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  • エラリイ・クイーン (著), 宇野利泰 (訳)
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みんなのレビュー9件

みんなの評価4.6

評価内訳

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電子書籍

電子書籍Yの悲劇

2019/01/21 05:11

社会は精神異常者とどのように向き合うべきか

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る

家族全員が何らかの精神的・身体的異常を持つハッター家という設定も異常ですが、事件の真相と犯人はさらに驚くべきもので、ドルリイ・レーンが公式に真相を明かすことなく捜査から撤退してしまうところも異様です。もちろん真相は最後にサム警視とブルーの地方検事には明かされますが、そのまま公にしないことを捜査官たちは了解することになります。

最後に残された謎は、犯人が自分の仕掛けた毒を飲んで死んでしまったことが、単なる当人の誤りであったのか、あるいはそこにすべてを見通していたドルリイ・レーンの作為が働いていたのかということです。恐らく作為が働いていたのでしょうが、そこを明確にすると捜査官としてその犯罪を見逃すわけにはいかないので、あえて追及せずに退場することが社会公正のためには得策であるとブルーの検事は判断したということなのでしょう。そこらへんは倫理的に難しいところだと思います。1930年代という時代背景を考えれば、それも「あり」かなと考えられなくもないですが...
社会は精神異常者とどのように向き合うべきかを問いかける作品であると思います。

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紙の本

紙の本Yの悲劇

2003/10/07 00:47

外国ではそうではないのだが日本ではベストミステリーアンケートではこれが第一位になるといわれていた。その理由を考察する。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:よっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

1937年に刊行の序文で江戸川乱歩は「『Yの悲劇』は着想のなんともいえぬ恐ろしさと、謎の論理の申し分ない魅力において、探偵小説愛好家の魂に食い入る傑作である」と賞賛した。また別の場所では「この作品にはそういう謎と論理の魅力のほかにもっと大きな魅力がある。それはこの犯罪の動機と犯人とが、ちょっと書き表すことのできないほど、異様で悲劇的で戦慄に満ちていることである。その並外れた着想を読んで私は『アァ、探偵小説のたねはつきないものだなあ。まだこんな素晴らしいのが残っていたじゃないか』と思わずつぶやいたほどであった」とこの作品の犯人像、動機の着想に感嘆している。
私がこの作品を読んだのは40年ほども前のことだ。記憶にはその骨格すら残っていないのだが、ただ犯人だけははっきりと覚えている。それだけこの人物の異常性にはインパクトがあったということだ。
乱歩が読んだ当時、いや私が読んだ当時でもこの手の犯罪は現実にはありえない、だから凡人では思いも寄らない、クイーンという探偵小説の名人にして着想しえた、虚構の産物としての異様性であったはずだ。少なくとも日本では。
ヒッチコックの『サイコ』をはじめて観た時、あの映像と効果音がもたらす生理的恐怖感にはたまげたものだ。ただアンソニーパーキンスの演ずるあれだけの異常人格人間は存在するはずはない、虚構の異様さだと思い込んでいた。ところがその後、日本にも似たような人格がつぎつぎと現れ、事件が現出した。そのときはじめて私は『サイコ』にあった先見性に気がつき、あらためて現実におこりうる恐怖映画であったのだ見直したのである。
『Yの悲劇』を再読して同じような印象を持った。40年前にはこういう犯罪者はいなかった。しかし、いま理解を超えた人格が引き起こすY型犯罪のひろがりに日本中が戸惑っている。
日本ではアンケートなどで古今の海外推理小説ベストが行われると、ほとんど必ず『Yの悲劇』が第1位に選ばれていた。それは日本だけの例外でもある。日本の読者は犯人があまりに異様なために想像することがまるでできず、作者の仕掛けにまんまと欺かれる向きが多かったのではないだろうか、アメリカなどは昔からこんなことがあって、存外多くの読者は犯人を当てることができることから作品がさほど評価されないのかとも思ったりする。さてこの作品を今はじめて読む日本の推理小説愛好者がいたら、昔と違い、早い段階で容易に犯人の見当をつけることができるのではないだろうか。悲しむべきことである。

書評集(よっちゃんの書斎)はこちらです。

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