なぜ、あの「音」を聞くと買いたくなるのか みんなのレビュー
- ジョエル・ベッカーマン, タイラー・グレイ, 福山良広
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
1 件中 1 件~ 1 件を表示 |
紙の本なぜ、あの「音」を聞くと買いたくなるのか サウンド・マーケティング戦略
2016/02/14 02:11
ソニックブームと言われてガイルしか思い浮かばない人が読んでみた。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:朝に道を聞かば夕に死すとも。かなり。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
うちの近所のドラッグストアの歌ってのが、頭にこびりついて離れないんです。そんなサウンド・マーケティング上、音って、みんなが思っている以上に重要なんだよ!っていう本です。
震災の時、ACのCMがあまりにしつこく不快という声がありましたが、その年のCM好感度では、上位でした。つまり、頭にこびりついて離れない歌は必ずしも人を不快にさせることはありません。
そもそも人間は音と深く繋がっています。音を理解する必要がある本人が意識しようがしまいが、脳は常に聞き耳を立てています。五感の中で音の情報処理に関する神経回路の働きから、人間の脳は音刺激に対して最も速く反応します。においや香りを連想するのは対象物に視線を向けた時に限られます。しかし、音は、私たちの視線以外からも認識しています。
そんな音の工夫として、ロシアの地下鉄では、環状線の時計回りの電車には男性のアナウンス、時計と反対周りの電車には女性のアナウンスが用いられています、声を聞けば乗り間違えにくいので安心します。
音の機能をうまく使えば、社会公共性のみならず「儲け」にも使える。お祭りの夜店の焼きそばの音なんかは、一瞬にして私たちの過去の記憶を呼び起こし、いろんな淡いほのかな気持ちがよみがえってきます。
大抵のお店は消費者の反感を買わないよう有線の音楽で無難な音楽でお茶を濁します。でも音を重視したある巨大スーパーでは、各売り場ごとに音楽を変えています。しかも、売り場に沿った音の流し方で、一方で静かな場所をちゃんと用意しています。ワインセラーと葉巻の保存庫です。聞こえるのは室内の温度を低温に保つエアコンのシューという音だけです。
音楽のみならず、スターバックスでは、店内に入るとコーヒーのいい香りがします。しかし、店内に響き渡る音として、ミルクスチーマーのシューという音があり、スタバ独特の音があります。鉄板焼きのジューっていうシズル感たっぷりの音を聞いたら、表だった意識に上がってこないけど、独特の感情が沸き起こります。
「うちは音のある商品、取り扱ってないよ」っていう人には「店内の BGM を変えてみては?」とジョエルさんは言います。ゆったりして欲しいときにはスローテンポな曲。逆に忙しい時はミディアムテンポでお客の入りの出入りを多くする。
これを聞いて思い出したのがマクドナルドの椅子が座り心地悪いっていうこと。わざとゆったりさせないことで回転率を上げるっていうアレです。私たちは個人の自由意思で選択を行っていると考えていますが、アーキテクチャによって、意志が統制されているとも言えます。
アメリカの国歌「星条旗」は、多くの人々の心に響く名曲となったのは曲に「空中で炸裂する爆弾」の歌詞に人々は奮い立ち、この国歌のもとに一致団結したそうでして、君が代を好む私たちは、国家に荘厳さを求める気質をあるのかしら?って思い、文化の違いが楽しめました。
音を用いたマーケティングはまだ余白な部分が多く、冗長ですが読み物として面白い仕上がりになっています。
1 件中 1 件~ 1 件を表示 |