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ねじれた文字、ねじれた路 みんなのレビュー

  • トム・フランクリン (著), 伏見威蕃 (訳)
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みんなのレビュー4件

みんなの評価4.0

評価内訳

  • 星 5 (2件)
  • 星 4 (2件)
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  • 星 1 (0件)
4 件中 1 件~ 4 件を表示

紙の本ねじれた文字、ねじれた路

2016/02/28 14:48

ダークでリアルな“少年時代”との邂逅

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る

<ねじれた文字>とは<s>のこと(アメリカ南部の子供は綴りを覚えるのにそう呼ぶとか。 日本で言う<くっつきの“を”>みたいな感じ?)。 というわけでこの物語の舞台もアメリカ南部、ミシシッピ州です。
白人の子供・ラリーと黒人の子供・サイラス。 二人はひそかに特別な友情を育んでいたが、高校のある日の出来事を境に二人の人生はまったく違ったものとなる。 そして25年後、治安官となってこの町に戻ってきたサイラスの前に死体発見と女子大生の行方不明事件が起こり、離れたはずのラリーとの関係が再び。

アメリカ南部といえば私にとってはロバート・R・マキャモンの『少年時代』が思い出されますが(解説でも冒頭にその一節が引用されている)、それよりも明らかにハードで救いがない感じ。 『ミシシッピ・バーニング』という映画もありましたが(『警察署長』もそうですね)、正直なところ「南部ってめんどくさいな!」という印象・・・黒人差別の歴史がいまだに尾を引いているというか、それでそれだけの物語ができてしまうというのがなんとも。 もっとも、人種差別の歴史を語ることがタブーになってないのだから、それはそれで利点といえるのかもしれないのですが。

結構早い段階で「犯人、わかっちゃったんだけどいいのかな!」という心配が起こりますが、これは犯人が誰とか高校時代のラリーとサイラスに何があったかという謎で引っ張る物語ではなく、過去と折り合いをつけて再び友情の灯をともす男たちの物語でした。 だから全然退屈はしないし一気に読んでしまえるのですが、悲しいことに女の出番はないのです・・・。 ま、でもそんなもんですかね。 女同士の物語に男がいたら邪魔なように、男同士の物語にも女は下手にいない方が面白い。 そう思うと男と女はやはり違う生き物なんですかねぇ、としみじみ(だってサイラスとラリーの関係、女同士なら違う感じになりそうだもん)。

田舎町の狭いコミュニティ、これで主人公が女性ならコージーミステリになるのかも!、と新たな発見をした気分。(2012年4月23日読了)。

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紙の本ねじれた文字、ねじれた路

2015/08/25 17:16

人は言葉ではお互いを理解出来ない。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:sin - この投稿者のレビュー一覧を見る

孤独な魂が触れ合いを求めるが人は言葉ではお互いを理解出来ない。勿論立場が違えば求めるものも違うそして集団のなかでは自分の気持ちに素直になれない。小手先だけの推理小説などではなく上質のクライムノベル、作者の筆が読者をアメリカ南部の情景に主人公達の少年時代に誘う。物語は結末をむかえその先に新たな物語を暗示する。物語は終っても人生の様に続いてゆくここんところで言葉少なに感動が伝わってきました。

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紙の本ねじれた文字、ねじれた路

2011/12/24 14:54

書籍「ねじれた文字、ねじれた路」ねじれた関係もいつか繋がる希望の物語

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:soramove - この投稿者のレビュー一覧を見る

CWA賞ゴールド・ダガー(最優秀長篇賞)、LAタイムズ文学賞受賞!


「1970年代、アメリカ南部の小さな町で
白人と黒人の二人の少年の友情は
少女失踪事件を機にそれ以後
長い空白を経て試されることになる、
一人は瀕死の犯罪の容疑者として
一人は法律を守る治安官として、
全体を包むのはやるせない気持ち
犯罪小説というよりはやはり
人間の物語といえるだろう」


70年代のアメリカ南部といえば
まだまだ人種差別が色濃く残り
大人も子供も一定の境界をひいていた、
だから彼ら二人の友情もひっそりと結ばれ
静かに始まりある日あっけなく途切れた。


人種差別は頭では分かるが
やはり肌で感じたことがないので
この小説の持つ根底に流れる
どうしようもない時代の空気は
自分にはホントの意味で分からないのかもしれない。


けれど人間は誰かと繋がりたいのだと
それがどんなバカな奴だろうと
自分を気にかけてくれる
そんな僅かな繋がりに
すがってしまうほどの弱さを痛感する瞬間
用心深く生きて来た男の寂しさが浮かびあがる


人の噂や考えに惑わされず
自分の生き方を生きていると感じながらも
実は周囲の視線や風評に
がんじがらめになっている、
そのことを充分に理解しつつも
そのなかでもがく主人公。


ここで描かれるのは二つの少女失踪事件、
25年という時を経て繰り返される事件が
大きな店さえ無い小さな町に与える影響は
どのくらいだろう、
そして唯一の容疑者として
誰からもノケものにされた白人のラリーは
誰も来ない自動車修理の店を
今日も開けて一日ホラー小説を読んでいる。

新しい少女失踪事件から間もなく
そのラリーが銃で撃たれて瀕死の状態になった、
多くの人が自殺じゃないかと噂する中
真相に近い真実を知る幼馴染の黒人サイラス、
彼は故郷に戻り治安官として働き始めたが
ラリーとは距離を置いて過ごしていた、
しかし病院にいるラリーが撃たれる前に
サイラスの留守電に「電話をくれ」と
伝言を残していたことから
事件がそして彼ら二人の友情が動き出す。


どの部分が良かったとか
このシーンが最高だったとか
そんな風には思いだせない
けれどなんかとてつもなく深い
かけがえのない物語を読んだという
満足感感と同時に喪失感のような
やり場のない気持ちになった。

こんな本に時々
ほんとにめったにないけど
時々巡り合えるから
本読みは止められないのだ。

本の装丁も読んだ後しみじみ眺めると
これがまたピッタリで趣深く
何もかもがピタッと収まる所に収まり
心に響いた。


★100点満点で90点★




soramove

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紙の本ねじれた文字、ねじれた路

2011/11/29 17:44

どこまでも濃いミシシッピの森より深い孤独を想う。

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:チヒロ - この投稿者のレビュー一覧を見る

田舎町で行方不明になった少女。
誰が連れ去ったのか、狭い町では様々な憶測が飛び交う。

まるで「ラストチャイルド」のようだけど、私はあれがあまり好きじゃない。
この「ねじれた文字」は、もっと奥が深い。
ミシシッピの田舎の森の奥深く、少年たちが分け入る所の自然の密度の濃さ。
鬱蒼とした木々が肌に触れるほど迫ってくるのに、うっとうしさより親密な美しささえ感じる。

そして町から疎外され、孤独で、でもその毎日はきちんと繰り返し続けられるラリーの人生。
あまりに深く果てしない孤独で胸が苦しくなる。
誰か助けてやれるものはいないのか?

幼い頃に彼の母は毎晩神に祈る。
「どうか、息子の吃音と喘息を直してください。そして、たった一人、友達をください」
母の祈りは神さまにとどいたのでしょうか。

25年後、巡り合ったかつての少年2人はどうなるのか。
ミステリというより、2人の人間の真実が胸を打ちます。

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