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福祉を変える経営 みんなのレビュー

  • 小倉昌男 (著)
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みんなのレビュー3件

みんなの評価4.5

評価内訳

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4 件中 1 件~ 4 件を表示

経営のプロの意識革命

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:青木みや - この投稿者のレビュー一覧を見る

 福祉は、いままで「措置」つまり「行政による援助」であり、「可哀想な人たちへのほどこし」であった。福祉に携わっている人たち自身もその考えから抜け出せずに、「福祉を一生懸命にやっている私たち」に満足し、障害者が1ヶ月働いた給与が1万円にしかならなくても、痛痒を感じていなかった面がなかったとはいえない。

 それに対して、「1ヶ月働いて1万円というのはおかしくないのか」という「当たり前」の疑問を持ち、疑問だけではなく、障害者が働いて稼げる具体的な手法とシステムを提示したのが小倉昌男の偉大さである。
 小倉は、1995年にヤマト福祉財団を成立し、考えた。障害者の自立とは、働いて収入を得て生活できるようになることではないか。

 「働いて自立すること」は「障害者」をかぶせなければ、大人であれば当たり前のことで、働いて自立しない大人は、ダメ人間と言われるのだ。だが、「障害者」とつくだけで、働けないこと、収入を得られないことは当然のように考えられてきた。もちろん障害の度合いにもよるだろうが、障害者だって、働いて自立したいのだ。そして、小倉は、福祉に携わる人たち向けに「経営パワーアップセミナー」を開催し、経営の基礎を教える。
 本書は小倉が、ヤマト運輸で培ってきた経営のノウハウが満載されている。

 「売れるモノをつくる」ことはとても大事なことだけど、
 「売れる仕組みを考える」ことはもっと大事なことだ、ということです。
  (第2章 福祉を変える経済学 116p)

 小倉がモデルとして作った「仕組み」がパン屋「スワンベーカリー」だった。「アンデルセン」「リトルマーメイド」などのタカキベーカリーから、冷凍パン生地の技術指導を受け、「スワンベーカリー」でパンを焼いて売るのだ。
 小倉は自ら、広島のタカキベーカリー本社研修センターに赴き、冷凍パン生地を使って、パンを焼く。

 もちろんそれまでパンなど焼いたことがありません。
 ところが見事においしいパンが焼けた。(中略)。
 私ができるならば、障害者にだってできる。
 (第1章 障害者の自立を目指そう!私の福祉革命 75p)

 もちろん障害者だけでは、店は上手くいかない。スワンベーカリーでは健常者を障害者と同程度揃えている、という。それでも、スワンベーカリー銀座店では、障害者がフルに働けると10万円程度の月給になるのだ。ひとり暮らしをするには足りないかもしれないが、食費と自分の欲しいものは買えて、貯金できるくらいのお金だ。

 本書を読んでいると、「障害者が作ったんだから」多少高かったりしても買えというのは、「慈善」の押し売りではないか?ということに気付く。

 小倉は、「健常者がやってあげている」福祉の世界に、「障害者の力を信じて引き出す」福祉、という意識革命を起こした。一流の経営者はどの世界に行っても、一流なのだ、ということをまざまざと知る。

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慈善事業と経営戦略

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:さいとうゆう - この投稿者のレビュー一覧を見る

 以前、わが家にこんな訪問客があった。何の気なしに玄関の扉を開けると、20代前半くらいの女性が、福祉作業所で作った化学雑巾を買ってくれと言う。2枚で2000円。思わず私は聞いてしまった。「その雑巾はそんなに価値があるものなのですか?」と。相手が答える。「これは、障害を持つ方々が一生懸命作業所で作った雑巾なのです」。使命感に裏打ちされた頑なな意志と、傲慢なまでの誠実さが彼女の顔には表れていた。

 何とも言えない不愉快さがこみ上げる。これではただの押し売りではないか。怒鳴りつけるわけにもいかず、その場をやり過ごしたい一心で、露骨に不機嫌な態度を顕わにしながら、その商品を購入した記憶が私にはある。

 小倉昌男は、自らの経営セミナーで参加者にこう問い掛ける。

「みなさん方は障害者のために小規模作業所をつくり、献身的に仕事をしている。しかし、そこで働いている障害者は月に一万円以下しかもらっていません。逆に言うと、皆さんは一万円以下しか障害者に給料を払っていない。それでいいんですか。見方を変えたら搾取と言われてもしようがないでしょう」(p.66)

 「福祉とはよいことである」という前提は、その仕事に打ち込む動機づけとともに視野狭窄をもたらしてしまうのかもしれない。自らが弱者を「弱者」として聖化していることに気づかず、そして自らの慈善精神を他人も共有して当然だという確信をあからさまにして恥じ入ることがない。

 誰が作ったものだろうが、いいものならば客は買う。当たり前だ。売り手に買わせようとする配慮もなく、「福祉事業」の名のもとになされる「やさしさ」の押し売りは金輪際ご免である。小倉昌男の説くことは至極真っ当だ。

《いま、障害者に必要なのは、社会に出て健常者と肩を並べて仕事をし、自立できるだけの給料をとる仕組みをつくることではないか。それが真のノーマライゼーションだろう》(p.46)

 重度の身体障害を持つ評論家の櫻田淳が、補助金生活から脱却し、納税者となったときの喜びを感慨深く語っていたことを思い出す。

 手厚い保護は「愛情」ではない。むしろ成熟への「疎外」だ。同じく「哀れみ」は「優越感」に支えられてはじめて機能する。「かわいそう」という言葉ほど、相手に失礼なものはない。

 「経営」という発想を手に入れてようやく、作業所は「企業」になる。そして実際、小倉昌男はいくつかの事業をすでに成功させている。焼きたてパンの店「スワン・ベーカリー」と併設された「スワン・カフェ」は着々とその業績と店舗数を増やし、2003年には「スワン製炭」を立ち上げ、障害者による木炭事業を本格化していると言う。「パン」といい「炭」といい、消費者の動向をつかまえた事業展開はさすがとしか言いようがない。

 他にも豆腐や惣菜の製造販売から、クリーニング・ビル清掃など、現在活動している団体もいくつか紹介されていて、その裾野が今後どんどん広がっていくことは間違いない。

 また、小倉昌男の経営哲学が本書には一貫して流れているので、働いているすべての人が読者対象として合致しうる。私などは逆に問わねばなるまい。自分が受け取っている給料に見合ったサービスあるいは業績を、会社や顧客に対して提供しえているかどうか、と。

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出版社コメント

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:日経BP出版センター* - この投稿者のレビュー一覧を見る

カリスマ経営者、小倉昌男 最新作!

お役所頼みで補助金頼りの福祉政策では障害者の幸せは実現できない! いまこそ「もうかる経営」を実践して、障害者が「自分で稼いで生きていける」仕組みを完成すべきだ! 宅急便の生みの親にして、数々の国の規制と戦った小倉昌男元ヤマト運輸会長が、みずからの私財を投入したヤマト福祉財団を率い、福祉の世界の革命に乗り出した。「福祉」の美名のもとに、いっこうに障害者の幸せにつながらない今の福祉政策を徹底的に論破し、自ら考案した焼きたてパン販売事業や製炭事業の伝道で障害者施設のビジネスに経営力をつけさせ、毎年多くのセミナーで福祉関係者に「経営」の真髄を伝授する。真の市場主義者にして民主主義者、小倉昌男のほんとうの「ノーマライゼーション」社会を実現させるための理論と実践の一冊!

■目次
第1章 障害者の自立を目指そう! 私の福祉革命
ヤマト福祉財団について
私が福祉の仕事に就いた理由
たった月給一万円! 障害者就労の現実
障害者の働く場、共同作業所
経営を知らない作業所の問題
ノーマライゼーションから程遠い日本の障害者
国が招いた障害者差別——ハンセン病の場合
いまだに差別と隣り合わせ
経営セミナーで共同作業所の経営を改革しよう
「すばらしいことをやっている」という意識を変えてください
経営セミナーの中身
月給一万円からの脱出を目指そう
ノーマライゼーションで障害者に笑顔を
木炭事業で新たな活路を
一般企業よ、障害者に門戸を開け

第2章 福祉を変える経済学
「福祉的就労」という言葉のウソ
「福祉的経済」という経済は存在しない
市場経済におけるノーマライゼーション
日本の経済は資本主義・市場経済で動いている
社会主義・計画経済がうまくいかない理由
中国のサンパチ主義
市場経済とは「神の見えざる手」に任せること
「福祉」を市場経済に組み込むには
賃金とはなんだろうか
「つくること」と「売ること」、どちらが大事ですか
経営学はけっして難しいものではない
一次産業、二次産業、三次産業
モノから心へ、消費者から生活者へ
「付加価値」が儲けを生み出す
デメリットあるところにビジネスチャンスあり
買い手の立場でものを考えよう

第3章 福祉を変える経営学
経営とは「収入-経費=利益」を理解すること
「良い物を作れば売れる」は間違いです
良いサービスの実現が売れる仕組みにつながる
マーケティングとマーチャンダイジング
商圏を考える
オンリーワン商品が求められる
既存の流通チャンネルを利用しよう
頭を使って、小売業を展開する
スーパーからコンビニへ、大量生産大量消費から多品種少量消費へ
インターネットに携帯電話、ITの積極活用を考えよう
サービスの要諦は人の「やる気」を引き出すこと
障害者のやる気を引き出すには
「月給一万円」脱出、最後の奥の手

第4章 先進共同作業所の経営に学ぼう
ケース1 パン製造・販売 スワンベーカリー十条店〜立地の悪さをアイデアで克服
ケース2 豆腐製造・販売 はらから福祉会〜手作り豆腐で月給五万円
ケース3 食品・ウェスの製造・販売、クリーニング 一麦会・麦の郷〜多様な事業で多様な障害者に雇用の場を提供
ケース4 ビル掃除 ストローク〜株式会社化で障害者雇用をビジネスにする
ケース5 清掃・警備・各種家庭用品の宅配など わんからセンター〜多彩な事業展開で事業を伸ばす

あとがき
付録 ヤマト福祉財団について

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経営を学べってことです。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぶっくま - この投稿者のレビュー一覧を見る

小規模授産施設などはよく知っていますが、確かに「こんなものを作っていてどうするの?」とは思っていました。一部大規模資本は、本にも書いてありますが、クリーニング工場を作ったりしています。この本で取り上げている「スワンベーカリー」は、大手パン屋からタネを買い、コーヒーも高級なものを取り寄せています。人員配置も工夫しているようです。この本を読んで、どうしたら月給一万円から脱出できるかは、もちろん具体的には書いていません。福祉に携わる人の意識改革を訴える内容です。つまり、「経営を学べ」ってことですね。それだけ言われても心にストンとは落ちないでしょう。いまは小倉さんが亡くなって直接講義を受けることはできないため、この本を読んで講義を受けたように感じるのもよいと思います。

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