サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

全品ポイント最大50倍(0901-30)

【ポイント】ダイヤモンド社 ポイント30倍フェア(~9/30)

電子書籍

ヴィーナスという子 みんなのレビュー

  • トリイ・ヘイデン (著), 入江真佐子 (訳)
予約購入について
  • 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
  • ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
  • ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
  • 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。

みんなのレビュー3件

みんなの評価5.0

評価内訳

  • 星 5 (2件)
  • 星 4 (1件)
  • 星 3 (0件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
3 件中 1 件~ 3 件を表示

紙の本

ヴィーナスという子 存在を忘れられた少女の物語

教育に必要なのは縦の関係ではなく、専門家集団の横の連携、現場に携わる人への信頼、そして、自分を振り返ること

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:りっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

トリイ・へイデンの本はいつもながら、読み応え充分。トリイの働きかけと、子どもたちの変化に目を奪われつつも、ひとりの子どものために、医者、ケースワーカー、校長、トリイが連携し、会議を開き、今後の方針を決めるということが、うらやましく、日本ではどうなっているのかいなぁ。虐待についても新聞報道では児童相談所の対応が遅い!という非難だけで・・・これからどうやっていくのかがちっとも見えない。

それにしても、トリイの生徒ってどうしていつもみんな可愛いんだろう。トリイ自身がそう感じているから私たち読者にもそう伝わるのだろうけれど・・・うふっ、可愛い。

今回の生徒は、「take your seat」(席に着きなさい)と言うと、椅子を持ち上げちゃう、お調子者であるがゆえにトラブルメーカーのビリー(9歳)、胎児性アルコール症候群、多動と注意力欠損の双子シェーンとゼーン(6歳)、トゥーレット症候群、数種類のチックと異常な几帳面さでそれを妨害するものには暴力を辞さないジェシー、そして、何の反応も示さないヴィーナス。
うわーっ。1対1でも大変そうなワルガキたちが4人。いつもなら、反省用の椅子は1脚なのに、今回は5脚。そう、教室で何を話しかけても、ただ時間をすぎるのを待っているように動かないヴィーナスも、誰かが触れると大暴れするのです。やれやれ、トリイの生傷がたえないだろうなぁ。
この本でいちばん問題なのは、助手ジェリーがトリイの教育方針に従ってくれないこと、やさしく忍耐強く子どもたちに接しているので、最初はトリイも自分を恥ずかしく思ったり落ち込んだりしてしまうのだ。
そして“押さえつけたり”教材に“白人のヒーロー”を使うことに対する周りの目にも気を使わねばならなかったのです。でも、ヴィーナスにとって大事なことは、選択性無言症を克服して、他者との信頼関係を作り上げていくこと。今回はジェリーの
“寛容という強硬路線”がトリイの足を引っ張ってしまいます。
一番困るのは中途半端ということなんだよね。ヴィーナスを落着かせるために“押さえつけ”ることができずに脱走するままにしていたら、また、“暴力”でことを解決する、教師の指導に対しても“暴力”で対抗し、“逃げる”が勝ちという“ワザ”を学習させてしまう。落着かせて、ほかの子に怪我をさせるのはよくないけれど、ヴィーナスの気持ちはわかる。学校は決してヴィーナスの存在を否定はしない。別な方法で意志を伝えられるといいね、ということを納得するまで繰り返し経験させないといけないんだよなぁ。
さすがのトリイも今回は“ワザ”をあれこれ試行錯誤してやっと「信号」にたどり着く、これはとってもわかりやすい。障害のために善悪やルールを覚えることが苦手でも、「赤」のカードをトリイが見せれば、「まずいのかな」と理解できる。連鎖反応が抑えられれば指導もよりやりやすくなる。この「信号」と音楽の効果は抜群。クラスの雰囲気がとても楽しいものになるのですが・・・ジェリーは、「行動修正って非人間的だもの。子どもをまるで動物園みたいに扱っているわ」と・・・
トリイはこう反論します。
 「受容と寛容を示し、相手が自分自身に対していい気分でいられるようにするってことが大切なのはわかっているわ。でも、こういう単純な事実は残るのよ。つまり、わたしたちが積極的にことの善悪を教えなければ、子どもたちはそれを学ばないってこと。・・・あの子たちにはいい振る舞いとまちがった振る舞いの違いを積極的に教えてあげなければならないのよ。それが結局はあの子達がもっと幸せで、もっと充実した人間に育っていくってことなのだから」
ジェリーは、
  「わたしたちとは違う生活をしている人たちのことを、わたしたちが価値判断することなんてできないのよ。私は貧困層ではないし、発達が遅れているわけでもない。でもうちのクラスの子どもたちのほとんどは、そういうグループに属しているのよ」と・・・でも、これって“お可哀想に”の発想じゃないかなぁ。人種差別のある国、貧困家庭、障害のある子どもだからこそ、社会で生き抜くために、学力をつけ、自分をコントロールする力や善悪の基準を学ばなければならないのだと、私は思う。チックのせいで罵りの言葉を発しだしたジェシーのマネをグウェニーがします。それ
が面白くてゼーンやシェーンもまねをして・・・いつの間にかみんなで爆笑。
ジェリーは「ジェシーとグウェニーのことを笑うのは、あまり親切なこととはいえないんじゃないかしら」と・・・
ビリーのジェリーに対する反論がなんとも鋭い。
「ジェシーになにか変なところがあって、でもあいつが気を悪くすると思って、あいつがおかしなこといったときに笑うのとやめるとするだろ。そういう時って、おれたちがほんとうにジェシーにはなにかへんなところがあると思ってる時なんだよ。でも、おれたちがさっき思っていたのは、そんなことじゃないんだ。おれたちが思っていたのは、あいつがおかしなことをいったという、そのことだけ。っていうことは、あいつがほかのみんなと違うってことを忘れてたってことなんだよ。だから、それはそれでいいと思うんだ。たまには笑わなきゃ。だっていった中身がほんとうにおかしいんだもの」
歌を歌うことすら拒否したジェリー、クラスにいづらくなって転勤を自ら申し出ることになりました。ジェリーも子どもたちから学べば良かったのになぁ。
トリイでも失敗はある。失敗に気づいたら直せばいい。次に活かせばいい。退院しても言葉を発しないヴィーナスをうつ状態ではないかと心配はするのだけれど、それが虐待が明るみとなり、問題家庭にせよ、自分の家庭に帰れなくなったというヴィーナスの思いだったとは・・・大人の良かれ!!という判断と子供の気持ちはまた別だったんだね。もちろん、結果としてはやさしく親身な里親に育てられるようになって幸せになるのだけれど・・・察することができなかったトリイ。深く反省します。で、兄弟に会えるように工夫をします。ヴィーナスがそれを大泣きして打ち明けてからは、薄皮を剥ぐ様に会話ができるようになります。
ヴィーナスのほんのかすかな兆候、“右手がこっちの本を指差すように動いた”“微笑んだように見えた”“ほかの子を見ている”を見逃さないトリイ、決してあきらめずに挑戦続けたトリイ、そういう現場の教育者を信頼するって、とっても大切ですね。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

ヴィーナスという子 存在を忘れられた少女の物語

読み終えた時の胸が熱くなる感覚はいつも同じ

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:川原 いづみ - この投稿者のレビュー一覧を見る

今回のクラスでは多動傾向の子供たちが複数登場し、毎日毎日が喧嘩の連続。その騒ぎで他の子たちも混乱するし、一人を見ていれば教室からいつの間にか出ていた他の子が校庭で騒ぎを引き起こす……といった具合に、とても慌ただしく気が休まる間もない。その上、トリイと助手のジュリーが子供の指導の仕方で衝突してしまう。厳しく悪い事は悪い、自分の引き起こした事はちゃんと自分で始末させたいトリイと、子供に悪気はないのだからと優しくなぐさめ包み込むジュリー。

トリイ・ヘイデンの一連のノンフィクションでは、彼女の元で困難な障害を持つ子供が少しずつ心を開いていき、人間として進歩していく過程が描かれている。
一口で言ってしまえば同じような話だけど、何冊読んでも飽きない。読み終えた時の胸が熱くなる感覚はいつも同じだと思う。
子供達が持つそれぞれの障害、引き起こされる問題はとても個性的だし、読み手は彼らに対してきっと愛情を感じるだろう。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

ヴィーナスという子 存在を忘れられた少女の物語

トリイとヴィーナスの物語を味わいませんか?

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:かったん - この投稿者のレビュー一覧を見る

選択性無言症? それとも自閉症? 知的障害? そんな診断の枠組みを超えた、トリイのヴィーナスとの関わりに、熱い気持ちを感じさせる物語です。一作目の「シーラという子」を超えて、アメリカにおける児童虐待、人種差別に対する意識や、何らかの障害を持った子供達への関わりに対するソーシャルワークサービス、警察、学校などの矛盾や怒りが込められたノンフィクション。一人の子供の可能性を探る時、様々な機関の大人たちとそのシステムが重要であることも訴えています。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

3 件中 1 件~ 3 件を表示