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電子書籍

月光とアムネジア みんなのレビュー

  • 牧野 修
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みんなのレビュー2件

みんなの評価4.0

評価内訳

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紙の本

月光とアムネジア

紙の本月光とアムネジア

2006/08/25 15:17

境界は存在しない

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:中乃造 - この投稿者のレビュー一覧を見る

読了した時、ひとつの小説を思い出していた。『浦島さん』という短編で、作者は太宰治。十代の頃に読んで受けた衝撃は今でも忘れられないほどのものだった。『浦島さん』の中に太宰はこう書いている。
「年月は、人間の救いである。
 忘却は、人間の救いである。」

さて、牧野修の『月光とアムネジア』はSF、幻想小説である。
<レーテ>という特殊空間に入ると、三時間ごとに記憶がリセットされてしまう。リセットを繰り返せば負担が大きくなり後に障害が残る。
この<レーテ>に、伝説的殺人者である町田月光夜が入り込んだ。彼を追うのは県警の特務部隊と、月光夜に裏切られた犯罪結社<ホッファ窯変の会>である。
警察官の漆他山はかつて<レーテ>に入ったことがあり、記憶障害で入院していた。他山は月光夜を追う特務部隊に選ばれる。<レーテ>経験者は空間から受ける影響が軽度になるからだ。

作品はエンタテイメントの王道を行く。謎めいた月光夜はもちろん、特殊部隊の面々も強烈な個性を持っている。予期せぬアクシデント、記憶の定かならぬせいで生まれる不信。狽や水牛など<レーテ>内の生物は、読んでいて嬉しくなる気味悪さだ。
これらの要素は、作品が純然たるエンタテイメントであることを主張しているようにさえ思える。

では単なるサバイバルゲームか。そうであればラストがあんなに物哀しいはずがない。
これは記憶と忘却の物語であり、そして他山の物語だ。
他山はかつて<レーテ>に入り、記憶に障害を負っていた。隠された他山の過去、あるいは過去を失っていた他山こそが、核だ。もうひとつの核である月光夜と融合する時、『月光とアムネジア』は顕になる。
そして私は、はじめに挙げた純文学作品を思い起こさなければならなかった。忘却は救いか否か。『月光とアムネジア』は太宰ほど親切ではなく、明確な答えを示してはくれないのだが。

そしてまた、この虚構世界は現実を引き寄せる。記憶と忘却が積み重なる平凡な日常に波紋を投げかける。<レーテ>を取り巻く帯状の霧<愚者の王冠(クラウン・オブ・クラウン)>は電磁波を遮断するかもしれないが、読者にとって境界の役目を果たしていないようだ。
そういえば、キテレツな造語が飛び交う中に<オモイデ造り>というものがあった。<レーテ>経験者が身に着けてしまうことのある能力のひとつで、他人の記憶に新しい記憶を付け加える能力である。行事の際など何気なく使われる言葉と同じ響きを持つことは、ちょっとしたジョーク以上の意味があるようにも感じる。

とか言いながら、この作品はやはりドキドキワクワク読むのが一番楽しいに違いない。心の底からそう思う。本当に。

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紙の本

月光とアムネジア

紙の本月光とアムネジア

2007/10/11 21:17

誰が殺人者なのか。どこにいるのか。側にいるのか。近くに潜入しているのか。それとも・・・。

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:どーなつ - この投稿者のレビュー一覧を見る

“レーテ”とは、入りこんだ者の記憶を三時間ごとにリセットし、重篤な認知障害を引き起こす特殊空間が、直径数キロ以上にわたって出現する現象のことをさします。
レーテと呼ばれる特殊空間に入ったものが引き起こす障害のことを<レーテ性認知障害症候群>と呼び、これは3時間おきに記憶がリセットされてしまうという厄介な障害なのです。
そこへ60年間、誰にも姿を見られることなく殺しを続けてきた伝説の殺人者、町田月光夜が入り込み、それを追って元殺人課の刑事である漆他山を含めた特殊部隊がレーテに潜入を試みることになります。

もう何が何だか分かりません。混乱します。
せっかく何か情報を掴んでも、3時間後には全てパァになっているわけですから、自分の立ち位置、なすべき仕事、すべてが無意味に思えてしまいます。
いちおう2班に別れて認知障害に対処をしているのですが、やはり完璧とはいえません。
そんな中できっと殺人者町田月光夜は生きている。
レーテの中で出会った謎の少女。奇怪な現象。意味不明な生物。人間の死体。
誰が殺人者なのか。どこにいるのか。側にいるのか。近くに潜入しているのか。それとも・・・。
疑いだせばキリがない状況に陥っていくのは目に見えています。
いかにも、牧野作品という感じのお話でした。

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