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クラーケン みんなのレビュー

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紙の本

クラーケン 上

紙の本クラーケン 上

2013/11/16 14:36

ロンドン烏賊大戦

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投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る

伝説のクラーケン、すなわちダイオウイカ。2004年にフォークランド沖で捕獲され、そして2013年に窪寺博士らとNHKによって深海の姿を撮影された。捕獲後に博物館ダーウィンセンターで展示されていた標本が盗難される。
誰が、なぜ、なんの利益があるのか。探っていくと、ダイオウイカを神と崇めるカルト教団の存在が浮かび上がる。イカが神って、たしかにクラーケンではある。だがそれだけではない、様々な怪しげな組織や人物が次々に浮かび上がってくる。なんとロンドンは、永い歴史の中で培われて来たカルト、怪人、精霊達が無数に跋扈する魔都だった。そこにはエジプト以来の怨念であったり、泡沫のように溢れる異端であったり、社会主義的イデオロギーの残滓まである。
ロンドンは、ケルトやローマの時代から、大英帝国の栄光、産業革命といった長い歴史の積み重ねの過程で、また人々の怨嗟をも幾層にも培ってきていたことが、このダイオウイカ事件で一気に噴出する。
そうしてダイオウイカの捜索にかこつけて、各派間の追いつ追われつ、騙し騙されの潰し合い、チェイスと魔術合戦が繰り広げられる。荒俣宏「帝都物語」のロンドン版みたいでもある。しかしポストモダン時代にあっては、正邪の区別も敵味方も曖昧でも混沌とし、魔術と最先端科学、それに各方面の異端までが区別なく並存している。
そんな中で、平凡な博物館員だったはずが、ロンドンのもう一つの世界に引きずり込まれていく主人公が、実は世界初の試験管ベビーだったという因果も、魔都の住人達の信ずるものの不安定さを示しているようだし、ジャーゴンを吐きまくる魔女っ子婦人警官はあらゆる旧来社会を嘲笑している。組織化されてストライキ中の使い魔達は、倦怠に飽いてもいて、また沈み込もうともしている。
消え行く魔物もいれば、きっとまた新しい歪みから生み出されるものがいる。それらは世代間の断絶でもなく、ただ永遠にアップデートされていく都市の一瞬なのかもしれない。我々と同じまったく普通の人々が、ふと世界の変化の兆候に触れてしまった時、不気味な幻想世界の裂け目が口を開けて待っている。そこは古典的な神話や妖精の世界ばかりではない、機械油にまみれ、資本主義を悪罵する人々もいれば、ネットジャンキーもいる。そういう世界のシフトを再構成していく、ドライブ感のある物語だ。

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