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電子書籍

吉原手引草 みんなのレビュー

  • 松井今朝子 (著)
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みんなのレビュー3件

みんなの評価4.3

評価内訳

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紙の本

吉原手引草

紙の本吉原手引草

2011/10/11 19:27

他人は自分をどう見ているのか。16人が語るひとりの花魁の姿。

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:更夜 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 自分がこうと思う自分と他人から見た自分が一致するということはまずありえないと思っています。
自分の声を録音したものを聞いた時、自分の声は、頭蓋骨に響いて身体の中から出てくる声と
録音された(他人が聞く)声が違っているのと同様だと思います。

 この物語は江戸時代の一文化ともいえる吉原で、一番ともいわれた葛城花魁をめぐる16人の
証言を集めたものです。
まず、誰が何のために葛城の起こした騒ぎの真相を知りたいと思うのか、いわば探偵である人物の
姿は見えません。
あくまでも、話を聞かれたものの喋り言葉のみで構成されています。
誰もが「若くてちょっといい男」と言う。

 吉原という聞いたことはあるけれど、具体的に中はどうだったのか、今となって再現は難しい
ところ作者は、吉原で働く者、吉原に通い熟知している者に語らせ、その吉原とはどんな仕組みに
なっていたのか、どういう人々が集い、どんなしきたりがあったのか・・・まるで映像を見ているかの
ように再現させています。

 手引茶屋内儀、見世番、番頭、遣手、女衒・・・といった、今で言う店の主人、女将、用心棒、花魁や女郎
たちの見張り、吉原の中にある古着屋、そして客として葛城に接した者たち。
しかし、誰もが葛城の騒ぎをあまり語りたがらない。何があったのか。それをひっぱる力がまずあります。

 花魁というのは吉原の中でも特に選ばれた者でないと、美しいばかりでなく才覚がないとなれない
いわば歌舞伎の千両役者とも言うべきで、誰かれもがなれるわけではありません。

 花魁ともなると着物、調度品、使う下の者の教育からすべて自腹でやるか、ごひいきの
力を借りなければならない。
そのすさまじいまでの厳しい競争の世界で花魁という一番の高さまで登りつめた花魁、葛城。
不思議と葛城を悪く言う人がいない。容姿も美しかったけれど、客人に媚びをあまり売らず、
おのずと人好きがするような人物である、と口ぐちに言う。
人の悪口陰口は言わず、身にまとう着物の趣味の良さ、客人との駆け引きのうまさ、賢く、書も上手い、
いやがらせがあっても動じない度胸・・・悪い所など ないように思います。

 ただ一人だけは「嘘つきだった」と話しますが、吉原の世界は嘘で固められた世界。
吉原の色恋はすべて嘘という砂でできた城のようなもの。
そして、そこで大枚をはたいて、遊ぶことは一種の金持であることのステイタスなのです。

 しかし、花魁には到底なれず年老いてしまっても吉原でしか働けない者たちの話がふんだんに
入っており、上下左右あらゆる16の角度から見た吉原です。
そして、16人が語る16通りの葛城という一人の女。本人の弁がないけれど、自称してしまえば
それも「自分がこうと考える自分」であり、一体、人間の正体というのはどこにあり、何を基準にするのか、
花魁に限らず、一人の人間が社会の中でとった行動はどう周りからはとらえられるのか。
人間と人間の間にある思いこみと決め付けいう距離をくっきりと描き出しています。

 ひとり沈黙を守って筋を通した葛城の姿は夏の逃げ水のようにきらりと光るかと思うと さっと消え、逃げてしまう。
葛城本人しか真意はわからない、16人の弁から見える葛城は、ひとことで
言うととても切ないけれど、凛としています。どんなに花魁という吉原最高の地位になっても、結局、身請けされ
なければ外に出られず、一生、吉原育ちを背負って生きていかなければならない身なのです。
それを十分熟知した上でとった葛城の行動とその真意には、並々ならぬ筋が通っていて恐ろしいくらいです。

 残念ながら、誰からも好かれるは、今の時代でも無理があり、無理があるからこそ、人は悩み、
自分を客観する事が出来る人は何かしらの成長があり、自分の道をすすんでいくしかないのです。
自分の今いる立場に溺れず、常に上を目指すのではなく、周囲をきちんと見極める、そんな
難しさをつくづく感じますが、作者は、背筋を伸ばして、どんな立場、身分の者であっても、
その誇りを捨てない姿、誇りに上下も善悪も大小もないことを垣間見える葛城の姿でもって
見事に描き出しています。

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紙の本

吉原手引草

紙の本吉原手引草

2013/04/25 18:36

花魁

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ジミーぺージ - この投稿者のレビュー一覧を見る

落語を聞いているような感じで読み進むミステリー小説です。
吉原のことや花魁のことがわかりやすく書かれていますので、吉原に興味のある人にはお勧めです。

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紙の本

吉原手引草

紙の本吉原手引草

2009/10/24 20:56

作家の力量全開、語りの魅力。

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 直木賞受賞作です。

 吉原の花魁、葛城の失踪という事件を
各章を吉原界隈の関係者(遣手、女衒、猪牙船の船頭から、幇間(たいこもち)などまで)の一人語りによって、ルポルタージュ形式に描かれています。(勿論小説なんですが)

 小説のメイン・ストーリ又、吉原のしきたり文化の調査もすごいのですが、
この"語り"が見事の一言。
 方言も含めて、作家としててのこのテクニックは、すごい!!。
 作家暦云十年の直木賞選考委員の御歴々皆々様も、
この作家としての手練手管にめろめろだったと思います。
 ただ、この方言が本当に正しいかは別。
 方言でも第三者はだまされてもネイティブの方が聞いて(読んで)
おかしい使い方っいっぱいあるので、、。
 この辺、卵の四角、花魁の誠となんて本書では、書いてありましたが、
見てきたかのように、嘘を書く商売である小説家と誠と花魁の誠は、
なんて書きたくなります。
 でも、やっぱりすごいとは思います。

 ルポルタージュ形式って書きましたが、本書は、そういう意味合いで
吉原とは、どんなところか、知るのには、最適の一冊かも、。
 色んな関係者、が登場するのですが、興味深かったのは、
人買いとか、まるで悪党の如くいわれる女衒ですかね?
 これが、やっぱり、どんな職業そうですが、奥が深いんですね、、。
 
 全体の構成としては、葛城の花魁になるまでのいきさつ、
この失踪事件そのものとその後と、一応ミステリ仕立てにもなっています。

 直木賞っていつもあげるのが、一年から二年遅いって気もするのですが、
本書もそうですね、、。
 松井今朝子さんの作品って「非道、行ずべからず」とこれしか、読めていませんが、小説としては、「非道、行ずべからず」のほうが、上だと思います。

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