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電子書籍

華氏451度 みんなのレビュー

  • レイ・ブラッドベリ (著), 宇野利泰 (訳)
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みんなのレビュー4件

みんなの評価4.0

評価内訳

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4 件中 1 件~ 4 件を表示

紙の本

華氏451度

紙の本華氏451度

2012/02/11 22:57

「進歩」は「退化」?

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Tucker - この投稿者のレビュー一覧を見る

本が禁制品となった世界。
本は麻薬か伝染病のように忌み嫌われ、発見次第、焼却処分される。

主人公ガイ・モンターグは本の焼却処分を行う「焚書官」
「逆消防士」とでも呼ぶべき仕事。

モンターグは、とある焼却処分の現場で、偶然から禁制品の本を手にしてしまい、自らの仕事に疑問を持ち始め、ついには追われる身になってしまう。
ちなみにタイトルの”華氏451度”は、摂氏だと233度。この温度は、紙が自然発火する温度だという。

巻末の解説によると1950年代のアメリカのマッカーシズムを風刺するために書かれたらしい。
だが、モンターグの上司ビーティの語る「焚書官の仕事の来歴」の話は、今の事を言っているのでは、と思えるほどだ。

曰く「テレビなどのメディアが発達し、スピードを求められるあまり、複雑な事は省略され、短く単純化される」
曰く「深く考察することは敬遠されるようになり、様々な事は、ますます省略・単純化される」
曰く「手っ取り早く、結果だけ手に入れられるものが好まれる風潮が広まる」

伊坂幸太郎「魔王」の中で出てきた
「お前たちのやっていることは、”思索”でなく”検索”だ」
というセリフがふと頭をよぎった。


「分かりやすい一言」の連呼。
なんでもかんでも単純な「二項対立の図式」に還元する手法。
どこかの国でよく使われているような気がするのは、考えすぎだろうか。

さらにグサッとくるのは、本作の中で、本が禁制品になったのは、暴走した政治家が勝手に決めたのではなく、多くの一般の人が求めた結果、という点。
政治家は一般人に何一つ強要などしていないのだ。

「進歩」「発達」だと思っているものは、実は(ある意味)「退化」なのか、と思ってしまった。

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紙の本

華氏451度

紙の本華氏451度

2010/05/15 16:04

本が読めなくなるなんて。そう考えただけでホラーかも。

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:きゃべつちょうちょ - この投稿者のレビュー一覧を見る

寺山修司の「幸福論」を読んでいたら
ブラッドベリの「華氏451度」が出てきた。
数珠つなぎで世界を広げられる、この読書のたのしさ。

ある日、こんな読書のたのしみが奪われ、
文字を読んで考えることすら、禁止されてしまったら?
という、本好きにとっては、このうえない恐怖の仮想世界のお話。

「華氏451度」というのは、
本のページに火がつき、燃え上がる温度・・・。(扉から引用)
解説によれば、摂氏233度にあたり、紙が自然発火する温度のこと。

主人公のモンターグは、
禁書というルールが守れない者たちを見せしめにするために、
毎日のようにホイットマンやフォークナーなど、
本を蔵書する家を焼いていく。
昔の消防士が、いまは焚書官というおかしな職業になっている。
焚書官とは、その名のとおり、市民の家を火から守るためでなく
火をそそぐために存在しているのだ。

しかし、ひとりの少女と出会うことによって
彼の心の中に燻っていたものが、徐々にあつくなっていく。
そして上司の命令により、がんこな老女を焼き殺した夜。
ここで生まれた自責の念が、心の燻りの温度を一気にひきあげる。

彼の妻は、モンターグの仕事の愚痴を聞いても
ほとんど人間らしい感情を見せない。
ひとをひとり、焼き殺したのだ、と聞いても・・・。
なぜなら彼らは(一般の人々は)
耳にいつも小型ラジオを嵌め込まれ、広告やジョークばかり聞いている。
そのうえ、娯楽番組ばかり流すテレビをあてがわれて、
思考停止状態にさせられているからだ。
そしてそのうしろには、戦争という影があった。

モンターグの心を、
「本を守る為に」自然発火させる老人の語りには、
深く考えさせられるものがある。
そこには、なぜ本がだいじなのか、
なぜ本がわたしたちにとって必要なのかが説かれ、
ひいては想像力、記憶する力の偉大さが書かれている。

本という、紙のかたまりが戦火で焼けたとしても、
そこに書かれたものは、守るべき者がいれば残る。
守るべき人が記憶し、口伝し、永遠に受け継がれる・・・。
というようなくだりがあった。
仏陀じゃないんだから、現代では、印刷とかICチップになるけれど、
それでも人の手が、「残しておきたい」という人の想いが
そこには確実に介在しているはずだ。

残したいとおもう、又はおもわせるものしか、残らない。
話が飛躍するけれど、たとえばこの「華氏451度」みたいな話を
遠い将来だれかが書くとして、そうしたらそのとき、
「焚書官は、ブラッドベリを焼き、サリンジャーを焼き・・・」
みたいなことになるのではないだろうか。

解説で佐野眞一氏が、「いまや私たちは小型パソコンを持ち歩き、
耳にはいつもi podを突っ込んでいる・・・」と、ブラッドベリが
60年近くも前に予言したとおりになっていると書いている。
ブラッドベリの仮想世界と現実を、佐野氏が
出版不況を通し、むすぶ内容は読み応えがある。
これは2008年版のメリットだ。

たぶん、なにがあっても本という形態はなくならないだろうし、
残るべきものはきちんと残っていくのではないかと
わたしは思う。人の心をとらえるもの。それらは、
流行が多少あるとしても、本質的にはかわらないのではないか、と。
だから、本に対して、もし危惧するとしたら、
「本が読めなくなる恐怖」ではなくて「本を選べなくなる恐怖」、
そして「本を語れなくなる恐怖」である。
ネットでの発言の自由が統制されて、
色々な人のレビューが読めなくなる。じぶんも綴れない。
そんな世界はいやだなぁ。

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紙の本

華氏451度

紙の本華氏451度

2010/11/20 01:15

現代にも通じる物事の本質

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る

 古典的名作にいまさらボクごときが何かを書くのも面映い気もするが、やはり自分のためにも書いておきたい。

 焚書官のガイ・モンターグは、二人の女性によって人生を変えられる。一人は近所に住んでいる17歳の少女、クラリス・マックルランだ。自分の聞きたいことだけを聞き、全く疑問を抱かない周囲の人間と違い、物事になぜを問うクラリスは、周囲からは変人だと思われている。しかし何度か彼女と会話をするうちに、彼女の持つ知性に魅せられ、自分の生活や妻の生き方に疑問を持つようになる。
 そして二人目の女性は、モンターグの仕事場である焚書現場に居座った老女だ。禁じられた書物を焚書官の手から守るために、自ら火を放ち本と共に火に包まれる彼女を見て、彼女の人生をかけさせた書物の価値について思いをはせる様になる。そして、モンターグの行動の第一歩が始まる。

 初版は1953年と、もう60年近く前なのだが、現代に出版されたと聞いても全く不思議には思わない内容だ。例えば、自分の仕事に疑問を持ち始めたことを察した署長のビーティは、焚書の来歴をモンターグに語る。
「かつては書物が、(中略)かなりの人たちの心に訴えていた。(中略)映画、ラジオ、雑誌の氾濫。そしてその結果(中略)書物は(中略)低いレベルへ内容を落とさねばならなくなった。(中略)『ハムレット』を知っているという連中の知識にしたところで、(中略)一ページ・ダイジェスト版から仕入れたものだ」
「生活はそのひぐらし、仕事はわりのいいのだけをねらう。作業が終われば、遊びが待っている。ものを学ぶなんてたいして意味のあることじゃない」
「これはけっして政府が命令を下したわけじゃない。(中略)検閲制度があったわけでもない。(中略)工業技術の発達、大衆の啓蒙、それに、少数派への強要と、以上の三つを有効につかって、このトリックをやってのけたのだ」

 難しい漢字を全く使わない校正になっているのは、きっと多くの人に読んでもらいたいという思いなのだと思う。こんな未来を作らないためにはどうすれば良いか。文中で老教授のフェイバーはいう。ものの本質をつかむこと、考えるための閑暇を持つこと、この二つを考え合わせて正しい行動を起こすこと。
 華氏451度、摂氏233度という紙の引火するという温度が意味を持つ未来は作りたくないと思う。

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紙の本

華氏451度

紙の本華氏451度

2015/02/02 17:25

本が読めなくなるなんて!

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:maxelchan - この投稿者のレビュー一覧を見る

本を読めない世界なんて考えただけでもつまらないですよね。活字中毒の自分にはおおよそ想像すら出来ない世界。ただ、そんな世の中でも人々の興味は止められない。主人公もその一人です。
本を持つ者を取り締まる仕事に就きながら、罪を犯した人々がなぜそこまで本を読みたいのか、守りたいのか興味を持ち、そして本を焼き尽くすことの愚かさに芽生え体制に反旗を翻す、といった内容です。

個人的には、ん?と思ってしまう箇所もいくつかありましたが、読み終えた今手にして良かったなと思う一冊です。

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