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紙の本

NHKさかのぼり日本史 6 “天下泰平”の礎

江戸時代を通じて今の時代を考える良書です。

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:奥州仙台のイソやん - この投稿者のレビュー一覧を見る

 この本は、平成23年10月に4回にわたってEテレ(NHK教育)で放送された内容が、平成24年1月30日に書籍として出版されたものです。著者は平成15年に『武士の家計簿―「加賀藩御算用者」の幕末維新』(新潮新書)でおなじみの茨城大学准教授の磯田道史さんです。主に日本近世社会経済史がご専門で、大変精力的に研究をされている方であり、他にも優れた多くの研究成果を挙げられております。番組では、260年以上続いた江戸時代「泰平の世」がいかにして築かれたかを、4つのターニグポイントを取り上げ、時代をさかのぼる形で、具体的な事例をもとに分かりやすく解説したものでした。自分が高校生の時にこうした番組や本に触れていたら日本史の勉強も数倍楽しかったに違いありません。分かりやすいフローチャートや絵図・史料・グラフなどもありますので、今日本史を勉強している高校生にもお勧めの本だと思います。江戸時代の歴史への理解が深まるとともに、江戸時代を通じて現代の問題を考えるきっかけにもなると思います。値段も千円以下とお手頃です。
 内容についてですが、一貫しているのは江戸時代という時代が、民政重視の政策にシフト転換していったことが長期安定社会につながったという点です。いつも磯田さんの視点の新鮮さには感心するのですが、磯田さんが取り上げられたターニングポイントを列挙すると次のとおりです。
1 露寇事件(ロシア船の襲撃による対外危機) 1806(文化3)年
2 浅間山の噴火・天明の飢饉 1783(天明3)年
3 宝永の地震・津波 1707(宝永4)年
4 島原の乱 1637(寛永14)年
 1のターニングポイントは、ペリーの黒船来航より約50年前に「第0次日露戦争」が勃発する恐れもあった中で、結果的に武力衝突回避により辛くも危機を乗り切り、いわゆる鎖国が維持され、江戸庶民文化の成熟と江戸時代後期の繁栄がもたらされたという内容。松前奉行が幕閣への上申を行った際、「民命」という言葉を用い諸藩の負担軽減を訴え、幕閣がそれを良しとしたポイントについては、当時の支配層の中に民の生命・財産を重視する理念が根ざしていたことが分かる重要な部分だと納得しました。北方警備のため諸藩の動員を続けていれば早晩、幕藩体制は破たんに向かい、弱り切ったところに西欧列強の外圧という最悪の状況を迎えていたかもしれないと思うと、これまで露寇事件はペリーの黒船来航ほど大きく取り上げられてはきませんでしたが、確かに大きな転換点だと思います。
 2のターニングポイントは、江戸時代の度重なる天災の中でも未曾有の被害をもたらした浅間山噴火とそれに続く天明の飢饉です。徳川吉宗や田沼意次の政治は、あくまで幕府の財政立て直しであり、民への視線はなく、その後の松平定信の政治において、金穀備蓄や有能な人材の代官起用など民政重視へ一大転換を遂げた点が取り上げられております。大震災への不十分な備えや借金依存の現代日本を生きる我々には「三年の蓄え無くば国その国に非ずと曰う」という一節は非常に重くのしかかります。
 3のターニングポイントは、宝永の地震・津波を契機として新田開発は頭打ちとなり、量的拡大から質的充実への低成長時代にふさわしい安定した成熟社会への転換が図られた点です。この章を読んだとき、磯田さんも指摘されているように、今の我々の姿とだぶって感じられました。行間からは、与えられた資源のなかで身の丈に合った豊かさを見出していく努力を続けた江戸の人々が、震災に負けずがんばれよとメッセージを送ってくれたように感じられました。
 4のターニングポイントは、暴力で民を従わせるということが大きな代償をもたらすことを支配者である武士が教訓として学び、武士の体質改善が図られるきっかけとなった島原の乱です。その後も、武家諸法度や生類憐みの令などを通じ、「殺す支配」から「生かす支配」の転換が図られ、「未開から文明への転換」と言えるかもしれないと磯田さんが指摘する太平の世の礎が築かれます。たしかに、仮にタイムスリップしたとして、江戸時代に行ったら殺されなくてすむかもしれませんが、戦国時代だったらすぐに殺されてしまうかもしれない…。ある程度、命の尊重についての共有意識みたいなものは江戸時代でないと存在しないのではないかと私も思いました。
 計123ページの本で、一気に読み進むことができます。この本を読んだ後に昔使っていた日本史の教科書を眺めてみるのもおもしろいかもしれません。この本は江戸時代を通じて今の時代を考える良書だと思います。

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