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電子書籍

天皇の歴史 みんなのレビュー

  • 渡部 泰明, 阿部 泰郎, 鈴木 健一, 松澤 克行, 小倉 慈司, 山口 輝臣, 加藤 陽子, 西川 誠, 藤田 覚, 藤井 讓治, 河内 祥輔, 新田 一郎, 佐々木 恵介, 吉川 真司, 大津 透
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みんなのレビュー18件

みんなの評価4.3

評価内訳

  • 星 5 (7件)
  • 星 4 (9件)
  • 星 3 (2件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
18 件中 1 件~ 15 件を表示

「幕末の天皇」から。

5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 それまで光が当たる機会が殆どなかった光格天皇の重要性に光を当てた「幕末の天皇」の著者が、後水尾院から孝明天皇まで取り上げたのが「江戸時代の天皇」である。江戸時代の天皇というと後水尾院は取り上げられる事はあるが、普通は論じられる事が殆どない。
 明正・後桜町の両院のような江戸時代の女帝が、如何なる存在だったのか、が興味深かった。両院が古代の女帝と違って中継ぎの天皇であって、女帝であるがゆえに神事や政務に制限があったというのは初めて知った。
 南北朝から室町時代にかけて衰微していった朝儀の再興や改元についても、案外触れられないところだ。
 ただ何故か、この本は仁孝天皇については殆ど触れられていないが。

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明治天皇と近代日本。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 明治天皇の御生涯を通して見た幕末から崩御までを書いた本であるが、明治天皇の評伝ではない。あくまでも明治という時代を書いた本である。なかなか面白かった。
 明治天皇の御写真といえば明治六年の肖像写真ぐらいしか知らなかったが、遠景を撮った写真が結構あるのは知らなかった。
 昭憲皇太后には結構ページを割いていて、皇族について書かれた箇所はあるが、韓国併合後に創設された王公族について触れられている箇所は少ない。
 気になったのは「敗戦まで国師・禅師号を、仏教者に発給し続けた。」(13頁)とあるが、今年法然上人に大師号が加増されたが、今でも大師・「国師・禅師号を、仏教者に発給し続け」ているのではないだろうか?昭憲皇太后について「皇太后になってのち贈られたので昭憲皇太后となり」(105頁)とあるが、貞明皇后と香淳皇后も追号は「皇太后になってのち贈られた」のでは?

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紙の本天皇の歴史 05 天皇と天下人

2011/05/27 01:06

三代の天皇と天下人達。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 この版元で以前出版されていた梨本宮妃伊都子著「三代の天皇と私」をもじってみたが、正親町天皇と信長、後陽成天皇と秀吉、後水尾天皇と徳川家、といった時代を彩る天下人と水面下で相争う姿をまとまって描かれる事は、あまりないように思われる。
 信長が正親町天皇に変わって天皇として擁立しようとした誠仁親王についても、もう少し描かれていればよかった。
 秀吉の朝鮮出兵に際して「三国国割抗争」について図入りで説明されているところが目新しいところだ。

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紙の本天皇の歴史 1 神話から歴史へ

2019/01/31 10:35

神意を知る王はいつ生まれたのだとうか?天皇の歴史を解説した画期的な書です!

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は、神意を知る王はいつ、どのように生まれたのだろうか?というテーマをもって我が国の天皇の歴史を遡って丁寧に検証した一冊です。卑弥呼や倭の五王まで遡り、『古事記』や『日本書紀』の記述を丁寧に解読しながら、神武天皇以降の我が国の天皇について解説していきます。天皇号と日本国号の成立などについても解説されており、非常に興味深い内容となっています。ぜひ、多くの方々に読んでいただきたい一冊です。

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講談社100周年記念文庫として出版された質の高い歴史書シリーズです!

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は、講談社100周年記念文庫として出版された質的にも非常に高い歴史書シリーズの一冊です。1901年に明治天皇の初皇孫として生まれた後の昭和天皇ですが、87年間の生涯を通じて、大きな戦争を率いる運命を背負った方でもあります。その戦争とその後の我が国の繁栄を経験された昭和天皇は、現在の平成天皇に何を残していったのでしょうか。新憲法、平和、アメリカ、沖縄などのキーワードから象徴天皇の意味を引き出していく興味深い一冊です。

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紙の本天皇の歴史 9 天皇と宗教

2019/01/27 16:49

天皇という存在を宗教との関りから描いた一冊です!

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は、天皇という存在を宗教との関りから描いた画期的な一冊です。古代より、我が国では天皇は神とあがめられ、時として神の代わりとして様々な神事を執り行ってきたことは周知の事実です。そうした神がかり的な宗教と天皇との関係をさらに一歩深めて考察したのが同書です。同書を読めば、天皇の存在とその意味付けが手に取るように分かってきます。

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紙の本天皇の歴史 10 天皇と芸能

2019/01/25 15:22

天皇の権威は芸能によって確立した?!

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は、日本文化史を天皇との関係から考察した画期的な書です。著者は、「天皇の権威は芸能によって確立された」と同書において強調しています。それはどのような理由からなのでしょうか。それは『古今和歌集』が11代にもわたって編纂されたことや琵琶を愛した後鳥羽天皇などの数々の歴代天皇のエピソードを分析することからみちびきだされた解答です。日本文化を天皇の関係から見るという非常に新しい視点をもった同書はなかなか興味深い内容です。

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一種のあきらめにも似た慨嘆が湧きおこる

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あまでうす - この投稿者のレビュー一覧を見る



本書を読むと、満州事変、日中戦争、そしてアジア太平洋戦争のいくたの局面に、昭和天皇がどのようにかかわったのかを詳しく知ることができる。

昭和天皇と戦争相関関係を微に入り細にわたって追及する著者の筆は鋭い。例えば米国への宣戦布告が遅れたのは駐米日本大使館の不手際ではなく、陸海軍の奇襲作戦を効果的にするために統帥部と外務省が意図的に遅らせたこと。ルーズベルトから天皇への親書電報も陸軍が15時間も遅延させたこと。そもそもだまし討ちの汚名を蒙らないためにはワシントンでなくとも東京の駐米大使グルーに布告文書を渡せばよかったこと等々、目からうろこの斬新な指摘も多々ある。

著者がいうように、皇太子時代に西欧を訪れて第一次世界大戦の惨禍をつぶさに目にした昭和天皇は、祖父にならって世界平和の重要性を痛感していたはずである。

ところが長ずるに及んでみずからが総攬する大権が憲法の制約下にあることを知りつつ、宮中、内閣、陸海軍、とりわけ幕僚に対してはラバウルや沖縄などの戦争政策に関しても積極的に発言し実質的に命令している。統帥権を掌握していた天皇は当然首相や閣僚が知らない情報まで把握しており、ある時は適切な、またある時は不適切な政治判断を示しているのである。

特にアジア太平洋戦争については陛下の個人的御聖断によって対米英戦争がはじまり、同じく彼の個人的決断によって終結し、その所為で無慮数百万の無辜の赤子を、海ゆかば海の底で、山ゆかばさいはての凍土や密林で玉砕させたわけだから、連合国がどう判断しようと人間一個の道義的責任ということをまじめに考えれば、形式的な法律論でこの人物を「無答責」と免罪するわけにはいかないだろう。

しかし、これでもかこれでもかと当時の客観的情報を並べて学者的分析を述べる著者は、この重大な問題について沈黙を守っている。じっさい当時の国内外、政官財軍民の動向はあまりにも複雑怪奇に入り組んでおり、本書を読めば読むほど、天皇を含めた諸個人の思想と行動の軌跡を精密に腑わけしてその功罪得失と論じ、あまつさえその因果応報を断じることは神ならぬ身には不可能に近いのではないか、という一種のあきらめにも似た慨嘆が湧きおこるのである。

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院政期の天皇。

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 平安時代末期(具体的には保元の乱前後)から応仁の乱までを書かれた本。
 前半部の年号表記が西暦だけなので、読んでいて分かりにくかった。日本史の出来事は元号で表記されるので、元号と並記してほしいところだ。
 このシリーズは「天皇の歴史」と銘打っているからか、時期的には院政期なのに上皇(特に治天の君)の存在より天皇の存在が前面に出て書かれている。崇徳院は治天の君ではないが、この本に出て来る後白河院や後鳥羽院といった治天の君である上皇は天皇として在位していた時期より存在が際立っていた。
 伏見宮家のような世襲宮家や恒明親王、邦良親王の子孫を単独で取り上げてもいいかもしれない。

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紙の本天皇の歴史 10 天皇と芸能

2012/02/11 13:51

落ち穂拾いの最終巻は予想を裏切って面白かった。

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あまでうす - この投稿者のレビュー一覧を見る

いつの間にかつらつら全10冊に目を通してしまったわけだが、どれも天皇と天皇に付随する制度の周縁を遠回しにぐるぐる迂回しているだけの空論閑文ばかり。天皇制を歴史的にあからめてくれようかという秘かな願いが叶えられることはただの1冊もなかった中で、落ち穂拾いのこの最終巻は予想を裏切って面白かった。

第1部の「天皇と和歌」では勅撰和歌集を逐次取り上げながら王朝和歌の特徴を具体的に論じているので、天皇から離れた本邦歌論史としても大いに参考になる。第2部の「芸能王の系譜」では声わざの帝王としての後白河院、琵琶の帝王としての後鳥羽院、両統迭立の中で秘曲伝授を争った後深草院と後醍醐天皇等をとりあげ、第3部の「近世の天皇と和歌」では寛永文化を主導した後水尾院の和歌復興運動を、第4部の「近世の天皇と芸能」では天皇の学問・和歌と並んで茶の湯の歴史を概説しているが、この最後の小論文が私にはいっとう興味深かった。

というのも家の近くに茶道宗偏流不審庵があったり、親戚にお茶の師匠で生計を立てている人がいたりするのだけれど、私はどうも当節の表層儀礼と利権商売化した現代茶道というものに抜き難い不信と偏見を抱いているからである。

かつて私は裏千家の千宗室氏が主宰する茶会なるものに臨席し、彼らが主導する作法通りに和菓子を頂いてわび茶を喫し、利休15代目の宗匠より有り難い講話?なぞも拝聴したのであるが、これが正統の茶道なりという感触のかけらすら体得できなかった記憶がある。

2畳か3畳の狭い茶室に閉じこもってちょん切られた朝顔や古臭い茶器をひっくり返して褒め殺したり、たかが1杯の茶を喫するのに長時間しびれを切らして正座したり、年代物の茶碗をぐるぐる回したり、宗匠の下らない人生訓を聴かされるのが正式な作法だと思っていたら大間違いだ。

堺の商人や信長、秀吉、家康などがよってたかってもっともらしい禅の修行まがいに陰湿に歪めてしまったわび茶だが、茶道には平安初期の団茶、滋養茶、中世以来の衣冠を付けず裸行での乱遊飲茶や賭け茶、闘茶、嗅ぎ茶、酒席における能や少女歌舞音曲付きの回茶など、もっともっと奥が深くて開放的な楽しい喫茶文化があることを、改めて本書で学び直してほしいものである。

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紙の本天皇の歴史 09 天皇と宗教

2011/11/07 18:04

私たちは「新しきかむながらの道」を模索しているのでは

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あまでうす - この投稿者のレビュー一覧を見る



「天皇の宗教」と聞かれれば、そりゃあやっぱり神道でしょう。なんたって国家神道というくらいだから、ものすごく格調高いんじゃないか、と思うのですが、実態はそうでもなさそうです。

私はときどき正月二日に鎌倉宮の正式参拝に訪れて、神主さんかその代理人の年頭のメッセージを聞くことがあるのですが、その内容たるやおそまつ君そのもの。犬が西向きゃ尾っぽは東、なんて地元の古老の人生訓に比べてもいちじるしく劣る内容を偉そうに演説しています。かつて口丹波は丹陽教会の名牧師、塩見森之助先生の素晴らしい説教に接した私にすれば、今は亡き我が家の愛犬ムクにでも喰われろという超低レベル。おそらく現在の神道の教義のレベルなんて、かの靖国神社でも伊勢神宮でもその程度に違いありまっせん。 

もちろん戦時中の高松宮のように「皇族よ、信仰に目覚め神ながらの道を拝せ。いまぞその時!」なーんていう性急に神道を国家宗教にしたがるファナチックな方々も大勢いらっしゃったようですが、古代から近世、現代に至るまで天皇家では紆余曲折の限りを尽くして、総合的には「神道6割、仏教4割」くらいの比重で恭しく信仰され、宮廷内の儀式として機能しているようですね。

本書を読むと、天皇の葬儀にしても江戸時代の大半は火葬してから京都の泉湧寺に葬っていたのに、明治維新で神道が巻き返して現在では懐かしの神式で土葬しています。されど当代の皇后陛下はカトリックの家に育った人だが、それでおよろしいのか? 死んで花実が咲くのでしょうか? それとも皇族には宗教の自由なんてないのかしらん。

この際、天皇や天皇家や天皇制のことなんかどうでもよろしいが、いったい神道って何なんですかね。広辞苑では「もと自然の理法、神のはたらき。我が国に発生した民俗信仰で祖先神や自然神への尊崇を中心とする古来の民間宗教が外来思想である仏教・儒教などの影響を受けつつ理論家されたもの」とあります。「信仰」とはあるが、「宗教」とは書いてない。

そこで思い出すのがかつて明治の初めに米欧を訪ねた岩倉使節団の当惑です。本書によれば彼らは西洋人に事あるごとに「何宗か?」と聞かれて往生したようですが、そのアナーキーな事情は現在もあまり変わっていないのではないでしょうか。

私たちの大半は冠婚葬祭のときだけは仏教や神道やキリスト教信者の振りをしていますが、一部の例外を除いて本当にそれらの神を信仰しているわけではない。かといって無神論者でもなさそうだ。宗教と無宗教の間をふらふらと彷徨いながら、じつは世界史上まれな自然の理法、すなわち「新しきかむながらの道」を模索しているのではないでしょうか。


汝等あらゆる宗教原理主義を拝しあたらしき自由の道を歩め 蝶人

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紙の本天皇の歴史 05 天皇と天下人

2011/07/17 10:30

信長、秀吉、家康三者三様の天皇への対応

4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あまでうす - この投稿者のレビュー一覧を見る



講談社から刊行されている天皇の歴史シリーズの第5巻であるが、ここでは戦国時代に我が国を天下統一に導いた三英傑と天皇の関係について述べられている。

己を天下人であり国王であり天皇以上の存在でありと自負していた織田信長は、一貫して朝廷とは距離を置き、彼にひたすら媚を売る正親町天皇を適当に利用しながら、基本的に無視していた。天皇と天皇制を見事なまでに小馬鹿にしていたのである。

信長は後継の秀吉、家康と違って、徹底的に朝廷の権威や秩序を無視して己の唯我独尊を貫こうとしたあたりがいっそ快い。

 秀吉の交渉相手も信長と同じ正親町天皇であったが、同じ天下人とはいっても成り上がりの秀吉と信長ではなかなか対等という訳にもいかず、雲上人のご機嫌(天気というそうだ)を取り結びながら下から籠絡しようとする態度が印象的で、関白の位階欲しさに正親町にすり寄る秀吉の姿は醜い。

秀吉が信長と同様に朝廷を牛耳るようになるには御陽成天皇の就任を待たねばならなかった。しかし秀吉の死後彼が望んだ後継者を拒否し、彼が願った「新八幡」の神称を拒んだのは他ならぬ御陽成天皇であった。

 前任者たちの対応を醒めた目で観察し、天皇および天皇制にもっとも致命的な打撃を与えたのは、やはりというか、さすがというか天下の知恵者徳川家康であった。彼は死の直前にみずからの発案で禁中並びに公家中諸法度を制定し、御陽成の後継者である御水尾天皇の権威と権力を完全に奪い取り、名実共に朝廷を武家の支配下に治めたのである。

 こうしてつらつら眺めてみると、信長が搗き秀吉が捏ねた餅を家康がうまそうに頬張るという図式もあながち漫画ではないような気がしてくるから不思議である。恐らく三英傑のうちで最も優れた政治家は最後の者であったのであり、彼が主導して統治した256年間が、この国の民衆にとって最も幸福な時代であったのもむべなるかな、と言わずにはおれない。


だんだん好きな人が減って嫌いな奴が多くなる 蝶人

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王権政治から摂関政治への転換を分かりやすく記述

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あまでうす - この投稿者のレビュー一覧を見る



いったん天智から天武に移行した王権が、文武、聖武、幸謙・称徳を経て光仁からその子桓武天皇に移った時点で、平城京は7大寺を拠点とする仏都に転化せしめられ、政治経済の拠点は長岡京を経て平安京に定着することになりました。

本書はさらに桓武以降の皇位が、平城、嵯峨、淳和、仁明に継承され、王権政治が崩壊して律令体制を基盤とする摂関政治へと転換されていくさまを分かりやすく記述しています。

私が特に興味深く読んだのは、平安京を開いた桓武天皇の事績です。自己の権威付けのために父方の天智系皇統を称揚した桓武は、今度は当時、「蕃人」視されていた百済系渡来氏族の出身である母方のイメージアップに取りかかります。

亡き母親和新笠に皇太后のおくりなを与え、交野を本拠とする百済一族に対して叙位を行い、「百済王らは朕の外戚なり」と宣言した桓武こそは、今も昔も本邦に根強く存在する朝鮮民族に対する故なき差別意識に対する史上はじめての公的挑戦者だったのではないでしょうか。

もっとも弥生時代に朝鮮半島から大量に移住してきた弥生人のDNAが私たち現日本人の血肉にどっぷり内蔵されていることを思えば、天皇桓武の賤民意識脱却の国策キャンペーンなど、はなから無意味であったわけですが。


この桜見せてあげたし二万人 茫洋

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200年間の摂関政治の時代を振り返る

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あまでうす - この投稿者のレビュー一覧を見る



本巻では9世紀半ばの文徳天皇から11世紀半ばの後冷泉天皇までのおよそ200年間の摂関政治の時代を取り扱っているがなかなか面白かった。

ひとつは「望月のかけたることも無しと思へば」と歌った藤原道長も結構苦労を重ねていることで、次兄道兼の突然の伝染病死や長兄道隆の子伊周、隆家の失脚がなければ寛仁2年に栄華の頂点にまで上り詰めることも不可能であっただろうし、「一家三后」の空前絶後の快挙も、愛娘彰子付きの女房、紫式部が「源氏物語」を書くこともなかったであろう。しかし道長と三条天皇との確執は相当深刻だったようで、それは三条を激怒させるほど強引な画策を行ったからである。

望月の歌が詠まれたのは一六夜で、本歌は能天気な自己賛美ではなく、むしろ栄華の儚さを謳っているという指摘も、げにさもありなんと思われた。

もう一つは天皇と穢れの問題で、後一条以降、天皇は観念上は在位中は死去しない「不死の存在」となり、内裏は、国境の外部の穢れに満ち満ちた異界とは対極にある「浄」の中心となって(宇多天皇などは御簾越しに「蕃人」と対面する)、平安朝から神国思想が誕生したという指摘である。

三つ目は、この時代の怨霊の祟りの猛威で、著者は醍醐天皇を呪い殺したのは菅原道真であり、藤原道長が地獄の三丁目に突き落とされなかったのは追放した政治的ライバルの伊周や隆家の配流を一年にとどめて京に戻したり、自分が強要して皇太子を辞任させた敦明親王に対して太上天皇並みの待遇を与え、自分の娘寛子を納れたからだ、と半ば信じている気配があるのはまことに微笑ましく、これまたさもありなんと思われた。

この時代にはもはや誰が天皇になっても、摂関や蔵人所や検非違使が天皇の機能を代行できる体制が確立されたと説く著者は、それでは天皇独自の存在意義は何かと最後に自問して、大嘗祭、新嘗祭、神今食における神との共食儀礼と「神器」の保持継承であると自答し、昭和天皇は、それなくして国体が護持できない「三種の神器」の保全のためにポツダム宣言を受諾した(「昭和天皇独白録」)、と指摘している。

これを私流に換言すれば、ワーグナーの「ニーベルングの指輪」と同じように、「三種の神器」を所有している者が支配者になれる訳だから、われら忠良なる臣民どもが、皇統の後継者についてとやかく詮議立てをする必要は毫もなさそうである。


わが庵に咲くやこの花オオシマザクラ 茫洋

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50ページ超の補章を書き足すだけでなく一部マニアへの目配りも忘れない

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る

昭和天皇は、ヴェーバーの言う政治的人間ではなかったが、武田泰淳の言う政治的人間ではあった。それはなぜか。どういう意味があったのか。加藤さんはこうやって問いを明確にされる歴史家。

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