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電子書籍

昏き目の暗殺者 みんなのレビュー

  • マーガレット・アトウッド, 鴻巣 友季子
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みんなのレビュー5件

みんなの評価3.8

評価内訳

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5 件中 1 件~ 5 件を表示

紙の本

昏き目の暗殺者

紙の本昏き目の暗殺者

2006/03/19 23:55

ブッカー賞・ハメット賞、W受賞作

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ハメット賞も受賞していると言うことで、文学作品っぽい、ミステリかなぁ?と読む前は、想像していましたが、全然、違いました。
 普通の小説というより、小説の王道中の一つの家族の一族ものでした。
何層にも作られたものが、折り重なって、できている作品で上手く、
説明出来るか、心配なのですが、
 大枠は、おばあさんが、過去を思い出して語っているもので、
表題になっているものが事故死した妹が残したノスタルジックあふれる
SF作品の題名です。
 このSF作品も同時に描かれているのですが、このSF作品の中で男性が女性に
語るお話しの中に”昏き目の暗殺者”が、出てくるというもので、またもや、ここでも、二重構造になっています。
 しかし基本の大枠は、一族物で、
一種の名家の没落のお話しになっています、釦(ぼたん)工場の創業者のおじいさん、
そして、第一次世界大戦に出征して心も身体も傷ついたお父さん、
それに、違和感を持っていた、お母さん、
生活するということにかけては、物凄くパワフルな、母親の死後、母親代わりだった、メイド。
 そして、感受性豊かで、自由奔放な妹、(この方が、SF作品を書いたわけです) そして、没落していく、我が家と工場を守るため、
商売敵と結婚を余儀なくされた、私と、成っています。
 ”キャラ立ち”しているのは、この母親代わりになったメイドさんと
自由奔放な妹さん、このメイドさんは、学問はないけれど
人生と言うか、人間の深遠を見据えたような、意見をすばっと、
言います。それが、兎に角、小気味よいです。このメイドさんが結婚してから、ちょっと出番がなくなったのが残念ですが、これも、名家の家がメイドさんを抱えていた時期が、良かったと、思わせるテクニックかもしれません。
 又、この妹さんも、我儘に見えがちですが、そうならないところが、
上手いです。色んなしがらみにとらわれている、主人公からは、
一種憧れに近いものさえ感じられます。
 兎に角、大河物語の魅力と語りの魅力で、どんどん話は、進んでいきます。
で、SF作品のパートでは、時折、この一家の地元の
報道の記事が、少し小説内での事実を、先取りや、伏線をはる意味
で挿入されていて、まぁ、深読みや、これが、あの時の、、とか、思い、
 兎に角、本当に小説として、よく出来た作品です、
深読みしていると、疲れてしまうのも、事実ですが、、。
 しかし、全ての枠組みを壊すような、
告白が、ラストでなされたり、やっぱりミステリだったかなぁとも
思っちゃいます。

 兎に角、多重に出来た作品で、重厚な風合いたっぷりで、
読み応えもたっぷりです。

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紙の本

昏き目の暗殺者

紙の本昏き目の暗殺者

2003/12/03 20:34

何度みても、「昏き日の暗殺者」って読んじゃうんだよね、目じゃなくて日。大体、私の大雑把な感覚からいうと「昏き」っていう漢字が「目」に結びつかないんだね

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

「一人の老女アイリスが回想するのは、20世紀初頭、釦工業で財をなしたチェイス家の没落の歴史と、破天荒に生き、死んでいった妹のローラのことだった」現代文学。2000年のブッカー賞、2001年のハメット賞の受賞作品。後者の名前から連想して推理小説を期待するむきもあるだろうが、どちらかというと80年近い時の流れを描く歴史小説、あるいは現代小説といったほうがいい。アトウッドはカナダ生まれの女流作家で1939年生まれ。

アイリスが回想をしているのは、1999年に彼女が亡くなっていることを考えれば、それから数年前のことだろう。彼女が生まれたのは1916年。その三年後、妹のローラが生まれる。家は、ポート・タイコンデローガの町の名家チェイス家。祖父ベンジャミンが工場を創設し、釦工場で財をなした家である。長男で父のノーヴァルが母リリアナと結婚したのが1914年。2人の娘が生まれた頃には、すでに業績に翳りが見えてきている。父の女遊びが激しくなったことも、それに関係しているかもしれない。

ローラが物心ついたころ、三人目の子供を妊っていた母は、子供を死産して自身も死ぬ。人のためになることを願っていたリリアナに代わって、娘たちを見守ったのが、アイリスより16歳年上のリーニー。チェイス家のお手伝いである。といっても、彼女は家を乗っ取るなどという考えを抱くことは無い。そういう意味では、父親の女性問題は話し全体に影を落とさない。

話は、現在のアイリス、彼女の時代からライバルのリチャード・グリフィンに18歳の時嫁ぐ子供エイミーを出産するまでと、終戦後の1945年事故で橋から転落して死んだ25歳のローラの残した伝説的SF小説『昏き目の暗殺者』、そして、チェイス家に関する事件を扱った新聞記事からなる。特に、はっきりと連続した時代の流れを感じさせるのは、アイリスが出産するまでで、あとは時代が自由にとぶ。

アイリスの夫リチャード・グリフィンと、彼の妹でアイリスの死の一年前に亡くなるウィニフレッド、アイリスの娘で、1975年にアパートの地下で事故死した38歳のエイミー、ウィニフレッドに奪われ、13歳の時家出した孫のサブリナなどが出てくるが、この小説で最も印象的なのは、アイリスの妹で若くして亡くなったローラと、嫁ぎ先の小姑ウィニフレッドだろう。

幼い時から人の言うことを聞かず、学校に行くこともなく、両親の言うことも姉の忠告にも耳を貸さないローラ。彼女は、家が没落しても、それすら理解しているかどうかも怪しい。それでいて、後年になると強かな生き方を見せつける。男性ならずとも読んでいて胸糞が悪くなるような存在だ。そして、自分は結婚もせずに兄と嫁を操ろうとするウィニフレッド。女たちの繰り広げるドラマの前に、男の影も霞んでしまう。

色々な書評で、ローラの書いた小説『昏き目の暗殺者』をSFとしているが、本当にそれが妥当かは疑問だと思う。男が語る異次元の話、惑星ザイクロンの町サキエル・ノーンの風景、古代の神々へ捧げる儀式などがあるから、では余りに短絡している。その部分は、どちらかといえば、時代設定が曖昧な、多分寝床の中であろう男女の会話である。だから、これはローラの文章だから、と割り切ってしまったほうが、全体が理解しやすくなる。

全く話は違うけれど、ジェーン・オースティンの『高慢と偏見』を併読していて、似ているなあと思ってしまった。なにも、没落しつつある家の姉妹という設定だけではない。張り巡らされた伏線が、後半になって生きてくる見事さも似ている。その部分が、ハメット賞という推理小説としての評価に繋がったのだろうか。でも、それはあくまで手法の話。ともかく、全体としては女性を巡る大河小説なのだ。巻頭にある系図は思った以上に重要。あっさりと通して読むのではなく、何度か後戻りし、確認しながら読めば、面白さが倍になること請け合い。

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紙の本

昏き目の暗殺者

紙の本昏き目の暗殺者

2016/04/03 11:06

ひとつのジャンルに収まらない長編小説

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:更夜 - この投稿者のレビュー一覧を見る

登山に例えるならば、頂上は見えているのになかなかたどり着けない手ごわい山みたいな小説でした。

 入れ子式で、作中に出てくる『昏き目の暗殺者』はSFのような小説です。
しかし、一族の物語であり、フーダニットの犯罪小説でもありますし、「昏き目の暗殺者」とは一体誰か、というミステリでもあります。
愉快というより、逆、ちくちくと居心地悪いような辛辣な愛憎劇が繰り広げられてしまいますが、真実は何?とか誰が?とか目をそらすことができません。

 著者、マーガレット・アトウッドはカナダの作家であり、舞台もカナダです。
時代は20世紀初頭。ボタン工業で財を成したチェイス家。
初代から見ると孫にあたる、アイリスとローラの姉妹。
物語の冒頭は25歳になったローラが自動車事故で亡くなる所から始まります。
その事故が起きたのは1945年の事でした。

 カナダの裕福な家に生まれ、学校へ行く事なく、2人だけの世界で少女時代を過ごす事になったアイリスとローラ。
戦争景気が過ぎると、大恐慌時代がやってきて、家も落ち目に。
丁度、18歳になった姉、アイリスは大企業一族、グリフィン家と政略結婚する。
夫リチャード・グリフィンははるか年上で、その妹、何かと口をはさんで仕切ろうとする小姑、ウィニフレッドに悩まされる、アイリス。

 神経過敏な、情緒不安定な妹、ローラもグリフィン一族の世話になることに。
だんだん、辛辣過激になってくるお互いの関係。
しかし、はさまれる新聞記事では、社交界に華々しくデビューし、パーティに社交にといつも注目をあびる仲の良い夫婦を演じるリチャードとアイリス。

 そしてその間に『昏き目の暗殺者』というローラが書いた小説が断片的に挟まれます。
生贄にされるために舌を切られて話せない少女と絨毯織の重労働で盲目になった暗殺団の少年の出会いと逃避行。

 物語の構成は非常に凝っているので、突然現代の老女となったアイリスの話になるかと思うと、作中小説になり、アイリスやローラの少女時代になり・・・と話はなかなか進みません。
カナダの映画もそうですが、カナダの小説も「アメリカのとなり」という事と英語圏であるという特殊性を持っています。

 読むのに丸一日かかってしまいましたが、例えばこの本を通勤電車や昼休みに断片的に読もうとしたらもう、訳わからなくなる、と思い休日に一気読みしました。
ホップ・ステップと勢いつけてジャ~~~ンプしないと読み切れない手ごわさを持っています。
ただ、最後まで読むと、色々な苦しい、苦い経験、戦争、家の没落・・・様々な経験を経て、それでもしたたかに生きていく強さが胸を打ちます。同時に、そのしたたかさにぞくっと怖い寒気も。

 描写がとにかく細かくて、どんな服装をしていたか、館はどんな風か、どんな食べ物が出たか、カナダの季節はどういう季節か、冬の厳しさはどうか、みっしり描き込まれています。
最初は冗長かな、と思ったのですが、慣れてくると大丈夫。こういうハード登山的読書もたまにはしないと、簡単手ごろなすぐ読めちゃう、わかってしまう本ばかりでは物足りなくなってきます。

 読み終わった時の満足感は、読むの大変だったことを十分回収できる深いものでした。
人は目の前で起きている事に気が付かないBlindであることがとても多いんですね。
原題は、The Blind Assassin。
英国ブッカー賞、アメリカ、ダシール・ハメット賞を受賞。

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紙の本

昏き目の暗殺者

紙の本昏き目の暗殺者

2002/12/08 19:29

編集部コメント

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:早川書房編集部 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 稀代の物語作家アトウッドが贈る、ブッカー賞、ハメット賞受賞作。
 本書は「あらゆる物語の粋を集めた」といえる大作です。82歳のおばあさん(これがなかなかイジワルな曲者!)が語る回想記の形をとりながら、さまざまなストーリーがこめられた物語なのです。裕福でありながら時代に流され、没落していくある一族の波瀾に満ちたサーガ。身分違いの切ないロマンスに複雑な三角関係が絡む恋愛物語。登場人物が発表し物議を醸すことになる作中小説『昏き目の暗殺者』(そう、本書と同タイトルです)のなかで男女が寝物語に紡ぐパルプSF。そして、物語全体を覆う神話的ファンタジイ・・・。

「難しそう」と躊躇している方に、ぜひオススメしたい、思わず笑ってしまうところをご紹介しましょう。それは、“作中作中作”となっているSF小説の部分。通俗的ないかがわしさがあって、なんともいい味を出しています。章のタイトルに「桃女(ピーチ・ウーマン)」なんていうのがあるのですよ! ここはひと昔前のSF映画を観ているような気分にさせられ、ニヤリとすること請け合いです。
 それから、タイトルの「昏き目の暗殺者(直訳すると“盲目の暗殺者”)」には、いくつもの意味が込められているのですが、いちばんわかりやすいのが、やはりこのSF小説の中に出てくるある惑星の話です。絨緞など凝った手工芸が尊ばれるその地では、作業に適しているのは子どもの小さく細い指。でも、あまりにも過酷な細かい作業で子どもたちはすぐに視力を失ってしまいます。絨緞のクオリティを計るのに、どんなことが物差しにされることやら・・・。そして、その子どもたちの第二の人生とは・・・。残酷でブラックな世界をお楽しみください。

 ここで、アトウッドについて簡単にご紹介を。
 小説のほか詩・評論などでも活躍する「カナダ文学の女神」。1966年詩集『サークル・ゲーム』でデビュー。1986年発表の『侍女の物語』で自由を束縛された未来社会を諷刺に満ちた筆致で描き、ジャンルを超え、世界中にその名を知らしめた。本書で英国圏最高の文芸の賞であるブッカー賞、北米の優秀なミステリに与えられるハメット賞を受賞。

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紙の本

昏き目の暗殺者

紙の本昏き目の暗殺者

2002/12/20 15:52

ヤケにステキにねじれたパルプフィクション

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:越川芳明 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 アトウッドは、どうしてこうした複雑な語り形式を取らなければならなかったのか。
 複雑な形式というのは、つぎの4種類の語りを混ぜこぜにしているからだ。(1)老女(83歳)アイリスの語るチェイス家一代記 (2)地方新聞の記事、ゴシップ誌の切り抜き (3)アイリスの妹ローラの作とされる不倫小説『昏き目の暗殺者』 (4)(3)の小説の主人公の男が語る猟奇的SFファンタジー。
 物語として断然面白いのは、パルプ的感性豊かなジャンクフィクションの(4)だ。舞台は、どこか中東地帯を髣髴とさせるサキエル・ノーン。そこの住民ザイクロン人の打ち立てた都市は、「この世の理想郷」とされるが、実は、貴族と奴隷に別れたきびしい階級社会であり、奴隷少年たちは織り目の細かい絨毯作りを強制され、8歳か9歳でみな失明の憂き目にあう。<昏き目の暗殺者>とは、絨毯作りで失明した子供たちの中で、雇われの刺客になる者のことらしい。
 ところで、“パルプフィクション”とは1930年代、40年代に大流行した安っぽく俗悪なジャンル本(SF、ミステリ)のことだが、(4)で語られるSF的なパルプ物語も、舌を抜かれた処女を生贄にしたり凌辱したりといったように、暴力とセックス、裏切りと復讐をめぐるアクションが次々と出てきて、読者を飽きさせない。と同時に、“出口のない楽園は地獄だ”といった不思議な逆説に満ちた世界でもある。
 一方、そうしたパルプフィクションが流行った時代の、カナダの都会トロントとその周辺の田舎を舞台にした愛と裏切りの物語(1)の語りは、退屈とはいわないまでも、冗漫だ。もっとも、(1)の語り手アイリスはプロの書き手ではないし、もっというならば、19世紀に成り上がったブルジョワ一家の甘やかされた娘でもある。
 作者アトウッドとしてはそうした時代の衣食住にわたる細部を書くことは必要だったのかもしれない。というのも、(2)の新聞や雑誌の記事と共に(1)のアイリスの物語から浮かびあがってくるのが、大恐慌の時代において、渦中にある者が移民や難民や労働者を“アカ”といって排斥するだけでなく、ヒットラーの台頭を讃美しさえし、時代思潮の波に盲目的に呑み込まれてしまう姿だからだ。
 そんなわけで、アトウッドの頭の中には、後に“戦争の世紀”と呼ばれる20世紀のカナダ史の暗い側面を、ブルジョワ貴族娘とプロレタリアート青年との不倫物語(3)を通して語るという壮大な企図があったのではないか。そう考えるとき、(4)を含むこの小説は、はデイヴィッド・リンチの映画みたいに、俗悪だけど、ヤケにステキにねじれたパルプフィクションだな、と思えてくるのである。(bk1ブックナビゲーター:越川芳明/ノマド翻訳家)

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