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電子書籍

本はこうして選ぶ買う みんなのレビュー

  • 谷沢永一 (著)
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みんなのレビュー7件

みんなの評価4.5

評価内訳

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7 件中 1 件~ 7 件を表示

紙の本本はこうして選ぶ買う

2006/06/20 16:25

本を自分のものにすること、これが読書の要約

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:佐々木 なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

つい先日、古本まつりなるものに出かけて行き、
谷沢永一さんの「紙つぶて」を1000円で購入した。
1979年の第4刷で、定価は2000円とあった。
この1000円が高いのか安いのか、今の私にはさっぱりわからない。
しかし、数ある本の中で、なぜかこの一冊に惹かれたのである。
手に取ってみて、ぱらぱらとめくって欲しいと思った。
この一冊がきっかけになって、谷沢さんのほかの本も気になり始めた。
そして数ある著書の中から、選んだのがこの「本はこうして選ぶ買う」。
実に痛快な本だった。
谷沢さんは時に辛辣に、時に親しみを込めて、
本について語っている。
「そんな私の素頓興なサカシラが、お役にたつかどうかわからない。
しかし、世の中にはオモテもあればウラもある。
そのオモテ社会では見たり聞いたりできない隠された変わった話題を、
面白がっていだだけること、それが私の胸中におけるひそかな願いなのである」とあとがきにあった。
そして、私はこの本から実に多くのことを学んだ。
のっけから谷沢さんは言う。
「けれども、人生、一番大事なのは、勘、である。」
一瞬の勘で谷沢さんの著書を手に取った私は、ここを読んで、
とんでもなく嬉しくなった。
次に本を選ぶとき、
まえがきやあとがきについて、丸のみするわけにはいかないと
断ったあとで、
「その本の値打ちを察する手がかりとしては役に立つ」と言う。
また図書館については、
「図書館へ行かなければ見ることのできない本を
利用させてもらうためにあるのであって、
書店で簡単に買える本は自腹を切って自分のものにするべきである」とキッパリ。
そして続ける。
「読書の要約は、本を自分のものにすること、これである。
自分の本には体温が乗り移る。
図書館、図書館、と言うが、自分で自分用の小図書館をつくることが
どれほど有意義であるか、
ぜひとも実行されるようお勧めする。」
まさに、私にとっては目からウロコである。
日ごろから「図書館、図書館」と言っている私を見られているかのようである。
しかしながら、好きなだけ本が買えるほどの懐具合ではない私は
必然的に古本屋へと足が向くようになる。
それで、この本の最後の章「古本屋と昵懇になる法」をことさらじっくりと読む。
最初に谷沢さんと古本屋さんの交流が紹介される。
初めて古本屋に足を踏み入れたのが小学二年生の時だそうだ。
このあたり、亡くなった父の話を聞くような感じがした。
詳しく聞く機会はとうとうなかったが、父もかなり古本屋通いはしているのだ。
「古本屋の世界に入るとすれば…」と雑誌が二種紹介されていた。まずは雑誌の講読が有効な階程である。
驚いたことに、二ヶ月前から私はこのうちの一誌を定期購読し始めたばかりだった。
最後に、古本屋と付き合う場合のもっとも大切な心得が書いてあった。
「決して値切ったりしてはならぬという自戒である」。
私の中に、古本を値切るという意識はなかった。
しかし、これからそんな気になったかもしれぬ。
だから最初にこの心得を聞いておいて、良かったなぁと思った。
先日、私はある古本屋で買い物をした時、値切るのではなく、
店主自ら値引きして売ってくれた。
これはこれで、たいそう嬉しい思い出の一つとして、
私の心にしまっておこうと思った。
そして、古本屋の世界へ入ったのだなぁと、しみじみ思った。

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紙の本本はこうして選ぶ買う

2004/05/04 08:13

書評の傾向と対策。書評の勇気。

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:和田浦海岸 - この投稿者のレビュー一覧を見る

この本にある言葉。

「書評、という評論におけるひとつの領域が認められている。
 この批評プラス紹介の分野(ジャンル)を重く見て、
 向上と充実に努めたのは、雑誌『唯物論研究』を編集した戸坂潤である。
 そのあと、若き日の清水幾太郎が、
 入荷した外来書の書評に精を出した。
 戦後には『書評』という雑誌も出てかなり続いた。
 私が30歳前後の頃は、『週刊朝日』の書評欄が重んじられた。
 大阪梅田の旭屋書店は毎号そこだけ切り抜いて、
 レジの上に高すぎないようぶら下げたものである。
 その後は五大紙が揃って書評欄を設置した。…」

戸坂潤の『唯物論研究』はわかりませんが、
さあ、書評の傾向と対策。

まず、清水幾太郎。
岩波新書「論文の書き方」にその頃のことが出て来ます。
あと手軽に入手できるのは、中公文庫「私の文章作法」。
これは山本夏彦が文庫へ入れる配慮をし、解説はあの狐さんが書いてます。
それに忘れたくないのは、講談社現代新書「本はどう読むか」。

次に行きましょう。
『書評』という雑誌。
これについては、戦後に、新しい切り口で、
俳句を取り上げた『第二芸術』の著者桑原武夫に語って頂きます。

「書評というもののないことが、日本の出版界の特色である。…
 かつて『思想』は書評欄に努力したが失敗し、唯一の雑誌『書評』も
 廃刊した。これを惜しむよりも、なぜ日本では書評が成立せぬかを
 分析してみる必要があるだろう。よい書評は高くつき、
 貧しい出版資本ではもたぬこと、学界、文学界の前近代性が
 公正な批評を忌避すること、インテリに悪しきオリジナリティ意識が
 つよくて書評に頼らないこと、大衆は流行で本を選び
 書評を不要とすること、まだまだあろうが、
 ともかく書評が成立せぬかぎり
 日本の出版界は一人前ではない。」

これは1950年。つまり半世紀前の短文『書評のない国』に出て来ます。

つづいては『週刊朝日』。
丸谷才一に「書評と『週刊朝日』」という文があります。
それによりますと

「1951年(昭和26年)2月、『週刊朝日』が『週刊図書館』といふ書評ページをはじめた。わたしの見方では日本の書評はこのときからはじまる。…1988年1月から署名入りの書評になった。…扇谷正造はいはば日本の書評文化の創始者であつた。この40有余年のあひだ、日本を代表する雑誌は『週刊朝日』と『文藝春秋』であつたが、後者は久しく書評を拒否しつづけ、1977年(昭和52年)、半藤一利編集長のときに『鼎談書評』をはじめたのが最初の書評であつた。この点では『週刊朝日』のほうが圧倒的に時代感覚を持つてゐたし、しかもその先見性にかなりふさはしい書評を載せつづけたやうな気がする。」

これを書いた丸谷才一さんは現在、
毎日新聞日曜日の「今週の本棚」を設計し、
それが無事継続充実しております。
この「今週の本棚」については今年
「日曜日は今週の本棚」という小冊子(毎日新聞社)が、
具体的に全体を見渡せる紹介になっております。
また書評賞をもうけ、今年受賞した
鹿島茂さんの、充実した魅力の書評が、現在毎日新聞で読めます。


以上私の思いつく、書評の傾向と対策でした。
誰か他の人が、私の紹介の不備を補ってくだされば
さいわいです。

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紙の本本はこうして選ぶ買う

2004/01/19 23:47

うがった見方の道破本

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:北祭 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 やはり本好きによる「本のための本」はいいものです。もちろん、著者の様々な提案やご案内は自分の背丈に合っていないこともままあります。けれども、天下一品の本好きが語るのですから、その熱意は最高温度。読み進めるとそれが伝わり、どこかしら温まってくるその感触が心地よい。

 谷沢さんは「本は読んでも読まなくてもよい」とする人です。そのくせ、普段から読書の効用を語るのですからなかなかズルイ。そもそも希代の読書家が「読まなくてもよい」といっても説得力はゼロです。そんなわけで、当然、本書は読書を否定する類の書ではありません。「本を買い、本を読み、その悦楽を得る」ための手引書となっています。また、本にまつわる細かい雑談が盛沢山。

 <「まえがき」と「あとがき」は頼りにできるか>とか、<著者経歴の略記掲示はなにかの役に立つのか>とか、<文庫>とはなんぞや、<新書>とはなんぞや、などなど雑談タイトルはそのものずばりのシンプルさ。向井敏さんにいわせれば、「まさに谷沢永一でなければできん、うがった見方」が全開です。

 とても印象深いのが<書評>について。その昔、五大紙が揃って書評欄を設置したころ、「向井敏が神経の細やかな名人芸を見せ、書評をはじめて独立にして独自の表現形式に高められたと評せられている」としたあと、さらに分析を続けます。書評を担当すれば、どうしても批判せねばならないときはあるもの。しかし新聞社は当然それを嫌がる。そんな状況の中、書評で禄を食んでいた向井敏さんはどうしたのか−。

「そこのところを上手にくぐりぬけた向井敏は、隅から隅まで誉めていながら、文章の背中で衝くべきは衝く、という手品のような腕前を見せた」

と谷沢さんは喝破するのです。その一例として、「私がヤラレている箇所」とやらの引用が続きます。たとえ良く知った間柄であろうとも、本人にだけは必ず分かる痛いところをチクリと一刺し。なるほど「紳士の書評を志す方向」とは見事なものでした。恐るべき書評。もう向井敏さんの書評を流し読みなどできません。そこにある本意を掴んでこそ、その書評の面白さ、奥深さ、あるいは恐さまで幾倍にもなるのだと分かりました。

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紙の本本はこうして選ぶ買う

2004/02/10 23:21

当代きっての読書人の「とっておきの話」

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ろこのすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る

「おいしいもの」は、他人に教えてあげたいような、隠しておきたいような、そんな出し惜しみしたくなるような、痛快にして白眉きわまりない本である。

当代きっての読書人である著者は、のっけから実に痛快で小気味よく斉藤孝氏の「読書力」をサマーセット・モームの短編集「コスモポリタン」序文を引き合いにだし「検討」と称してばっさりと快刀を振り下ろす。
もうこうなると読者は一膝も二膝も乗り出して次の章へ進みたくなってうずうずしてくるではないか。
次に著者は「鎖鎌」を出してきて読者をぐいぐいとたぐりよせる。
…というのは著者独特の比喩を借りたまで。つまり「鎖鎌」というのは読んだ本に関連のある他の書物に食指を伸ばし、「鎖鎌」よろしく読んだ本の枝葉を生やそうというのである。

かくして話は文庫、新書の内容と価値、辞書類の評価、史書、辞書の買い方、古本屋とじっこんになる法など、話題は多岐に渡り、自らが豪語する「とっておき」のエピソードが織り込まれ、「本を買う、読む、読書の快楽」のアラベスク模様が彩なされるというわけである。

中でも「ほー」と思ったのは書評についてのエピソード。
新聞社が嫌がる「批判」をせずに書評する達人、向井敏さんの至芸とは:
「隅から隅まで誉めていながら、文章の背中で衝くべきは衝く、という手品のような腕前」
つまり良く知った間柄であろうと、本人にだけは必ず分かる痛いところをチクリと衝く。つまり「紳士の批評を志す方向」としての書評となるわけだ。

書評のまねごとを試みる私としては、この箇所を読んでさすがとこうべを垂れると共になにやら身がすくんでしまった。

かくして本書は当代きっての読書人である著者の「とっておき」の「本の話」なのである。

鋭い刀さばきかとみまごう程の筆さばきには、書物をこよなく愛する著者の熱き想いが込められていて、白眉極まりなくしかも面白い書であった。

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紙の本本はこうして選ぶ買う

2004/01/30 22:32

チェーン・リーディングの効用

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:脇博道 - この投稿者のレビュー一覧を見る

とてもおだやかな表題となっている。まずは、柔らかく御案内(まえがき
ではないことに注意。その答えは勿論本書のなかにあります)のなかで、
本を選ぶときは、勘、が大切であると書かれておられる。のっけから結論
が出てしまったようにも感じられるのではあるが、さにあらず。
先は長いのであります。一・最初の一冊から四・読んだ本から枝葉を生や
す、までは、いつもの辛口(まだ中辛くらい?)の谷沢氏節で、ふむふむ
と心おだやかに読んでいられる訳であるしタイトルに即した実用的な記述
も多いのである。

そろそろかな?と思っていると、さぁー、五・再び本を買おうと思案する
時、あたりからいつもの超辛口論考がおしよせてくる。本のスーパープロ
フェッショナル谷沢氏のエンジン全開である。すさまじい文学的及び書誌
学的知識が必要とされる記述にどんどん加速していくので、読む方もギア
を最大限に踏み込みながら、ついていかなくてはならないのであるが、こ
れが、氏の本のすごい魅力でもあり読む醍醐味でもある。歯切れのいい
文体と相まって、びしびしと切り込んでくるので、これでは、氏いうとこ
ろの鎖鎌の名人でもかなわないと感じることしばしである。ふーむ、など
と悠長なことはいっていられない事態になってくる。そうかーと唸ってし
まったり、ほんとかな?と考えこんでしまったり、楽しみと苦しみが交互
にやってくるこのような記述に満ちた本は、中々出会さないのである。

例えば、和辻哲郎に関する記述。本書を読了した後でも、勿論「風土」や
「埋もれた日本」が名著であることを小生自身は疑いはしない訳ではある
が、氏の記述にも感得する部分も多々ある事もこれもまた疑いもない事実
である訳で、自らの不勉強を恥じつつも新たな考察を与えてくれる本書に
喝采をおくるほかはないのである。対して氏の他の著作にもよく登場する
し、氏がリスペクトしてやまない内藤胡南に関しての面白いエピソードに
でくわすとほっと安心したり、いやはやたいへんな事態ではある。

本書では、イノチ、ということばが使われている。まさか、昨今のお笑い
ネタを意識して?という事でもあるまいに、などと考えながら読んでいる
と、ちゃんと類語事典の効能と使用方法という含蓄にあふれた記述に接続
していくので油断もすきもないのが、氏の真骨頂でもある。そして、その
効能をこうも説得力豊かに記述されていると、即座右に置かねば、と感じ
たり、辞書にもなんと色々なバイアスがあるものだと驚いたり、果ては
腰巻(帯びのことです)のポリティカル・コレクトネス的論考を読むと
氏はいまさらながら本の達人であると感じるのである。

表題はおだやか、中身は超辛口で旨味に満ち満ちている。本のグルメの
方々におすすめしたいまことにおいしさと面白さ満載の一冊である。
あっ、チェーン・リーディングの効用に関しては、始めのほうに記述され
ております。

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紙の本本はこうして選ぶ買う

2004/02/29 17:17

彼は昔の彼ならず

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「やせ細って小さな猫背の青年で、品のよい鳥打帽子をかぶり、笑うと眼がたいへん優しくなったが、小さな鼻が空を向いて早くも謀叛気と逸脱愛好癖を示していた」これは開高健の自伝的小説『青い月曜日』に描かれた、半世紀以上前の若かりし頃の谷沢氏の姿である。小説の中では山沢という名前で書かれているこの<猫背の青年>と開高は、「フランス語塾の薄暗いたそがれの廊下」で出会った。谷沢氏に誘われ同人雑誌『えんぴつ』の仲間となった開高は、やがて昭和の文学史の、ひとつの小高い山を築くのであるから、人と人との出会いというのは人生にとって不思議な縁(えにし)とよぶしかない。

 開高はまた谷沢氏について多くの文章を残している。そのものずばり『谷沢永一』(開高健全集第20巻所載)から引用する。「過労と、過敏と、焦燥と、絶望をなぐさめてくれるのは、それら偽学生時代を通じてずっと谷沢永一とその書斎だけだった」とまで書いた開高は、この短かい文章の最後をこう締めくくっている。「彼のことをウンザリしたような、畏怖したような口調で語ったり、書いたりしている人にときたま出会うと、このうえなく誇りをおぼえる。正気をきわめた狂気がこの国にはなさすぎるのだ」

 この「本はこうして選ぶ買う」はそんな谷沢氏が「本を選ぶにつけ買うにつけ、知っておいた方が便利なコツを」「世間話みたいな雑談」として書いた知恵袋のような本である。開高にして<狂気>とまで言わしめた人であるから、ご本人は<世間話みたいな雑談>と書いているが、なかなか手ごたえのある内容になっている。生半可な読書力ではこの人に及ぶはずもない(特に前半の部分はその印象が強い)。「彼(谷沢のこと)の多年のおのが自身なるままの偏執狂的完璧主義は最近になってようやく若干の融解の含み味を持つ文体」になったと、開高が『谷沢永一』に書いたのが昭和五一年のことであるが、それから三〇年近い時が過ぎて、今なお依然偏執狂的完璧主義が消えずに残っていると思われる。

 この本の<あとがき>に「楽しく気やすく身を処すればよい」といかにも融解の度は増したようであるが、開高が出合った頃のこの人の思考の徹底ぶりは如何ばかりであったかと嘆息せざるをえない。まるで鋭利な刃物同士が互いにぶつかりあっていたそんな時代を経て、「ヤミクモに本を読んでもゲンがない。万事、うまくたちまわらなければアカンのである」(4頁)と書くまでに至った谷沢氏の精神の有り様は立派というしかない。

 これぞ、谷沢永一。 

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紙の本本はこうして選ぶ買う

2004/01/28 03:09

書物を愛する気持ちが強く伝わってくる。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:由良 博英 - この投稿者のレビュー一覧を見る

教訓的な読書論を遠ざけ、いかに本を選ぶかという実学的な話題を中心に展開したもの。その意味から、このごろ流行りの齋藤孝氏の著作に、谷沢さんらしい辛辣な批判が加えられている。文庫、新書などの書物の形態の意味するもの、辞書類の評価、史書の信頼性など、話題は多岐に渡る。古本屋めぐりの章は、著者の私的な体験談に傾きすぎたきらいもあり、若干冗漫さを覚えないでもなかったが、書物を愛する気持ちは強く伝わってきた。

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