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電子書籍

廃用身 みんなのレビュー

  • 久坂部羊 (著)
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みんなのレビュー6件

みんなの評価4.0

評価内訳

  • 星 5 (3件)
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  • 星 3 (0件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
6 件中 1 件~ 6 件を表示

紙の本

廃用身

紙の本廃用身

2005/08/25 13:37

リアルとノベルの境界が惚けてくる

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぜんちゃんず - この投稿者のレビュー一覧を見る

ある医師が行なった奇異な治療。それは麻痺などにより廃用した四肢を切断し、残存した機能を改善させるものだった。これが「画期的な治療法」か、はたまた「独善的な医師による老人虐待」なのか。
物語は治療法を考案した医師の遺稿とそれに続く編集者の補筆によって展開する。
この巧みな構成の前に、我々は読了まで息もつけない。
2002年、神戸のと異人坂診療所に勤務する36歳の医師はデイケアである患者の異状に疑念を抱く。
「家族に虐待されているのではないだろうか。」
家族など身近な者による虐待は増加の件数をたどっているが、明らかになるはほんの氷山の一角である。
どのくらいの虐待が行われているのかを把握するのは容易ではない。
老人は自らの障害に苦しむ以上に、「家族のお荷物」になったわが身を恨み悩む。
「こんなに長生きしてしまって申し訳ない。」現場の医師は、老人から同じような話を毎日聞かされている。
安易な励ましはその場しのぎに過ぎないことは分かっている。
更衣や食事はおろか、排泄までもひとの世話になって生きることがどれほど屈辱的か。
年寄りだから仕方がないんだよ、と言われて諦めることがどれほど辛いことか。
心身ともに傷つけられ、「死ぬことも生きることも叶わない人生」をただ生きていく。
良心的な医師はこころを痛め、考える。
家族の介護負担を減らし、高齢者に生きる希望を与えられないものか—
そして、ついに禁断の治療を決行した。
治療は成功し、患者は失った廃用肢と引き換えに新たな人生を得るのだが....。
次第にリアルとノベルの境界が惚けてくる。
読後にふと我に返ると、鳥肌の立つような後味の悪さからはまってしまったまま動けない自分に気づく。
こんな感覚は小学生のときの江戸川乱歩”人間椅子”以来だ。
しばらく興奮から醒められそうに無い。

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電子書籍

廃用身

電子書籍廃用身

2016/04/11 00:21

廃用身のリアル

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:のむ - この投稿者のレビュー一覧を見る

読み始めて、次第にノンフィクションかと勘違いするくらい、リアル。おもわす、ネットでフィクションかどうかを調べてしまいました。
描かれている世界は、究極の選択でありながら、それが究極の選択とはならない世界。そうなったのは、何が原因なのか。
他人の苦悩は、本当には理解することなんてできないと思ってしまうけれど、残された人はそれを最後に理解して次の世界をつくる。さいごはそんな希望を持てた話でした。

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紙の本

廃用身

紙の本廃用身

2003/08/07 14:29

福祉のあり方について考えさせられる問題作

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オオトリさま - この投稿者のレビュー一覧を見る

「PPK(ピンピンコロリ)運動」という言葉を聞いたことがあるだろうか?
ピンピン健康に生きて、コロリと死ねたら幸せという願いから名づけられた。
「出来るだけ健康に生きて、介護や徘徊で家族に迷惑をかけずに死にたい」と願う人は多いと思う。
この本は少子高齢化がますます進む日本に提示された大変な問題作です。

「廃用身」とは医学用語で脳梗塞などの麻痺で回復の見込みの無い手足の事です。
主人公の医師・漆原は介護の負担と老人達の肉体的・精神的負担を減らす為、麻痺した手足を切り落とす「Aケア」を次々と実践する。
身軽になって生き生きと生活する「Aケア」患者達。手足の無い老人が多数出入りするデイケア施設はやがてマスコミの知るところとなり、漆原は「老人虐待」「マッドドクター」「医師の狂気」と糾弾される。

漆原の「遺稿」という名の手記と漆原をいち早く取材した編集者の註の2部構成のドキュメンタリータッチで書かれてある。
「Aケア」は介護に革命をもたらす軌跡の療法か? 悪魔の誘惑による禁断の手法か?

漆原が「遺稿」の最後で語っているように「手足を切り落とす」というのは「自然に反する療法」です。
しかし、漆原が強く訴えているように、今やこれだけ介護状況が厳しくなっているのに単なるセンチメンタリズムだけで麻痺した手足を惜しむのも問題があるのかもしれません。

老人の手足を切り落とすという猟奇的な物語になりかねない話を現役医師の著者はみごとに社会に問題提起をする作品に仕上げた。

この本の中で語られる「介護悲話」「介護破綻」はけして誇張では無いと思う。
私達はセンチメンタリズムを捨てて、真剣に介護について考えなければいけないと思う。


福祉を辞書で引くと「幸福・しあわせ」の意味である。
現在の日本の福祉政策は「幸福」であろうか?

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紙の本

廃用身

紙の本廃用身

2003/07/21 15:31

映画化したら大変興味深い作品になると感じました.

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:haruhisasakura - この投稿者のレビュー一覧を見る

 私は,社会人大学院生で,医療従事者です.『廃用身』の社会(舞台)となっている高齢者の医療と介護の現場は,仕事を通して,体験しております.特に最近は「高齢者虐待」のケースが多く,医療従事者としても,「無力感」を感じる事も少なくありません.

 ところで,私なりに,この作品をひと言で申しますと,著者で実際の医師でもある久坂部氏は,現在の高齢者介護に対する問題提起として,高齢者介護の現場は,家族も医療や介護の従事者も,「本当に高齢者に対して尊厳と敬意を払って,接しているいるのだろうか?」との事を基本にしているようでした.そして,「高齢者の『生活の質(生きがいのある生活)』の向上には,家族や多くの仲間との『愛』や『信頼関係』が最も大切である.」事を述べているように感じました.

 書籍の内容に少し触れますと,主人公の漆原糾(うるしはら ただす)氏は,高齢者の「生活の質」向上を目的として「A(Amputation:切断)ケア」を行います.この,「Aケア」は,廃用(既に運動機能を成し得ない)した身体の一部を切断し,切断した本人の苦痛(神経的・精神的な痛みの多く)を取り除く「ケア」です.しかし,この「Aケア」に対する社会(マスコミ)の反応は,老人虐待の大事件と報道され…と続きます.

 実際の医療現場では,廃用した部分を切断して(もちろん医学的に必要な場合),(当初)本人の希望したように,自宅退院(療養)や外出などが可能になった人を,私は知っています.その意味では,この作品は,極めて,現実に近い内容をテーマにしていると感じました.

 最後になりますが,この作品でも書かれているように,高齢者の「生活の質」向上の為には,家族の愛情や絆が大切だと思います.今後も,少子高齢化で「核家族」や高齢者世帯が急増する中,介護問題や家族構成が複雑化する事がわかっております.その中で,改めて「介護とは何か?」が問われているように感じました.

 また,私は,この作品を映画化することで,高齢者介護問題を社会的に再認識する意味でも,非常に興味深い作品だと思いました.

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紙の本

廃用身

紙の本廃用身

2003/07/13 21:19

重たかった

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:りえ - この投稿者のレビュー一覧を見る

自分には既に祖父母は存在しないけれど、生きている頃痴呆だった祖母の世話は本当に大変なものでした。幸い、足が弱く徘徊などはなかったものの、食事や下の世話では涙が出るくらいでした。4年前に亡くなった祖母のことを考えつつ、一気に最後まで読んでしまいましたが、体調が良くて気持ちが元気な時に読まないと真剣に沈んだ気分になる気がします。私たちが老人になる頃には作品にあるような世界になっているかもしれないと思い自分だったらどうするか、今から考えようと思いました。実際ありそうですごく怖くなり、フィクションだかノンフィクションだか分らなくなる作品でした。

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紙の本

廃用身

紙の本廃用身

2003/09/25 11:40

現実という布を毒毒しいブラックユーモアで染め、妄想という糸で紡いだパッチワーク

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:PNU - この投稿者のレビュー一覧を見る

 現役の医師の作、というのを本を開いてから知って〈しまった!〉と思ったのですよ。研修医時代ぽっちで辞めた私が今も医療現場にいらっしゃる方々と同じ立場とは、おこがましくてとても言えないけれど、かつて短期間でも医療に身を置いていたサガとしてか医療ものは純粋なフィクションとして楽しみがたいのです。とくに医者作家の作ともなると〈本職なのに、この書きざまは…〉と不満ばかりが目についてしまって。そういう意味での評価保留。

 さて本作。前半は漆原の書くAケア啓蒙の一般書、後半は編集者の後日談という二重にフィクションの体裁をとっていて、凝っていると思う。それが仇となってか、私にはこの作品がどうも〈現実を悪意のバイアス妄想で歪めて作った醜悪なパッチワーク〉にしか見えない。前半はまさに学生向けのリハビリテーション医学の教科書のよう。文体模写の狙いがあるのでしょうが、どうにも冗長でくどい。こういうのは学生時代にたっぷり読んだので、今さら…。この分野に初めて触れる人なら、楽しめるのかもしれません。
 上で現実のパッチワークと述べたのは、実在モデルが透けて見えることが多いから。後半の「殺人テープ」なんて「新潮45」編集部・編の「殺人者はそこにいる」収録の「自殺テープ」にソックリだし。
 そして近藤→土方、などの置換は笑えるが、乙×氏をああいう形で書くのはどうよ。TVなんかで見るとご本人は気さくな方みたいだから、この本読んでも笑ってすませてくださるかもしれないけれど。なんだか私にはそのへん不愉快でした。
 フィクションに難癖つけるのは野暮ですが、Aケアも疑問いっぱいです。先天と後天では全く違うし、疼痛のしつこい老人のファントムペインが果たしてあの方法で完全に押さえ込めるのか。身体のバランスというのもあるのだから、実際はとてもああはいかないでしょうね。元々の麻痺四肢の血流がナンボのものか、とも思うし。
 あとは肝心の院長のキャラが弱い。院長の妻子なんて何の意味があったのか。院長にもっと絞って書き込めば深みが出たのに、と思う。それともブンガクに意味をいちいち求める私が無粋なのか??

 欠点ばかり挙げたので、最後に良かったところを。
 まず、これだけバカバカしい設定を、よくぞ長編としてものした、その蛮勇に拍手。そしてデビュー間もないのに、老人介護問題や高齢化社会というデリケートな難題に挑んだ心意気に拍手。そして、医者の視野の狭さ、お山の大将ぶりがよく描かれているところに瞠目。医師でありながら、世間的感覚からの医療への誤解に通じているところも秀逸。保険点数などのディティールまで書き込んだところも達者。
 医師の作、ということでこれをまんまリアルと信じる人が出ないことを祈ります。このままの作風で論文調になると石黒達昌「人喰い病」みたくなっていくのかしら。 

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