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電子書籍

円の足枷 みんなのレビュー

  • 安達誠司 (著)
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みんなのレビュー1件

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経済とはこのようにして研究し、分析するものであることを教えてくれる良書

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:JOEL - この投稿者のレビュー一覧を見る

 政策決定の権限を握る政府の人間は別にして、エコノミストほど、その言動で人々の注意を引きつけながら、同時に半信半疑のまなざしを向けられる存在はいないだろう。特に、将来予測の部分においては。
 投資家は、これから先の経済がどうなるのか、株価はどうなるのかと気にかける。その時、頼りにする存在がエコノミストである。しかし、しばしばあてがはずれて損失を被ったりするため、疑り深くなるのである。
 経済は生き物であり、一定の法則には従っているものの、想定したとおりには進まない。これが経済のむずかしさであり、面白さでもある。どのくらい正確に経済を読み解き、世の人々に示すことができるか、ここがエコノミストの腕の見せ所である。

 著者は2005年に『デフレは終わるのか』を著し、その説得力ある理論展開で好評を博した。本書は、デフレをめぐる状況を概観しつつ、「円の足枷」にはまった金融当局の姿をいくつもの統計データとともに示してみせる。
 著者による過去の複数のデフレを巡る分析は、極めて鋭く、次々に繰り出される統計データの前には、なるほどと頷いてしまう。その意味では、『デフレは終わるのか』と肩を並べるくらい、すぐれた書であると言っていいだろう。
 統計データもなしに、表面化した現象を取り上げて、コラムニスト的に、もっともらしいことを言ってしのぐタイプのエコノミストではない。本物のエコノミストである。統計データも、自分で解析して、グラフ作成をしているのだから、相当な労力を本書に注いだことだろう。

 本書が書き上げられた2007年初頭までの経済分析としては、おそらく右に出る書は少ないと思われる。そのくらいすぐれていると感じさせる。著者は丹念に仮説を立て、統計に当たり、それを裏付けるデータを示してみせる。
 書名の『円の足枷』とは、円高が国力を裏付けるというイデオロギーにとらわれた金融当局の姿勢を指している。著者自身は、どうやら金融当局との強いパイプはないらしく、直接取材して裏付けをとるのではなく、統計データから推定してみせる。そして、これだけのデータを示せれば十分と思われる。「円安とターゲットインフレ」を政策として掲げられないことが、日本の長期にわたるデフレをもたらしたというのが著者の分析の中心である。

 世界的に経済の一体化が進んでいるが、その複雑な事象も図示してみせる。中国や中東のマネーが米国の財政を支えている構図なども、極めて説得力がある。読んでいても、わくわくするほどである。しまいには爽快感まで覚える。そして、最後にどうしても期待するのは、これからどうなるのかという部分である。

 しなしながら、最後に来て、やや歯切れが悪くなる。過去の確定した事実の分析にはすぐれた手腕を発揮するが、現在進行形の問題に関しては、やはり扱いがむずかしいようである。
 最終章と、それ以前の章は別の本であるかのような印象を与える。本書は、このところ世界を動揺させているサブプライムローンが顕在化する以前に書かれたものなので、この問題が射程にはいっていない。この部分に物足りなさを覚えるが、経済は生き物なので致し方ない。著者によるサブプライム問題の分析には別途ふれてみたいものである。

 書き終えてからのタイムラグがあるものの、経済とはこういう風にして研究し、事象を読み解いていくものであることを教えてくれるという意味では、よきテキストと言える。
 本書は、硬い専門書ではないが、単に株価や為替の動向にだけ興味がある人に向けられたものではない。ある程度、本格的に経済に向き合いたい人に、好適な経済書と言ってよいだろう。

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