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社会インフラ 次なる転換 みんなのレビュー

  • 野村総合研究所 (著), 神尾文彦 (著), 稲垣博信 (著), 北崎朋希 (著)
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近代の超克としての減築

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kc1027 - この投稿者のレビュー一覧を見る

インフラは文明の下部構造であって、あまり見えない。でも政治も経済も文化も下部構造の上に成り立っていて、その下部構造は土地と人に沿っている。人口減少時代に突入したこの国では、高度成長を支えた電気、ガス、上下水道などの設備が今後は過剰なものとなり、なおかつ老朽化が進む。長い時間をかけて創り上げてきたものを創り替えるには、大概創ったとき以上に、時間もお金も手間暇もかかる。さあどうしよう、ということで本書だ。

これからの社会インフラに必要となるのは、設備を減少Compactにしていくことと、ニーズの変化に合わせて転換Convertしていくことと、管理の担い手の減少に対応して横断管理Cross overしていくこと、というのが本書の大まかな主張。上下水道も道路舗装も鉄道網もすでに世界最高水準に達しているこの国では、インフラパッケージの海外輸出と並行して、前人未到の『減築』に励まなければならず、その解は単なる合理性を越えたSMART化がなければ乗り越えられない。

4年ほど前に出版された橋本治の『日本の行く道』の主題がまさにこれだった。高度成長を突き進む中国の片隅で粛々と設備を取り壊して小さくしていく日本。身の丈を整えていく作業が、この国の行く道で、これからのお金持ちの仕事は、減築の中に新しい生活品質の提案を込めて行くこと。例として挙げられているボストンの高速道路の地下化事業やソウルの清渓川復元事業では、長い時間が掛かりつつも交通渋滞の緩和や排ガスの抑制に加え、公園・緑地の増加も実現して、周辺不動産価格も上昇したそう。価値の創出は、それを享受する人間の判断次第なのだ。

機能の転換に必要なのは先のニーズを予見するマーケティングで、そのために必要なのはビッグデータを効率的に処理するICT網の整備となる。設備の横断管理にも通信環境がベースとなるので、弱電と呼ばれる通信インフラ整備がさらに便利で安価になっていくことが、今後の社会インフラの鍵となり、引いてはこれからの人々の『絆』を担保していくのだろう。

野村総研のこのシリーズは、世界から集めたデータでこれでもかと攻めつつも意外と読みやすくて更に不意打ちで情緒的な表現も出てくる。普段クールな奴が大事なポイントで腹の決まった台詞を吐いて皆の覚悟を促してしまうような感じで、読後はそのストレートすぎるタイトルが堂々と見えてしまう。どれだけ時間が掛かろうとも、文明を支えているのが下部構造だとしたら、大転換は下部構造から起こる。わたしたちが日々使っているインフラが、わたしたちのこれからを、指し示す。

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