賢者の贈り物 みんなのレビュー
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紙の本賢者の贈り物
2011/07/27 11:25
寓話や童話をモチーフというか、オマージュした日常のミステリ短編集。面白い試みだとは思うのだけれど、もう一工夫ほしいかも。
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
表題作の『賢者の贈り物』をはじめ、寓話や童話をオマージュした日常の謎短編集。石持作品としては異色らしい(石持作品をあまり読んだことがないので、本書が異色かどうかわたしには判断はつかない)。ちなみに、石持作品=異端といわれている、と聞く。
寓話や童話をオマージュした作品というのは少なくはないけれど、本書の試みはとても興味深い。すこし視点が違うのかな。斬新な切り口だと思う。
ただ、理屈をこねくり回す箇所が多くて、とってもげんなりしてしまった(笑)。
石持作品は数冊しか読んだことがないけれど、これまで読んだ中では文章が格段にキレイだった(洗練されている、無駄がない)。随分お上手になったものだと感心する。しかし、理屈が多すぎる。
本書は連作短編集というわけでもないのだけれど、どの短編にも決まって「磯風さん」という女性が脇役で登場する。この磯風さん、いいキャラなのだけれど謎が多い。ある時は母であり、ある時は若い社会人であり…時系列もバラバラだし、同一人物なのかそれとも祖母母娘といった具合に世代が違うのか、よこのところがよくわからない(意図的に曖昧にしているのだろう)。が、とても気になるキャラであることに違いはない。
でも、魅力的かというと、なんとも言えない。これまで読んだ石持作品にも、女性の登場人物は多多登場するけれど、その誰もがあまり魅力的に(わたしには)映らない。ずっと不思議だったのだけれど、本書の解説でその謎が解けた。
著者は男性だそうだ。世間一般的には知られているのかもしれないが、わたしは解説を読んで初めて知った。
それを聞いて、あぁ、なるほどね(苦笑)、と納得してしまった。だって、石持作品のどの女性キャラクタも、女性が描きそうな人物像ではないんだもの。女性にとっての魅力的、と男性にとっての魅力的が大きく異なる、ということなのかもしれないけれど。
『賢者の贈り物』収録作品
・金の携帯 銀の携帯
・ガラスの靴
・最も大きな掌
・可食性手紙
・賢者の贈り物
・玉手箱
・泡となって消える前に
・経文を書く
・最後のひと目盛り
・木に登る
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