夜のちょうちょと同居計画! みんなのレビュー
- 著者:菱田 愛日, イラスト:さんた 茉莉
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
2 件中 1 件~ 2 件を表示 |
2012/01/24 13:36
頼りたい時もある、頼って欲しい時もある
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
大人っぽい畑薙彩香、ニコニコだけどちょっと黒い二風谷真琴、美人だけどプライドが高い宮ヶ瀬瑠花という3人の同級生をキャストとするキャバクラの担当ボーイに黒部奈斗は割り当てられてしまった。ここは学生が社会をロールプレイする自立都市。その割当を拒否すれば生きてはいけない。
初めてのキャバ嬢という職業をそつなくこなす真琴に対し、プライドが高い瑠花は、自分が至らないと言うことを自覚しつつも、妙に真琴に張り合ってしまい、大人な彩香はそれを分かっている風に見てフォローする。そんな3人の女の子中に男一人で叩き込まれて、奈斗は右往左往する毎日だ。そんな日々を何とか乗り切れているのは教育係の洋司先輩や美咲子先輩のおかげも大きい。
しかしようやくキャバクラの仕事にも慣れてきて、何とか前を向いて進めそうになった頃、グループ内での新人対抗戦が開催されることになる。その本命は、渋谷店のボーイ、相木陸玖が擁するギャル系キャバ嬢たち。しかも相木は、明らかに自分に比べてボーイに向いているように奈斗には思える。
予選を真琴の独走に頼る作戦で突破し、本選をみんなで戦うことになったのだが、渋谷のキャバ嬢の一言から、せっかくみんなで行った遊園地で生まれた結束みたいなものが、ガラガラと崩れ落ちていってしまう。
1巻は宮ヶ瀬瑠花がキャバ嬢という職業に向き合い前を向いていくと共に、彼女にそうすることで奈斗自身がボーイの仕事の価値に気づいていくお話だったわけだが、今回は、誰よりもトップに近く慣れていると思っていた二風谷真琴の弱さが表に出てきてしまうお話。
どんなに仕事ができるように見えても、やっぱり同じ15歳。しかも仕事ができると言うことは、どこかでそういう経験を積んで来た可能性が高いわけで、それでも自立都市にいるということは、そこで何かがあったということでもある。
しかし、ようやく精神年齢の低い瑠花の相手が出来るようになったばかりの奈斗では、完璧スマイルを崩さない真琴の本心を知り、そしてその支えになるような役割を演じるということは難しい。
だが、若いということは、可能性にあふれていると言うことでもある。昨日できなかったことが、今日もできないとは限らない。今日できなかったことが、明日も無理ということはない。そしてそれを成し遂げるには、自分の足りないことを知り、どうしようかを必死に考え、最後まであきらめない事が重要なのだ。これはそんなお話。
2011/08/23 14:36
いまをときめくキャバ嬢になれ!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
大規模な金融危機の影響で世界トップクラスの経済大国の地位から滑り落ちてしまった日本は、再起を図る新たな経済モデルを模索するため、大規模な社会実験を行っていた。それが自立都市。
外部との一切の流通を遮断し、内部で全ての生産・流通・消費を行い、その過程を分析する実験。その担い手は、15歳~22歳までの学生たち。毎年、1万人ずつ入れ替わりが行われる都市では、大学までの学業を保証する代わりに、学生たちは一人一つの職業に従事しなければならない。
黒部奈斗が割り当てられたのは、キャバクラのボーイ。クラスメイトで高飛車お嬢様の宮ヶ瀬瑠花はキャバ嬢として、同じ店に勤務することになった。しかも、同期のキャバ嬢、二風谷真琴と畑薙彩香と共に、チームを組まされた4人は、同じ家で共同生活を申しつけられるのだった。
ところがこのチームを取りまとめるのは、なかなか大変。瑠花はわがままでサービス業の対極に位置する性格だし、そのわがままさを嫌う真琴とは一触即発の状態。彩香はそれを少し離れた所から見つつ、適度にフォローを入れてくれるのだけれど、やはり彼女にも何かありそう。それを何とか管理するのが、新人ボーイの奈斗の仕事なのです。
設定の割には現時点で都市部の生活しか見えないので、設定の甘さを感じなくもないのだけれど、それを置けば、サービス業中のサービス業であるキャバクラを舞台にしているのは面白い。まあ、あえて学生をキャバ嬢にした理由はいまいち分からないけれど、電撃文庫で書く上には必須なのでしょう。
こういった方向性の作品には「都立水商」という先達がいるので、それとはあまりかぶらない方向で物語が進むと良いなあ、と個人的には思う。
2 件中 1 件~ 2 件を表示 |