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電子書籍

イベリア・シリーズ みんなのレビュー

  • 逢坂剛
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みんなのレビュー14件

みんなの評価4.3

評価内訳

  • 星 5 (4件)
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14 件中 1 件~ 14 件を表示

紙の本さらばスペインの日日 下

2017/04/26 00:05

戦争のむなしさ、愚かしさを切実に訴えかける名作でした。

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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る

読み終えるのが勿体ない気もしましたが、何しろ一気読みでした。成程、戦争のむなしさを諜報活動という視点から描いたというか、戦争中であっても個人レベルでは人間は判りあえることを描きたかったのだなと感じました。読み終えて気付いたのだが、北都が上司・神山正興少将から受けた命令は「中立国スペインで、米英の大使館員や情報員と非公式に接触して、できるだけ早く和平交渉の糸口をつかめ」というものであったことから、彼は普通の諜報員ではなく和平の使者だったのである。戦争のむなしさ、愚かしさを切実に訴えかける名作でした。また、歴史的史実をしっかりと押さえ、重要な人物に関しては実名で登場させることで、劇的な臨場感を生み出している。

<下巻>
 オットーの尋問を始めたところに、突然日本人(実は中国人)だというヴァジニア誘拐犯の男が現れ、スパイ容疑で逮捕される寸前のヴァジニアを救出するための作戦であり、2人を無事にイギリスから脱出させれる用意があると持ち掛ける。不審を抱きつつも他に選択肢が無い2人は誘拐犯に従って脱出点に向かう。しかし、途中で不自然な点に気付いたヴァジニアは自ら警察に通報する。そこへ突然登場したのが、北都の宿敵であるスコットランド・ヤード特捜部警部補:ジョン・マクロイだった。時間的に見て、マクロイ警部補は事件の全体像を知っていたと推測される。と言うことで、北都・ヴァジニアと誘拐犯2人は逮捕されてロンドンに移送される。北都は簡単な取り調べの後、OSS(アメリカ戦略情報局)のエディ・シャピロ少佐に特定重要人物として引き取られ、日本に送還されることになる。ヨーロッパ各地からの引揚者と共に船で日本へ向かう。船には、A級戦犯(東機関統括者として。実在人物)として指名された須磨彌吉郎が同乗している。この辺の記述は、船名、航路、乗船者名など、かなり詳しく書かれており、当時の資料を可能な限り調べたとみられ流石と驚かされた。この間、ヴァジニアは、スコットランド・ヤード特捜部の取り調べに関しては不起訴となったことが伝えられるが、MI6の嫌疑に関する情報は途絶えたままである。日本に着いた北都はまるでエディ・シャピロ少佐に保護されるようにして高級宿舎(WAC=アメリカ陸軍婦人部隊の宿舎)に軟禁される。そこで先に帰国した尾形正義と再開すると同時に、軍籍を離れて外務省勤務となり更にイギリスの日本進駐軍の連絡担当として赴任したヴァジニアと感動の再会を果たすのであった。目出度し、目出度しでした。なお、キム・フィルビーの二重スパイ問題は本書では棚上げであり、カナリス提督に関してはイネス伯爵婦人経由で、スペインに脱出して妻・娘2人と幸せに暮らしているらしいとの情報が伝えられるが、事実を明らかにするとドイツに強制送還せざるを得なくなるため確認はしていないという形で締められている。
 ところで、曖昧に終わったキム・フィルビー(1912年1月1日~1988年5月11日)の二重スパイ問題であるが、彼は何と実在の人物であった。実際にソ連の二重スパイであり、1963年にソ連に亡命している。この辺りの事を、著者は「作者自身によるエピローグ」(下巻P-370~404)としてまとめており必読である。

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紙の本さらばスペインの日日 上

2017/04/26 00:03

読み終えるのが勿体ない気もしましたが、何しろ一気読みでした。

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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る

読み終えるのが勿体ない気もしましたが、何しろ一気読みでした。成程、戦争のむなしさを諜報活動という視点から描いたというか、戦争中であっても個人レベルでは人間は判りあえることを描きたかったのだなと感じました。読み終えて気付いたのだが、北都が上司・神山正興少将から受けた命令は「中立国スペインで、米英の大使館員や情報員と非公式に接触して、できるだけ早く和平交渉の糸口をつかめ」というものであったことから、彼は普通の諜報員ではなく和平の使者だったのである。戦争のむなしさ、愚かしさを切実に訴えかける名作でした。また、歴史的史実をしっかりと押さえ、重要な人物に関しては実名で登場させることで、劇的な臨場感を生み出している。

1945年5月、ドイツが無条件降伏し、残る日本も時間の問題。いよいよ、戦後処理に重点が移るが、イギリス情報部内のスパイは誰だったのか、北都とヴァジニアはどうなるのか、・・・・・・・・・・。日系アメリカ人:ナオミの登場が台風の目か。
 取り敢えずは平穏状態の中で日本が何時降伏するか、戦後の世界情勢はどうなるのかに焦点が移る中、尾形はアメリカ本土へ移送される。もう一つは、前作『暗殺者の森(上・下)[イベリアシリーズ6]』の(下P-307)で、北都にかかって来た“壁叩き通信”のみでカナリス提督が生きているのではと推測させるような無言電話の件が再度話題となる。やはり史実と異なる意外な結末を用意しているようだと期待。上P-140で日本降伏。ヴァジニアは北都が戦犯として訴追されることを憂慮し、スペインに潜伏するナチス関係者の動向を探る作戦に勧誘し実行に移す。1945年8月末、ヴァジニアにMI6への復帰命令が出され、ヴァジニアは二重スパイではと疑うキム・フィルビーとの対決を胸に秘めてロンドンに向かう。カナリス提督の件は、度あるごとに繰り返され、やはり何かとんでもない展開が予定されている予感。9月20日、ロンドンに帰着したヴァジニアは直ぐにジェーン・アーチャー(MI6第9課)と会い、キム・フィルビーに対する疑惑を更に強める。間もなくフィルビーから誘いがあり会食することになるが、2人だけで対決してはいけないという北都の警告を忘れ、遂ヴァジニアは追求するあまり持ち球を全て晒してしまう。(264~274)クラウス・ハルトマン(SD中尉)がヴァジニアへの面会を要請、その場で、カナリス提督がヒムラーにユダヤ人の血が流れていることを示す証拠を握っており、カナリス提督処刑に対してヒムラーが替玉処刑を命じたことを伝える。(286)先日、ジェーン・アーチャーの紹介で会ったヨハン・オットー=オスカー・ジャーゲンズというドイツの元反ナチス地下組織員から秘密裡に会いたいという誘いに乗って出向いた会合場所で、ヴァジニアは警察?に拘束されそのまま行方不明となってしまう。(348)会合予定を知らされていた同僚ジュリー・アトウッドは、速やかに行方不明になった経緯をジェーンと北都に連絡。北都は危険を冒して、ヴァジニア捜索の為ロンドンへと向かう。どうもこの事件、北都をおびき出す罠ではないだろうか。無事、ロンドンに着いた北都は、ヴァジニアが攫われたレストラン〈チェイニ〉の店主から犯人2人組が日本人らしい風貌だったことと、ヨハン・オットーの特徴を聞き出しオットー拉致に乗り出す。オットー拉致に成功したところで下巻へ。

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紙の本暗殺者の森 下

2017/04/25 23:52

主役2人に襲いかかる危機また危機にハラハラです。

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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る

下;P-70からまたイギリスのヴァジニア(MI6)に戻り、下;P-92から再びスペインのマドリーッドへ行くがあっさりとゲシュタポに拉致されてしまう。そこへ突然北都が登場してヴァジニアを救出するが、何故か北都はヴァジニアの無事を確認した直後に自ら進んでゲシュタポの車に飛び乗るようにして拉致されてしまう。北都としては、逮捕・監禁されたカナリス提督を何とか救出できないかとの思いからであった。上手く提督と同じ収容所に収監されはしたが、厳重な監視下の為辛うじて“壁叩き通信”で間接的に通信できただけで、結局カナリス提督は反逆罪で死刑になってしまう。この間、尾形はイネス・デ・ロマニジョス伯爵夫人らの助力を得て、北都救出策を模索。やっと北都がスペイン国籍を有する人間であることを利用してナチスから釈放命令書を取得し引き取りに向かうが、ほぼ同時に進撃してきたアメリカ軍によって収容所は解放される。北都はスペイン・マドリードへの帰還を果たしヴァジニアと再開するが、逆に尾形はアメリカ軍の捕虜になってしまう。と言うことで、次は遂に完結編である。
 ところで、史実上は処刑されたことになっているカナリス提督であるが、マドリードへ帰還した北都に無言電話がかかって来て、“壁叩き通信”でヴァジニアとカナリスしかしらない言い回しを使った(下P-307)ことから、北都らはカナリス提督が生きているのではと推測する。しかし、多分この真相は、カナリスが自分の命と引き換えに北都の命を助ける約束を取り付け、処刑直前に北都への遺言として隣室の男に後日伝えるように依頼したものと考えるべきであろう。完結編で種明かしされるのかな。

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紙の本暗殺者の森 上

2017/04/25 23:49

二重スパイ、三重スパイ捜しの開始です。

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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る

ドイツからスペイン経由で命からがら脱出したヴァジニア・クレイトン少尉(MI6第5課員)は、ロンドンに帰着して誰が自分を嵌めたのかを探り始める。様々な状況証拠から、キム・フィルスビー((MI6第5課イベリア班責任者)が怪しい人間として浮き出てくる。キム・フィルビーはソ連のスパイであり、英米がドイツと講和してソ連戦線に襲いかかるのを防ぐため、ドイツ国内の反ナチス勢力を牽制してヒトラー独裁による戦争継続を維持させる必要があるとの理由もしっくりとくる。ただ、これでは余りにも話は簡単すぎるし、仮にこれが正しいとしても、スパイ戦というのは様々な国の思惑が交差することで複数の戦略の合成物となってしまうものであり、これからも様々な不可思議な陰謀、危機が待ち構えているのでしょうね。(~P-165)
 P-166からは、1944年7月:マドリードに舞台を移して北都昭平(宝石商を装う日本陸軍情報将校)が登場してくるが、一般的情勢説明程度。
 P-194から、1944年7月20日に実際に起きた“ヒトラー爆殺未遂事件”→政権掌握の為の“ヴァルキューレ作戦”の顛末である。実行犯のクラウス・フォン・シュタウフェンベルク大佐や副官のヴェルナー・フォン・ヘフテン中尉などは実名であり、その他の登場人物や事実経過なども史実に即した記述は臨場感充分である。史実通り、暗殺も“ヴァルキューレ作戦”も失敗、クーデター支持者であったフロム中将は一転して口封じのために主謀者たちを簡易裁判で処刑し始めるが、ヒトラーの素早い対応でフロム中将は解任され、後任となったヒムラーは全貌解明の為に本格的な逮捕・尋問を開始する。これまである意味では世界情勢を的確に把握し、北都や尾形(聯盟通信ベルリン支局長)の強力な協力者であった、元国防軍情報部長官で“スパイマスター”の異名をとるヴィルヘルム・フランツ・カナリス大将・提督も逮捕されてしまう。また一人、ドイツの良識が失われてしまう。なお、ヴィルヘルム・フランツ・カナリス大将・提督(1887年1月1日~1945年4月9日)も実在の人物で、作品中ではこの事件には関与していないことになっているが、後日関与を証明する文書が見つかったということで処刑されている。

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紙の本遠ざかる祖国 上

2006/01/08 19:21

公安もののときほど逢坂の筆に鋭さがないのはなんでしょうねえ?もとから女性を描くのを苦手とする作家が政治に女性を絡めると・・・

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

《1941年、日本が真珠湾の準備をし、ドイツが戦線を拡大しているスペイン。日系の宝石商 北都昭平はスペイン国籍を取得するために結婚した妻を、イギリス情報機関の謀略で喪った》
大分前にことですが、TVで逢坂剛を見ました。その時は、書斎で拳銃を嬉しそうに扱っていたのが印象的でした。ガンベルトをつけて、早撃ちまで見せていたのです。どちらかと言うと『百舌の叫ぶ夜』のハードなイメージを勝手に抱いていたのですが、どうしてどうして、御茶ノ水署シリーズの刑事みたいな人で意外の感。しかし書棚には外国語の辞書が溢れていました。あれが、スペインものになっていくのか、そう思いながら逢坂の笑顔を見て落差に途惑ったものです。
海軍人事章に勤める大垣幸太郎が、妹のたま子に洩らした真珠湾攻撃の一言。それが在日ペルー大使館に勤める恋人の本間に伝わったことから、アメリカ軍が動き出します。また、友人の結婚でワシントンD・Cを訪れていた聯盟通信の尾形正義の前に古美術商のポレフと名乗る男が現れます。彼は尾形すら知らないドイツのソビエト侵攻や、松岡洋右の日ソ不可侵条約の可能性をほのめかすのです。
一方、スペインでは日系ペルー人の宝石商 北都昭平の前に、新任の須磨彌吉郎公使が現れ、祖国のために働くことを要請します。昭平はスペイン国籍を取得するために結婚したばかりの新妻ペネロペを、一年前のフランスで亡くしたばかりでした。
そこにはフランコ独裁に反対する反体制組織と、英国情報部との非情な謀略があったのです。暗雲立ち込めるヨーロッパで繰り広げられる、日独英の諜報戦。ヘスのロンドン逃亡やチャーチルとルーズベルトとの会談など、有名な話がたくさん出てきますが、安直な感じはありません。
読んでいて、国とはそうまでして守るべきものなのか、そんなものなど捨てて逃げ出してしまえ、と言いたくなるのは私だけでしょうか。時間がさりげなく跳ぶところが多いのですが、さほど気にはなりません。ただし、安直な国防論議が盛んな今、読むには心すべきではないか、そう思うのは私だけでしょうか。それにしても、日米関係を現在と過去はともかく、未来永劫最重要と言い切る某国の総理大臣のノーテンキぶりには、噴飯を通り越して、寒気がしてきます。安易な外交、危険、きけん、キケンです。

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紙の本さらばスペインの日日 下

2016/12/31 08:10

<イベリア・シリーズ>、グランドフィナーレ

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投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る

<イベリア・シリーズ>もついに最終章まで辿りつきました。
思えば、これを入手してから約三ヶ月。 一気に駆け抜けた全7作でございました。
今年中に読み終われてひと安心。
はじめは「最終巻にふさわしく、分厚いな」とニヤリとしていましたが、結構これまでの振り返りが多く(そりゃ普通は一年後とかに続きを読むわけなのでそこは親切なのだろうけれど、シリーズ一気読みした身としては「重複多い」と感じてしまうのはいたしかたないことか)。

ナチス・ドイツは降伏したが、日本はまだ負けを認めていなかった。 しかし無条件降伏を突き付けられた挙句の原爆投下についに降伏、第二次世界大戦は終わりを迎える。
戦争は終わったが、結局何の役にも立てなかったと北都昭平は忸怩たる思いになるが、それは英国情報部員のヴァジニアとて同じこと。 戦後処理で北都は戦犯扱いになるかも知れず、ヴァジニアは情報部にいる二重スパイの存在を白日の下に晒さなければ気がおさまらない。 そんな二人を罠にかける陰謀が密かに進行していて・・・とそれなりに活劇場面はあるのですが、全体としての緊張感は薄い。
やはり戦争が終わってしまったからか。

そして敗戦国の人間である北都に戦勝国側のみんなが優しいと感じてしまい、なんだかご都合主義の香りが・・・。
いちばんリアリティがあるのは敗戦国の人間を国へ戻す引き上げ船での描写。
もしかしたらここが最も作者が書きたいところだったのかも。
北都が日本に戻ってからの物語性もいまひとつ・・・日本で戦っていた人々(というか、ある意味焼け出された人々)を目にして実際の祖国の悲惨な状況を初めて知ってショックを受けた、というところがポイントなのかも。 スペインでの日々は恵まれていた、と感じるところ(ベルリンにいた尾形記者も同じように感じているので、ほんとに日本はひもじかったんだろうな、と)。

まぁ、ハッピーエンドは読者サービスだとしても、一作目『イベリアの雷鳴』の面白さとは質が違うものになっちゃったな、と残念な気持ちになったが、作者による覚え書きを読んで一気に気持ちが変わった。
そこには、作中に出てきた実在の人物についてと、その人々を知る方々へ取材したことについて書かれており・・・本編より熱量あり。
でもその熱を感じられるのは、やはりこのシリーズを読み切ったからこそ。
素晴らしいボーナストラックをありがとう!、なのでした。

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紙の本暗殺者の森 上

2016/12/28 05:54

<イベリア・シリーズ>もついに、第6弾。

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投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る

<イベリア・シリーズ>もついに第6弾。 残すはこれとラスト一作になりました。
となると読むのがペースダウン。 上巻は比較的早かったんだけど、下巻になかなか手をつけない、心の中で「読み終わりたくない願望」が抵抗をはじめたようです。
とはいえ、作中でも時間は過ぎていき、ドイツの敗戦はもうすぐそこまでとなっているので、これまでの緊迫感が若干薄れてきた、ということなのかもしれません。
しかし、これまたタイトルと内容がリンクするようなしないような・・・。

上巻はほぼ、ドイツ軍内部による最大のヒトラー暗殺作戦の顛末(トム・クルーズ主演の『ワルキューレ』で描かれていた内容と結構かぶる)で、レギュラーメンバーほとんど出てこないにもかかわらず、それが気にならないのは、もうこのシリーズが<歴史の流れとそれに翻弄される個人>を描いているものだという認識がこちら側にあるからでしょう。

ヒトラー暗殺に文字通り命をかけた人々を上巻分かけてじっくり描いたにもかかわらず、その後の顛末となるヒトラーの自殺に関しては伝聞の数行で終わり、というあっさりさ加減もまたこのシリーズらしい。

6作目『暗殺者の森』がシリーズ中いちばんページ数少なかったような気がする(5作目『鎖された海峡』同様、一冊にしてよかったと思う)、こんなんで次、最終巻で大丈夫なのかしらと思ったら『さらば、スペインの日日』はこれの倍くらいの厚さでした(持ったときの印象)。

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紙の本暗殺者の森 下

2016/12/28 05:50

<イベリア・シリーズ>第6弾、終章への序曲。

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投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る

<イベリア・シリーズ>もついに第6弾。 残すはこれとラスト一作になりました。
となると読むのがペースダウン。 上巻は比較的早かったんだけど、下巻になかなか手をつけない、心の中で「読み終わりたくない願望」が抵抗をはじめたようです。

とはいえ、作中でも時間は過ぎていき、ドイツの敗戦はもうすぐそこまでとなっているので、これまでの緊迫感が若干薄れてきた、ということなのかもしれません。

上巻はほぼ、ドイツ軍内部による最大のヒトラー暗殺作戦の顛末(トム・クルーズ主演の『ワルキューレ』で描かれていた内容と結構かぶる)で、レギュラーメンバーほとんど出てこないんだけどそれが気にならないのは、もうこのシリーズが<歴史の流れとそれに翻弄される個人>を描いているものだという認識がこちら側にあるからでしょう。

下巻ではまたも出会っては引き裂かれる北都とヴァジニアが描かれておりますが、今更ですがベルリンに派遣されている日本のジャーナリスト・尾形正義(一作目から登場)が実はいちばんおいしいキャラクターなのでは、ということに気づかされ。
決して主役ではないけど、彼ほど様々な場面に立ち会い、物事を知る立場にいる人は他にいないのではないか。 ちょっと便利に使われている感もあるけれど、狂言回し的立場でもあり、客観的にすべてを見ている読者に近い位置にある登場人物でもある。 だから彼はきっと生き残るだろうな、と思います。

ヒトラー暗殺に文字通り命をかけた人々を上巻分かけてじっくり描いたにもかかわらず、ヒトラーの自殺に関しては伝聞の数行で終わり、というあっさりさ加減もまたこのシリーズらしい。

この『暗殺者の森』がシリーズ中いちばんページ数少なかったような気がするんだけど(いっそのこと一冊でよかったと思う)、こんなんで次、最終巻で大丈夫なのかしらと思ったら『さらば、スペインの日日』はこれの倍くらいの厚さでした(持ったときの印象)。

グランドフィナーレ、最後まで楽しませてもらいます。

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紙の本鎖された海峡

2016/11/23 18:06

<イベリア・シリーズ>、第5弾。 タイトルは様々な隠喩。

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投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る

<イベリア・シリーズ>も第5弾でございます。
一作目『イベリアの雷鳴』以来の一冊刊行(これまでは上下巻)。
トータルのページ数、30ページ前後しか違わないんだからなんで上下に分ける必要があるんだろう? 講談社文庫は『白夜行』を一冊で出しているのだから(あれ1000ページ近かったよ!)、技術面で問題はないはず。 やはり通勤等での持ち歩き読者を想定しているのであろうか。 でも途中で読み終わったら困るから2冊携行するときもあるわけで、それが不便と思ってしまう私です。

ドイツの敗色がより濃厚になってきたものの、戦争はまだまだ続いている。 そして連合軍総攻撃の“Dデイ”上陸地点をめぐり、熾烈を極める情報戦が水面下で行われていることを活写。 ヴァジニアは北都とのことでマドリードからロンドンに呼び戻されてしまうのだが、ベルリンに潜入せよという危険な命令を下されてしまう・・・という話。
今回は北都の出番はほとんどないといってよく、ヴァジニア側の視点中心。 隠れ主役はカナリス提督。

あ、グレアム・グリーン出てきた!、と読んでてちょっと興奮。
それで、「あ、『ケンブリッジ・シックス』にでてきた<ケンブリッジ・ファイブ>の人じゃないか!」と気がついた(思い出した)・・・。 遅い、遅すぎる。 それでもこうやって繋がっていくヨロコビはあります。
そうなるとイギリス側のトマス・ハリスって、あの『羊たちの沈黙』の作者のトマス・ハリスじゃないよね?、という不安が生まれてきちゃうわけですが(さすがに年齢的にどうかと)、あえて調べません!

そしてこのシリーズで初めて、この巻のラストでうるっと落涙してしまいました・・・。
やっぱりこの作品のヒロインは彼女だったんだよ、ということを実感。

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紙の本燃える蜃気楼 上

2016/11/13 05:43

<イベリア・シリーズ>、第3弾。 今回の表紙は一際よい感じで。

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投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る

<イベリア・シリーズ>もさくさくと第3弾。
舞台は外国で登場人物のほとんどが外国人だというのに、翻訳ものに比べて格段に読みやすいのは何故なのか。 そこがやはり母国語ってことなんですかねぇ。 まぁセンテンスが比較的短めで、トリック云々とかではなく運命に翻弄される個人という大河ドラマという性格上の違いもあるかもしれません(日本人作家の作品でも、読みやすさよりロジック重視ならば時間がかかるかも)。 なので相変わらず一気読み必至。

物語は日米開戦後の展開へ。
チャーチルの思惑通り日米が開戦、となると北都とヴァジニアの関係もより複雑に。
北都の「自分はペルー国籍で(かつて家族ごとペルーに移民したから)、今ではスペイン国籍も持っている」という言葉に対し、ほぼ誰もが「とはいえお前に流れている血は100%日本人だろ」と答える。 そんなこと言われちゃったら、<国籍>って何?、と考えてしまう。
勿論、現代とは時代も違うし事情も違うのはわかるのだが・・・アイデンティティーをどこに持つのか、それは心の中の問題で何にも証明できないってことなんだなぁ、と。 となれば強権的な一派が権力をもてば、証明できないことをいいことにやりたい放題になってしまうではないか。 ・・・人間って、おそろしい。

今回、新しい登場人物として「アメリカ国籍を持つ日系女性」杉原ナオミ、一作目に出てきたペネロペと瓜二つの女性(しかし本人はペネロペなど知らない、という)が加わった。
他にもゲシュタポの手先である双子の兄弟など、雑魚キャラなのか今後も重要な役割を果たすのかよくわからない人物もいろいろ。 そこが大河ドラマの面白さ。
あと、どこまでが架空の人物でどこまでが実在の人物かというのが微妙によくわからないので(それは私がが近・現代史に疎いからです)、「はっ、キム・フィルビーってグレアム・グリーンの上司だったとかいうあの?!」と今頃気づいたり。 ということはあの人もあの人も実在の人物かも・・・(でも調べてその人の人生の先がわかっちゃったら面白くないので、あえて調べない)。
ほんとにこのシリーズ読んだら、第二次世界大戦全体を俯瞰できちゃうかも!

最近つくづくと、子供の頃から娯楽として<読書>を楽しんできただけのつもりが、いろいろ読んでいくと最低限の歴史や教養がないと深いところまで楽しめない、ということに気づかされる(勿論、そういうことを意識していなくても様々読んできたおかげで身についた知識も多いのですが)。
うむ、知ることに終わりはない。

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紙の本暗い国境線 上

2016/11/11 03:21

<イベリア・シリーズ>、第4弾! 中間地点

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投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る

<イベリア・シリーズ>第4弾、早くも折り返し地点にやってきました(全7作だから)。
北アフリカ上陸作戦やカティンの森事件など次々出てくる出来事に対して、「あぁ、これをもっと早く読んでいたら」という気持ちにならないわけではありませんが(つくづく現代史に弱い自分)、映画『カティンの森』を観ていたからこそ「結局あの事件はドイツ、ソ連どちらの仕業なのか」で右往左往する連合国側(主にイギリス)のハラハラ感を突き放して見ることができるんだけど、真実よりも「ソ連であっては困る(対ドイツで連合国と同じ側にいるソ連がそんなことをしでかしたとあってはポーランドが黙っていない、連合国側が一枚岩でないことを見せられない)」というほうが重要である・・・というのが哀しいというか腹立たしい。 ナチス・ドイツに蹂躙され、その後もソ連の事実上支配下にあったポーランドという国の悲劇は、イギリスにとっては瑣末なことなんだな、ということがね。

こいつらどうなんだ?、と思っていたゲシュタポの双子がやはり“手強い敵”として再登場したり、カナリス提督の配下ブランデンブルク師団のメンバーが活躍したりとサブキャラクターが輝くのがやはりシリーズ物の面白さ。 なにしろ主人公がスパイだから、一般人のように見えた人が実は・・・なんてことはしょっちゅう起こるし、また“顔”を使い分けて生きることがある程度当たり前の時代だったのだろうな・・・と感じてしまうと、やはり平和がいちばんです(しかし現代においては戦争で、というよりもテロ作戦のため仮面をつけて生きている人が多そう)。

物語も佳境に入り、ドイツの敗色が濃厚になってきている(つまりは日本もまた)。
これからノルマンディー上陸作戦やら、日本への原爆投下までも描かれるのだろうか。
歴史の答えはわかっていても、個人の人生はわからない。
最後までこの勢いで突き進みます!

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紙の本遠ざかる祖国 下

2016/10/30 07:27

<イベリア・シリーズ>、完結したのにこれだけ書籍が手に入らないのは何故?

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『さらばスペインの日日』の文庫版の発売によりこのシリーズの存在を知りました。
最終巻は第7弾ということなので、ほうぼう探しまわって文庫本を揃えていますが、この『遠ざかる祖国』だけが見つからない。 一作目『イベリアの雷鳴』も最初は見つけられなかったのですが増刷がかかったようです。
「完結したのだから読もう」という人は他にもいるはず。
どうせならシリーズをすべて増刷してほしいです。
でも電子書籍では全部揃っているんですよね(しかも定価で)・・・文庫派にいやがらせ?

内容とは関係ないことですが、そもそも売ってなければ読めないのですから、出版社にはそのあたりのことも考えていただきたいです。

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紙の本遠ざかる祖国 上

2016/10/30 07:16

<イベリア・シリーズ>、第二弾!

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前作『イベリアの雷鳴』は一気読みでした。
なのですぐにこちらに入りましたが・・・プロローグから「あれ?」という印象に。 前作『イベリアの雷鳴』の緊迫感から程遠い、どこか牧歌的な雰囲気漂う“その場限り感満載の登場人物”によって日本の真珠湾攻撃の予兆が語られる。 この寓話感は、その当時の日本人にとって英米との戦争そのものがそれほどリアルなものではなかった、ということなのか。

とはいえ、物語の主な舞台は相変わらずスペインのマドリードではあります。
基本的に前作からの続きで、時間軸の変動はない。 だいたい、一作あたり約一年を描く、という感じでしょうか。 日系ペルー人の北都昭平とイギリス情報部員ヴァジニア・クレイトンの二人を軸に、非交戦国スペインでうごめく枢軸国側と連合国側の思惑を<情報戦>という切り口で見せていく話・・・なのですが、太平洋戦争における一大トピック“真珠湾攻撃”がさらっと流されてしまっている点で少々肩すかし。 でもそれは、当時外国にいた日本に関係する人々にとって共通した感覚なのかもしれない(伝聞で耳にするしかないし、日本国内にいるように周囲の人々の熱狂にまぎれられるわけでもないし)。 情報の重要さ(正確かつ迅速)を実感します。

作者による独特のカタカナ表記が気になるけど(ゲッペルスのことをゲベルスと書くなど。 ヴァジニアだってヴァージニアのほうが馴染みがある気がするけど)、現地発音にはそれが近いのかも。 あとスペインの料理にも詳しくなれますね。

それにしても、ペネロペが退場してから一気に恋愛小説モードが強化されるのにはちょっと納得がいかん! まぁ、障害のある恋が盛り上がるのは仕方がないですが・・・。

日英がはっきり敵同士にならないように、とそれぞれに奔走する二人だけれど、真珠湾攻撃が行われてしまったことがわかったところで幕が下りる本作。
歴史的事実を知っているのになんだかドキドキしてしまうのは何故でしょう。
でも前作より盛り上がりに欠ける。 それは大河ドラマの<ため>の部分ということで、次巻以降の伏線だと期待しています。

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紙の本イベリアの雷鳴

2016/10/08 08:14

<イベリア・シリーズ>の記念すべき出発点

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投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る

『さらば、スペインの日々』が文庫化されたのを見て、存在を知った<イベリア・シリーズ>。 逢坂剛のスペインものは懐かしの『カディスの赤い星』以来結構好きなので、さかのぼって一作目から読んでいくことに。

一気読みでした。
関東大震災一年後のある出会いを描くプロローグでは「だ、大丈夫? ちょっとご都合主義じゃない?」というエピソードがあって別の意味でハラハラしますが、その後舞台は一気に1939年9月のベルリンに飛び、否応なく第二次世界大戦終幕近く(とはいえ作中人物たちはそのことは誰も知らないけれど)のヨーロッパ、特にスペインに読者は放り込まれるのであります。
<ダンケルク撤退>に言及されればコニー・ウィリス『ブラックアウト』を思い出すし、あぁ、こうして歴史のそれぞれの国の立場からの見方が繋がっていくのだわ、と今更ながら納得。
一応、メインキャラクターは日本に生まれて育ちながら、両親に連れられてペルー移民となり、現在ペルー国籍の宝石商・北都昭平と、英国情報部所属のヴァジニア・クレイトンなのであろうが(『さらば、スペインの日々』のあらすじに二人の名前があったから)、出てくる人物がそれぞれに魅力的というか、ただの小説の手駒ではない生命力を感じさせる。 やはりそこはスペインという土地柄なのだろうか。
そんな中、スペイン人なのにまるで日本人のような控えめな奥ゆかしさと、いざ覚悟を決めたら一直線の度胸を持つ若き女性ペネロペの存在が清涼剤のよう(とはいえ彼女も歴史のうねりとは無関係ではいられないのが哀しいのだが)。

フランコ政権問題、何故「枢軸国と呼ばれるのか」など、自分のうろ覚え感がかなり補完されそうです(でも情報戦を生き抜こうという人たちばかりなので、彼らの未来予測はたいてい正しい。 なのに決まった未来-歴史通りに物語は進むようなので・・・世界にはどれだけ愚かな人々が多いか、と気分が重苦しくなります)。

とはいえ、またシリーズの幕開け。 今回顔見世程度の登場の方も、今後新キャラも登場するでしょう。 シリーズ一気読みの期待に胸が高鳴るぜ!
しかし二作目『遠ざかる祖国』が見つけられない・・・最終巻が出たのなら、合わせてシリーズ全部重版してほしい!(本書も手に入れるのに少し苦労しました)。

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