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電子書籍

捜査官ポアンカレ みんなのレビュー

  • レナード・ローゼン (著), 田口俊樹 (訳)
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紙の本

捜査官ポアンカレ 叫びのカオス

表紙もフラクタル。

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投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る

主人公はインターポールのベテラン捜査官であるアンリ・ポアンカレ。 あの数学者のポアンカレの曾孫にあたるが、本人には数学の才能がない。
ある日、アムステルダムのホテルの最上階で爆破事件が起き、高名な数学者が死亡。 世界貿易機関で講演するはずだった被害者はフラクタル理論の専門家で、それを世界経済にどう連動させるかを考えていたらしい。 この事件の背景には一体何が?
そして、かつてボスニア紛争の際に起こった虐殺事件の首謀者を逮捕したアンリだったが、その犯人から恨まれ、アンリの家族を皆殺しにせよという指令がキリスト教原理主義的テロリスト仲間に出されていることがわかり・・・という話。

いやぁ、第一章から第二章への飛び具合がスリリングでしたよ!

本書の中にもフラクタル模様を内在しているものの写真(稲妻、葉脈、ペトリ皿の上のバクテリア、などなど)があって、それにいちいち感嘆するICPOの刑事さん達のコメントにもニヤニヤする。 それって、はじめてフラクタルを知ったときの自分自身の感想を思い出すからだ!

といっても“フラクタル”を明確に厳密に説明せよ、と言われると困るんですけどね・・・ある図形の一部をとって拡大すると、全体とほぼ同じ形になる、ってことでいいでしょうか。
つまり、ひとつひとつの事件は奇異に見えたり、当事者たちにとっては心臓をえぐられるような苦しみをもたらすものなのに、事件という統計に照らし合わせるとどこかに分類されてしまう。 それは新しい事件ではなく、同じような出来事の繰り返し、ということなのか。

だからサブタイトルが『叫びのカオス』なんですね、『カオスの叫び』ではなく。 ここではカオス自体が唯一の逃げ道というか、新しい突破口のように描かれているから。

だからといって物語にはまったくと言っていいほど爽快さがないのですが・・・むしろ、気持ちはどんよりしてしまうのですが、複雑化しすぎた世の中が悪いのでしょうか(いや、そういう問題でもない)。
数字だけで世界を構築する数学は美しいけれど、人間社会とは相いれないなぁ。
なんだか、考えすぎて頭が痛い。
熱が出てきたかもしれん。(2014年1月3日読了)

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