日本人の心を奮い立たせるサムライの言葉 みんなのレビュー

「武士道」「葉隠」をベースにサムライとしての生き方・考え方を解説しています。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者：龍.　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

「武士道」「葉隠」をベースにサムライとしての生き方・考え方を解説しています。

そもそも武士道といっても、体系的なものはあまりなく、新渡戸稲造が書いたものや、史実に基づいた行動から、推察していくほかありません。また、それは時代によって価値観などがやや異なる部分もあり、体系的にまとめるのは困難です。

本書は、あえて体系だてて武士道を定義するのではなく、根本的な考え方を示すとともに現代の価値観にフィットした解釈で解説していきます。

著者は、空手家であり竜の子プロダクション前代表取締役の成嶋氏。

空手を通して実体験から感じる武士道の精神への理解を、企業経営者としての実社会での身の処し方を合わせて考えられる「武士道」は、単なる昔の日本人の価値観ではありません。

以下、気になったところ。
「型はあくまで基本。組み手の中で自分の得意な技を見つけていくのです。しかし、型をおろそかなすると組手が荒れてきます。」
この言葉から、著者は古典の名著と呼ばれる本を熟読を勧めています。ハウツー本と呼ばれる、容易に理解できるいわゆるノウハウを紹介した本が巷に溢れています。一見、手軽で良いように思えるかもしれません。しかし、手軽な知識は自分の身にはなっておらず、表面的なものでしかないということです。

空手で何回も同じ型の練習をすることで、組手のときに応用が利くように、自分の芯となるぶれない考え方をもつことで、どのような困難な場面でも対応できるということでしょう。

武士道は、現代日本に必要な考え方だと納得させられる一冊。

龍.