真田幸村 みんなのレビュー
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2007/10/01 23:10
家康が怖れた男、幸村
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:MtVictory - この投稿者のレビュー一覧を見る
真田といえば”真田十勇士”。子供のころNKHの人形劇を楽しみに見ていた覚えがあるが、今ではほとんど筋書きは記憶にない。この連続TV劇はおそらく講談本と呼ばれるものに近いものだったはず。
その主人公が幸村という名であったかどうかも定かではないが(きっとそのはずだ)、なぜか猿飛佐助や霧隠才蔵、三好清海入道という名前のほうが記憶に残っている。私を含め多くの子供たちをわくわくさせてくれた。
さて、この本はタイトルにもあるように真田幸村の一生を描いた小説である。内容は先の人形劇的な展開ではなく、より史実に近く、登場人物たちも超人ヒーローではなく、より人間的な姿に描かれている。幸村が主人公の小説だから多分にヒーロー的な描き方はされてはいるが。
関ヶ原合戦では幸村は直接の働きはないが、地元・信州上田で秀忠部隊を足止めし、彼らの関ヶ原への遅参につなげた。結局、秀忠部隊なしでも家康は勝利を得たため、敵対した幸村・昌幸(父)親子は高野山へ流されることになった。兄・信幸は徳川方についたため、真田家は安泰ではあったが。
浪人生活の後の、大阪冬の陣、夏の陣での活躍は既に、司馬遼太郎の”城塞”で読んでいたから、そちらとほぼ同じ内容で新たな発見はなかったが、幸村という男の生き様が格好よく描かれていた。
しっかり、猿飛佐助や霧隠才蔵、三好清海入道、海野六郎、穴山小助、由利鎌之助、筧十蔵という面々が登場する辺りはなんとも、うれしくはある。
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