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電子書籍

侍女の物語 みんなのレビュー

  • マーガレット・アトウッド, 斎藤 英治
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みんなのレビュー3件

みんなの評価3.6

評価内訳

  • 星 5 (1件)
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  • 星 1 (0件)
3 件中 1 件~ 3 件を表示

紙の本

侍女の物語

紙の本侍女の物語

2017/05/03 15:02

キリスト教原理主義の宗教国家

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:コスモス - この投稿者のレビュー一覧を見る

物語の舞台は、近未来のアメリカに
キリスト教原理主義勢力によって誕生した宗教国家、ギレアデ共和国。
環境汚染、原発事故、遺伝子実験によって出生率が低下しています。
数少ない健康な女性は、子供を産むための道具として
支配層である司令官に仕える「侍女」となることが決められています。
その制度を正当化するために、聖書の言葉が巧みに利用されています。

「トランプ政権の未来がここにある」という帯の文言に惹かれて読みましたが、
トランプ政権の跡のアメリカがこのような国家になるとはあまり思えません。
上に挙げたような原因で実際に出生率が低下するという話しに、現実感が持てないからです。もし、そのような状況に陥ったとしても、男女の平等が概ね認められている社会で、キリスト教原理主義の男尊女卑の社会が産まれるとは到底思えないからです。

ここまで、アメリカが「侍女の物語」のような社会になるとは思えないことを述べましたが、本作品が読む価値のない作品であるとは全く思っていません。
世界には、男尊女卑の社会が未だ存在しています。例えば、ISIL(通称「イスラム国」)は、女性を性奴隷にするための制度を戦略的に計画し、理論的に正当化しています。
勘違いしてほしくないですが、この問題について、イスラム教自体を批判しているわけではありません。イスラム教を、そのような制度を正当化するために利用することを批判しているだけです。

ISILの例を見てもわかるように、人権を無視した制度を正当化するために、
宗教の教えを巧みに利用する点については、本作品で描かれている世界は、
実現可能な近未来というよりかは、現在の世界にも通じているような気がします。

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紙の本

侍女の物語

紙の本侍女の物語

2008/04/02 09:13

暗いお話。現実とダブって見える。

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:りっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

 侍女である私は、赤い服を着て、顔が隠れる羽をつけ、緑色の服を着た女中から買い物のリストをもらい、道でもう一人の侍女と待ち合わせて、買い物へ行く。選べるというほどの種類はない。帰りには、教会脇の壁を見に行く。かつての夫が吊るされていないことを確認するために。道々交わす言葉は、決められた文句。余計なことは言わないように気をつけている。相手が「目」であるかもしれないから・・・
 夜は私自身の時間。じっと横になってさえいれば・・・。昔のことを思い出す。一人娘、そして夫。今の生活から比べたら幸せな時代だったのかもしれない。でもこうなる萌芽もあった。本や雑誌が通りで焼かれていた。
女には、お金やカードを持つことも、文字を読むことも禁止される。役割を固定化され、妻は侍女を憎み、女中は侍女を軽蔑する。女同士の分断。
 うたたねの時間。何もすることがないのがつらい。せめて手を動かすものがあれば・・・手芸は妻の仕事であって、侍女にはない。ヘッ。侍女には、自殺予防のため、刃物を持つ自由すらない。酒・タバコも禁止。
 「自由」は危険なことばとなっている。「夜を取り戻せ!!」という運動があったのは、昔の話。強姦されたり、男の目を意識して、痩せたり、整形したり、そんな必要がなくなったのが、「幸福」だと、訓練所で教えられる。そう思うほかに生命を維持できないのだ。
 侍女としての仕事、どこかの国の大臣が言っていたように、子どもを生むためのマシーンなのだ。性行為の何と味気ないこと。妻の腹の上に頭を乗せ、手をつないでの合体。子を作れない妻の代わり。ただ、それだけ。
 出産シーンがこれまた馬鹿馬鹿しい。分娩台が2階建て。妻も出産するかのように台にのるのだ。妻は妻たちに祝われ、侍女は侍女たちに祝われる。この日が、侍女たちにとっても、特別な祝日となる。
 子どもに異常があれば、シュレッダーにかけられる。正常であったら、妻に引き渡して母乳の期間が終わり次第、侍女は別な家で任務に就くことになる。
 妊娠出産という、神秘的(自然的?生物的?)なものが、そんなお手軽なものでよいのか?疑問だなぁ。代理出産。
 司令官のお遊びとして、鞭や鎖の代わりに、ゲームの相手をさせられたり、サロンと言う名の買春宿に連れて行かれたりもする。そこで、昔の友と再会はするのだが、訓練所を脱走したたくましいと信じたと友も、すっかり買春宿になじんでいる。闊達だった母も「コロニー」で、働かされている。
 抵抗組織があると教えてくれた侍女の仲間も、殺されたと聞かされる。妻から娘の写真を見せられ、脅されたからか、味気のない生活からの解放を願ってか、運転手との密会。これも恋とか愛とは関係ない様子。常に怯えながらの暮らし。
 最後に『目』に連行されるが、『メデー(助け)だ。僕を信じたまえ』と言われ、何を信じてわからないまま、車に乗り込む。
 後の世に、彼女の記録を掘り起こした学者たちが推測するも、彼女が助かったのかどうかは不明のまま。
 暗い。暗い話は、今は読みたくないなぁ。特に、信頼できる人が少なくなった今の時代では・・・
 現実も基本的には一緒のような・・・
 考えさせられると言う意味では、いい本なのかもしれないけれど・・・
 今は、元気のでる本を読みたい。
 

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紙の本

侍女の物語

紙の本侍女の物語

2001/10/21 01:19

内容紹介

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:bk1 - この投稿者のレビュー一覧を見る

男性絶対優位の独裁体制が敷かれた近未来国家。壁に囲まれた町には監視の目が光り、反抗する者は容赦なく処刑される。妊娠可能な子宮を持つ「侍女」たちは選ばれし者ではあるが、支配階級にあてがわれ子供を産むための道具でしかない。侍女オブフレッドは、壁の内と外で生き別れたままの娘の身を案じるあまり、反体制派の地下組織と連絡をとり、恋人と共に壁の外へ逃亡しようとする……。自由を奪われた弱者が懸命に生き残ろうとする姿を描く『一九八四年』の姉妹篇的ディストピア小説。カナダ総督文学賞受賞作。

著者紹介
1939年、カナダのオンタリオ州オタワ生まれの詩人・小説家・評論家。トロント大学、ハーバード大学大学院などで英文学を学んだ後、カナダ各地の大学で教鞭をとる。1966年に最初の詩集『サークル・ゲーム』でカナダ総督文学賞を受賞し、1969年発表の長篇小説『食べられる女』では女性の自我の危機を「食べる」行為を通して描き、文壇に衝撃を与えた。アトウッドの作品は世界20カ国以上で翻訳され、カナダ国内のみならずヨーロッパなどでも数々の文学賞を受賞している。最新長篇作TheBlind Assassinで2000年のブッカー賞を受賞した。

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