スクール・デモクラシー! みんなのレビュー
- 吉村夜 (著), 鍋島テツヒロ
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2015/09/17 15:24
使命と感情のせめぎ合い
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
スクール・デモクラシーという、生徒たちが選挙で校則を決めることが出来るという学園へと転校した高天原奈々は、ブサイクロン非モテこと郷田竜也とカオス・生徒会の理想に共鳴し、マッハーゲ音速という真名をもらって、生徒たちを支配しようという真・生徒会会長の久遠寺光と対立することになった。
しかし、カオス・生徒会を率いるサンタクルース悪魔こと来栖明やイヴィルアイ姑こと福山京子に心酔しているわけでもない。ただ、彼女を助けてくれた郷田と一緒にいたいという思いが強いのだ。
ゴールデンウィークを目前にして、スクール・デモクラシーを目の敵にする教師派閥から、真・生徒会に対して議案の押しつけがなされた。後ろ盾に真っ向から逆らうわけにはいかない久遠寺光は、それを受け入れつつ、裏では何かを企んでいる。
一方、真・生徒会の復権を防ぎたいカオス・生徒会は、真・生徒会の議案を潰しつつ、自分たちの議案を通そうとしていた。その過程で、これまではもてないことで生徒たちの人気を集めていたブサイクロンと、高天原奈々の仲の良さが弊害として議題に挙げられることとなる。
生徒間の勢力争い、それを利用して教師の意向を通そうとする思惑、高校生としての恋愛。様々な要素を絡ませつつ、青臭い理想論を振りかざす高天原奈々が、現実に直面する物語だ。
2015/09/11 14:40
権力闘争の中に差し込まれる清冽さ
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
束縛される校則の剣尖学園で精神的に追い詰められたお嬢さまの高天原奈々は、生徒たちの自主性を重んじる校風の光友学園へ転入した。そこで出会ったのは、身長210センチメートルの巨人、ブサイクロン非モテこと郷田竜也だった。
初登校の時に親切にされたおかげで彼に興味を持った奈々は、ブサイクロンがカオス・生徒会という組織のメンバーであり、現在、雑誌持ち込み自由化法案を提出しているということを知る。それは素晴らしいと思った奈々だったが、真・生徒会の会長・久遠寺光に、もし隣の男子がHな雑誌を持ち込み、その妄想で視姦されたらどうするのかと諭され、真・生徒会に誘われる。だがそれは、彼女が巨大グループを率いる男の娘であり、大衆への影響力があると踏んだ上での打算だった。
そうして知らず知らずのうちに、自由を抑圧する体制側に組み込まれてしまい煩悶する奈々は、ブサイクロンに相談を持ちかけ、カオス・生徒会に入れてもらおうとする。しかし、会長のサンタクルース悪魔こと来栖明が、体勢の理不尽に対抗するためとはいえ、ニューヨークひとっぷろこと女川真を使って有望な女子生徒を性奴隷化している現状も知っているため、どちらの生徒会からも距離をとる様に薦める。だが、それで引き下がる奈々ではなかった。そんな彼女の前に、女川真が現れる。
社会は不条理に満ちており、それには綺麗事だけでは対抗しきれないという現実を踏まえて、それでも正論で自由を獲得しようと戦うヒーローを、非モテとして登場させている。見た目から来る非モテというのも、生まれながらにして与えられる不条理だからだろう。
そしてヒロインとして登場するのは、世界有数の資産家のお嬢さまでありながら、ごくごく平凡な感性を持った小さな女の子。それでもその内面には、自由を渇望する精神を抱えている。世間知らずなので散々失敗をしながら、それでも頑固なので他人のアドバイスを聞くこともなく、一直線に進む様が描かれている。
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