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本の現場 みんなのレビュー

  • 永江朗
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紙の本

本の現場 本はどう生まれ、だれに読まれているか

本はどこにいくのだろうか

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 出版社が発行するPR誌(編集者の人が「函」という言い方をするということを、永江朗氏の本書で初めて知った)が好きである。
 岩波書店の「図書」であるとか新潮社の「波」であるとかは随分以前から本屋さんでもらっていたが、最近この種のPR誌の点数が増えて、まるで現在の出版事情を見ているようである。しかも、単に新刊広告的な著者インタビューやエッセイだけでなく、まるで文芸誌のように多くの小説の連載が行われている。
 永江氏によれば「売上に左右されず、返品も関係ないPR誌は、編集者にとってはとても都合のいい連載媒体」ということだ。たしかに、「文学界」や「オール読物」といったような文芸誌の発行部数は多くない。それよりは、PR誌で連載し、それを本をして出版した方が効率がいいのかもしれない。

 そんなPR誌のひとつ、「図書」(岩波書店)の9月号で、上野千鶴子氏と姜尚中氏が「岩波現代文庫創刊一〇年に寄せて」、『一夜干しの「中古典」が今おもしろい』と題して、対談を行っている(これはこれで面白いので、興味のある人は読んでもらいたい)。
 対談の最後のくだりで、昨今の出版事情をレポートした本書にも関係するのだが、「活字離れはなぜ食い止められないか」というテーマに話が進んでいく。
 「出版市場の長期低落傾向は覆いがたい」という上野氏は、若者の活字離れについて「ネットの情報は基本的には無料で入る。この常識が拡がって、本が高いという感覚が増大して」いるとみている。姜氏も「学生と話しても情報はただで入るものと思って」いると同意している。
 本書でも「情報の無料化」の問題は一項目として、フリーペーパーなどがレポートされている。
 永江氏は「情報0円というのは錯覚にしかすぎない」としながらも「回り回って本の首を絞めることになるかもしれない」と危惧している。これはPR誌の事情でも同じことである。それらは定価はついているものの、ほとんどは本屋さんの店頭で無料で入手できる。

 先の対談で上野氏は「本とは情報を入手するための選択肢の一つで、本が必需品である時代は終わった」といい、姜氏も「出版が構造不況業種であることは、説明するまでもない」と言い切る。
 しかし、続けてこう言及する。「でも、斜陽産業でもそれなりに生き残っていくと思う」。
 このなんとか生き残るだろうとか、それでもなくなることはない、というトーンは本書にもある。
 永江氏は「出版業界は夢のある分野」といい、それは正しいのだろうが、夢だけで産業が成立するかどうかはわからない。
 出版業界をとりまく外的要因の整理、内部要因の把握を早急に再整理しないと、生きた化石化しないともかぎらない。
 本はどこに行くのだろうか。

 ◆この書評のこぼれ話は「本のブログ ほん☆たす」でご覧いただけます。

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紙の本

本の現場 本はどう生まれ、だれに読まれているか

本書は希望小売価格1800円+税【非再販】

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:栗山光司 - この投稿者のレビュー一覧を見る

本を取り巻く流通は主流も支流も複雑怪奇でわからぬことが益々増えているが、本書は本屋の今を困難な問題(1)再版維持制度、(2)委託制度に対して迂回しないで正面から、業界以外の人にも見通しの良い出版流通地図を懇切丁寧に説明してくれている。
雑誌『図書館の学校』の2005年4/5月号から2007年2/3月号まで連載した「本はどのように生み出されているのか?」「本はどのように読まれているのか?」をまとめたものです。付記としてそれぞれの項目ごとに連載記事以降の情報を検証して著者なりの考えが変わったところ変わらなかったところを誠実に追記している。
それによって本に奥行きが出来、長い時間のスパンの中でやはり何が問題だったのかの正体が説得力を持って浮かび上がってきたことでしょう。公表されたデータも出来うる限り参照している。
重要な問題は再販維持制度、委託制度にかかわる「責任販売制」だと思うが、でも、ハイリスク、ハイリターンで自己責任が問われるよりは、取次にお任せのパターン配本で金太郎飴であってもノンビリ本屋稼業をやりたいという人が大多数だったと思う。でも、そういう商売では立ち行かなくなった。消えるしかなくなったというタイトな時代に直面したということでしょう。
永江の出版流通に関する知見はそんな方向性を見つめている。
だいたい、ネット書店でポイント還元とか、ユーズド商品として新刊、古本が混在してネット書店内で販売されているが、新刊と古本の境界線も限りなく溶解している。
新刊書店が委託制度を悪用して実際店頭で売れて在庫を持っていないのに、新中古書店から同じ本を105円で買って売れ残ったとして返品する。そんなあくどいことが可能な流通システムなのです。
《出版界における委託制は、厳密には返品条件付き買切りである。本当の委託制は、商品が売れた後で精算されるが、出版界ではいちど精算した後、返品分を払い戻す。再販制度によって本は定価で販売される。売れ残っても値崩れしない。書店にとっては、客に売るのも返品するのも、本がお金に化けることにはかわりない。もちろん客に売ればマージン(仕入れ値と売り値の差額)を得られるが、返品ではマージンはゼロである。出版社は取次に新刊を納品すれば、書店で売れるかどうかとは関係なく、とりあえずはお金を得られる。出版社にとっても書店にとっても、本は貨幣と同じだ。私はこれを「本のニセ金化」と呼ぶ。「本は出版界の地域通貨だ」という人もいる。P24》
このように大取次、大出版社を核とした再販維持制度の護送船団方式は「信用ある金融機関」として駆動してきたわけです。ただ、それも揺らぎ始めて印刷業界最大手の凸版印刷と書店最大手の紀伊国屋が業務提携、大日本印刷が丸善、ジュンク堂、図書館流通センターを子会社化すると言った大きな流れが旬として今あるわけです。本書は2009年7月の最新刊ですが、この印刷業界の動きには言及していない。
でも、出版流通業界において目の離せないトピックだと思う。従来の二大取次を核とした流通システムが自ら改革できないのなら、印刷業界が乗り出すという構図でしょうか。
破綻を先送りして、本という名のニセ札を刷る。そんな自転車操業はもうそろそろヤメにする決断に差し掛かっているのかもしれない。30数年で新刊点数が約4倍に増えたのです。でも売上げは2倍位しか増えていない。つまり30年で一点あたりの販売金額は半分になったということです。少量多品種がどんどん進行している。返品率は40%で30年前と比べて10%アップしている。本屋の棚に滞留しているタイムは短くなっており、新刊委託送品されても棚に並べないで即返品も珍しくない。
小手先、もしくはなし崩し的に再販維持制度・委託制度をつつくのではなく、業界全体で流通システムの改変に取りかかるべき時期に来ているのではないかと本書を読んで再認識しました。
ちなみに、本書は希望小売価格1800円+税【非再販】と表示されているが、果たしてこれ以外の値段で売った本屋さんはあっただろうか?
もし、これから本書をリアル書店で買うつもりなら、書店員に「負けてくれませんか?」って声かけしてもいいかもしれない。書店員が怪訝な顔をしたら、別の本を棚から取り出し、こちらの本は定価○○○円(本体○○○円)で表示されて再販価格だけど、本書は非再販で希望価格表示になっている。これ以外の売価でもノープロブレムでしょう。
ちなみに、bk1の書影を見ると本体価格になって希望小売価格の表示になっていませんね。諦めてください(笑)。
葉っぱのBlog

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