。その企業が人類の行く末を握っているようなほのめかしの先には、何人抜きかで社長になる彼が、桂子さんの夫のように総理大臣になってしまう未来さえ髣髴とする。そういう男の好みは、ほら道長にも共通するでしょ。
そして降って湧いた恋人の結婚話しは、彼女に激しい煩悶を呼び起こす。今までモテモテの人生を歩んできた主人公には、思いもよらず経験する激しい苦悩だと思われるが、そこについて作者は一切書かない。ひたすら源氏や道長の行為を想像し、彼女は筆を進める。それだけに内面では、それこそ生霊にでもなってもおかしくないほどの熱量が貯まっていっているはずなのだが、物語の結末はそこには無い。
作者は源氏やその他の文学解釈にも一言あるのかもしれないが、それ以上に、物語を生み出し、またその謎を解き明かす人間の「意識の流れ」を描こうとする意図が強く感じられる。そういった文学的技法が、世界の謎を解くためには必要だということを暗に示唆しているのだ。
例えばヴァージニア・ウルフの書く人間意識が、第一次世界大戦の暗い影と相互に強く作用しているのと同様に、文学をめぐる思考においても、学会の流行や、メディアや、産業界の力が様々な深度で影響しあっているという背景によって、文学が力を発揮する可能性がとつとつと語りかけられているようだ。

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