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紙の本

いのちのハードル 「1リットルの涙」母の手記

怒りと絶望に打ちひしがれる母親のもどかしさと苦しみ

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:BCKT - この投稿者のレビュー一覧を見る

亜也の手紙と詩・作文 いのちを見つめて
亜也と共に歩いた十年
心で綴った日記
素晴らしい出会い
旅立ち


著者は1936年生まれ(出生地・出身校などの基本属性は不明)。保険師。62年,亜也を出産する(26歳)。この著者の娘=亜也が闘病記を書き,著者との共同作業で『1リットルの涙』を刊行させた(「2006年現在、発行部数は210万部を突破」(Wiki))。本書は89年に単行本として刊行(エフエー出版)されたものを文庫化したもの。手許の文庫本は21刷り(1年あたり7刷のペース)。フジテレビ系列で放映されたドラマを見てこの本まで辿り着いた。拙評を見る方なら,この亜矢が「脊髄小脳変性症」で亡くなった人物であることをご存知だろう。本書は娘を介護する母親の手記である。


「数日して,夜,担任の先生が訪ねてこられた。・・・(中略)・・・ 聞いているうちに怒りが込み上げてきた。/亜也が学校にいること自体,迷惑だというふうに受けとめられるような説明だった。・・・(中略)・・・ だんだん社会の片すみに追いやられ,東高にいることができなくなったという傷ついた気持ちで転校するのではなく,無理だと知りながらも断ち切れない学校や友達への未練,後ろ髪をひかれる思いを乗り越えようとしている亜也から,輝く光を見つけ出し,『亜也ならやれるぞ!』と励まし,力づけてほしかった。/信頼する先生からその一言があったなら,亜也の流した“1リットルの涙”は,別れのつらさと感謝の涙であったろうに。そして楽しい思い出だけを大切にしていけたのにと思った」(57頁)。


「『どうしました?』/『早くなんとかしてやって下さい』/『本人は痛くて胸が締めつけられるので苦しいんです』/立ってみているだけの医師に,/『先生は亜也を初めて見るんですか?』/『今日は当直できたものですから・・・。この子の病名は何ですか?』/苦しみ,もがいている患者の前でいう言葉だろうか? 病名を聞いてじっくり考える事態ではないだろうに・・・。看護婦がカルテをめくりながら,硬直時に使用した薬品名を告げている。/『同じ薬を注射してください』と医師は看護婦に指示を出す。/十数分たって,やっと処置がなされた。/私は,心臓の高鳴りを深呼吸して整え,ヘナヘナと座り込んだ」(89-90頁)。


「『お母さん,仕事をやめることはできないんですか?』/この一言で,T医師と話し合いをする気力がなくなり,同時に猛烈な怒りが込み上げてきた。/医学と療養,医療の立場に立てない医師だと思った。/何のために家族構成やら患者の持つ背景をこと細かに入院当初に聞くのか。家族が付き添えないのはそれぞれ理由があるからではないのか。それも説明済みのことだった」(95頁)。


「切れることのない雲の動きをぼんやりながめていた亜也が,そっと文字盤に目を移した。/『私の使命がまだ残っている』/病気のことを話した後だっただけに,何を言い出すかと私の心臓は高鳴った。『私を灰にする前に,病気の原因を見つけてほしい!』/『亜也・・・』といったっきり胸がつまって絶句した」(150-1頁)。


怒りと絶望に打ちひしがれる母親のもどかしさと苦しみがよく伝わってくる。ドラマでは3人兄弟姉妹だったが,木藤家は5人兄弟の7人家族である。妹の亜湖は姉貴に悪態をつく登場人物として登場しているが(役者は成海璃子),母親として亜湖が姉思いであること,たとえば被服費支出を徹底拒絶していたり,姉貴のために母親とともに献身的に介護したりと,とても甲斐甲斐しい(もっとも,ドラマの中でも“亜湖”は姉想いの台詞も吐いている)。


本書書評にはどうでもいいことだが,演歌歌手の山川豊(ガス溶接技能者・ボクシングC級トレーナー)が20歳代後半のとき,木藤亜也を見舞っている。このころの山川は,第17回日本歌謡大賞放送音楽賞を受賞して,紅白歌合戦に初出場し(87年),翌年,第8回古賀政男記念音楽大賞,第20回日本有線大賞協会選奨,第18回日本歌謡大賞放送音楽賞(以上88年)と賞を総なめにしていた頃である。考えさせられる逸話ではある。

(1651字)

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