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アントキノイノチ みんなのレビュー

  • さだまさし (著)
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みんなのレビュー6件

みんなの評価4.1

評価内訳

  • 星 5 (3件)
  • 星 4 (2件)
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  • 星 1 (0件)
6 件中 1 件~ 6 件を表示

紙の本

紙の本アントキノイノチ

2011/12/24 14:57

書籍「アントキノイノチ」命に向き合うこと、働くことについて考える

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:soramove - この投稿者のレビュー一覧を見る

「もう、好んで泣けるような小説を読むことはしない、
そんなふうに決意とまではいかない
ゆるい決めごとをしたのは
重松清を何冊か読み終えた後だったと思う、
だからこの小説も慎重に避けていたが
『無縁社会』だとか『孤独死』という
現代のキーワードまでも
避けては通れないとも思い
ネット注文してさっそく読み始めた」


ごろんと寝転んで
涼しくなった外の風を取り入れつつ、
日曜の午後3時間あまり
泣いた
泣いたね、
泣かされた。


この小説は2重構造になっている、
まずは主人公の高校時代、
近い存在だった同級生の悪意ある行動に触れ
精神のバランスを崩して
高校を中退した頃の出来事と
リハビリを兼ねた
父の紹介で始めた仕事をする事で
変化していく心。


働き始めた現在と
高校時代の出来事が交互に描かれながら
ゆっくりとゆっくりと
癒されていく様子が
繊細に描かれている。


その中でも中心となるのは
死後一週間などある程度経過して
発見される孤独死が
増えているという現代、
隣に住む人がどんな人かも
知らない生活がそうさせるのか、
主人公の仕事はそんな孤独死を迎えた人の
住んでいた部屋の片づけをすること。


亡くなった人の最後の支度をお手伝いする
それは言葉に書けば
ひとつの仕事を表すに過ぎないが
現実はとてもとても大変な仕事だ。
遺体はすでに運ばれているとはいえ
人間の残す臭いやその他の痕跡
それは想像を絶するものがある、
果たして主人公はこの仕事を続けられるのか。


高校時代の事件のトラウマから
人と接せることを極力避けようとするが
それでも誰かと繋がりたい
そんな主人公の想いが
一緒に働く上司の優しい心と
仕事に懸ける情熱に触れて
自分もこの仕事を続けていきたいと考える。


やりがいのある仕事というには
あまりに過酷な現実を向き合い
ほとんどは無言の相手と
その最後の旅立ちの手伝うという
外見的には報われない仕事だ、
誰もが進んで選ぶというわけではない。


人はどうして仕事と関わっていくのか、
現在の仕事を選んだ理由は
それ程明確ではない人が多いだろう
そんな自分自身の事、
命と向き合うこと
色んなことを考えさせられた。

映画も楽しみだ。



★100点満点で85点★



soramove

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紙の本

紙の本アントキノイノチ

2012/01/26 13:36

人間の持つ肉体の生々しさや精神の生々しさと、どう向き合っていくか

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:mieko - この投稿者のレビュー一覧を見る

 さだまさしの歌う曲は小学校6年生の時に当時ヒットしていた「雨やどり」を聞いて以来ずっと好きです。中学生になってグレープ時代の歌も聞くようになり、どっぷりさだワールドにひたっていた頃もあり、歌から伝わるさだまさしの世界観、人生観のようなものにかなり影響を受けてきたと思います。
 子供を育てるようになってから児童書に興味を持ち、ボランティア活動などを始めた頃、さだまさし著の『ふうせんのはか』を図書館で見つけました。それを読んだとき、とても違和感を覚えました。さださんって歌ってる方がいいなと。というのもその本は子供向けであるのに、内容が、なんというか大人がノスタルジーに浸っているように感じて、大人が読むと言いたいことは解るんだけれど、これを子供が読んで物語に入って行けるだろうか?という印象を受けたからです。それ以来、さださんの書く本は手に取ることはなかったのです、今までずっと。


 あるときテレビで遺品整理の仕事をしている方の特集があって、興味深くその番組を見ました。私もいい年になり、親を介護する日も近くなってきているし、自分の老後にも不安があるし、死んだ後のことを改めて考えました。それでこの『アントキノイノチ』を読んでみようかなという気持ちになったわけです。

 とにかく驚きました。以前、さださんの書いた児童書を読んだときと違い、この本には「ミュージシャン・さだまさし」の影が全然出ていない。いわゆる芸能人が書いたものという感じがしないんですね。確かに物語はさだワールドなのに、読みながらさださんの顔がチラつかない。「作家・さだまさし」が書いた小説ですね。さださんの書いた他の本も読みたくなりました。今まで読まなくてごめんなさい、さださん。


 さて物語ですが、ある理由で高校を中退した主人公の杏平は、トラウマを抱え他人と上手く関われなくなっていました。そんな息子を見守る父親は、とても辛抱強く息子を見つめ程よい距離で息子に寄り添い、息子を立ち直らせるために真摯に現状と向きあい、手を差し伸べます。
 父親の友人の営んでいる遺品整理業の仕事を手伝うことになった杏平は、そこで出会う同僚の仕事に対する姿勢や、遺品整理を依頼してくる人たち、遺品整理の現場で見たもの、それらを通して徐々に自分を取り戻していきます。


 「遺品整理の話」と聞いていたので、孤独死とか、社会の人間関係の薄さとか、年を取って死ぬことをテーマにしているのかと思って読んだら、それだけではなく、若い人たちも共感できるような「生きること」をテーマした話でした。
 杏平の中退に至るまでの高校生活、精神のバランスを崩してからの治療、仕事に就いてからの人間関係、そして父親との関係。杏平という主人公の若者の高校時代のエピソードがあることで、生きること、生きることで抱える人間の内面のドロドロしたもの、闇の中でもがき苦しむ姿、それでも人を温かく包みこむ思いがあるのだという希望、そんな複雑な思いが伝わってきました。


 それにしても遺品整理をする人たちには頭が下がります。給料がいくらだとか、待遇がどれだけだとか、そんなことを言いながら出来る仕事ではありません。この本を読んで、現場の過酷さを知りました。生きることに真摯に向き合っている人だからこそできる仕事なんだと思います。
 涙なしには読めません。若い人から年配の方まで、幅広く読まれる本だと思います。

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紙の本

紙の本アントキノイノチ

2012/01/23 20:02

仏さんを助けに行こう。

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る

しかし本当に感心するけれども、さださんの作品はどれも外さず素晴らしい。日本が誇るミュージシャンでありながら、これほどの物語が紡げるというのは一体どういう才能なのか。さださんの作品はいつも、人の命、生命にまつわる物だ。色々書こうと思ったけど、読み終わった今うまく言葉にならない。何せとても素晴らしい。
高校時代に友達に騙され、その男に友達を自殺にまで追い込まれ、今度はその男を何度も殺してやろうと決意する。そうしているうちに、どんどん心が壊れて行ってしまった主人公杏平。それからはうまく人と接することが出来なくなっていた。21歳になった杏兵が、父の勧めで「遺品整理業」会社で働き始める。主な仕事は、孤独死をした老人の住まいの掃除と整理。と言っても、それは想像を絶する、とんでもない世界だった。人知れず亡くなり、一月も放置された死体の置かれた部屋は異臭くらいは可愛いもので、部屋から溢れんばかりの害虫が蠢いていたり、遺体が浸かっていた風呂桶には得も言われぬ液体がたまったままになっていたりする。それらをすべて、人の手で片付けていくのだ。最所こそ面食らった杏平だったが、現場主任のプロ意識に感化され、命の重さを再確認していく。
また交互に差し込まれる、杏兵の高校時代の辛い過去。二つの物語が杏平の心模様と人としての成長を、立体的に浮かび上がらせる。さらに偶然再開した、当時の同級生のゆきちゃん。しかし彼女からまた、壮絶な心の傷を聞かされるのだ。しかし直向きに前を向いて歩いていこうとする彼女の姿に、杏平は胸打たれ・・・。
青年はいろいろな人の死を見つめながら、生きることの意味を知っていく。生命の重さを知っていく。決してお涙頂戴の物語ではない。でも泣かされる。過去の経験から、さだ作品は最後の最後がとてもヤバいと知っていた。だから今回はちょっと警戒していたのだけれど・・・やられた。本を閉じる3秒前に、滂沱の涙。さすがの筆致、さすがの物語。老若男女、誰にでも読んでもらいたい珠玉の長編です。

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紙の本

紙の本アントキノイノチ

2015/12/30 19:59

読後の清涼感がたまらない

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:まっしゅ - この投稿者のレビュー一覧を見る

歌を歌っている姿か、テレビで喋っている姿しか見たことのない、さだまさしさんだけど、こんな心に染みいる物語を書く人なのかと感動した。現在と過去の物語が交互に進行し、やがて過去と現在が重なるときに、「負」ばかりだと思っていた過去が融解し、現在を生きる主人公に明日をもたらすのである。さだまさしさんの他の作品も読んでみたくなった。

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紙の本

紙の本アントキノイノチ

2015/08/31 23:41

人に傷付けられ、人に癒される・・・

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:仔猫のあくび - この投稿者のレビュー一覧を見る

読み応えあった~!
映画化された話なので、興味あったんんだけど、読んで良かった。
最近よくドラマとかでも取り上げられる「遺品整理屋」さんのお仕事も詳しく書かれていて、勉強になった。
人の内面の複雑な心理描写など、ちょこちょこ泣かされた

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紙の本

紙の本アントキノイノチ

2022/09/11 07:10

遺品整理

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る

21歳の男性が、父親からの提案で、遺品整理をするのですが、コレがすごく壮絶でした。何日も遺体があった部屋からは、すごい臭いと、害虫の群れが……。普通の感覚では、出来ないですよね。驚いたのは、歌手のさだまさしさんの小説だということ。

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