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絶対領域 みんなのレビュー

  • 鷹山誠一, 伍長
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みんなのレビュー6件

みんなの評価4.1

評価内訳

  • 星 5 (4件)
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  • 星 1 (0件)
6 件中 1 件~ 6 件を表示

紙の本

紙の本オレと彼女の絶対領域 4

2015/09/16 16:09

お願いこれで許して

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る

予知能力の観田明日香、読心能力の綿貫聡里あらため高尾聡里、従姉の天才少女の高尾沙耶と、幼少期のトラウマに基づくオーバードライブと呼ばれる異能を持つゆえに、他者と一線を画して生きて来た少女たちの心を行くってきた主人公は、海の家でアルバイトをしていた。

 バイト先の先輩のお姉さん海原希優にからかわれ、それを目撃した沙耶と聡里にお仕置きをされ、友人の明智薫にはバイト姿をからかわれ、お世話になった喫茶店でバイトをしている明日香からは残念がられる。
 そんな楽しい夏休みを過ごしていた主人公だったが、明日香たちとプールに遊びに行く約束をしていた日に悲劇はやってくる。待ち合わせ場所に遅れて行った主人公たちが見たのは、直近二年間の記憶を失くし、ラプラスと呼ばれていた不幸の時代に記憶が巻き戻ってしまっていた明日香の姿だった。

 偶然から、その結果を生みだしたのは、彼女たちと同じ様にオーバードライブの能力を持っていた希優であることを主人公は知ってしまう。そしてそれが、弟妹たちを養うために、希優が仕方なく手を出した仕事だったということも…。その背後には、小鳥遊京水の姿があった。
 そんな彼女の悲しみと後悔を知り、彼女の罪悪感をなくすためにも明日香の記憶を取り戻すと宣言する主人公だったが、その結果ははかばかしくない。そして罪悪感にさいなまれた希優は、それを少しでも軽くするために、主人公に身を投げ出して傷つけてもらおうとするのだった。

 沙耶のオーバードライブとしての能力を解き明かすとともに、新たなハーレム要員を追加する、ちょっとした足踏み回。そろそろ核心に突っ込んで欲しいところ。
 毎回副題がついているらしいのだが、かなり認識しづらい気がする。

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紙の本

紙の本オレと彼女の絶対領域 3

2015/09/10 16:05

悪意はこっそりと忍び寄る

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る

予知能力を持つゆえに魔女と呼ばれ忌避された少女・観田明日香、読心能力を持つゆえに両親からも見放された少女・綿貫聡里あらため高尾聡里と、従姉の天才少女・高尾沙耶の助けを借りながら救ってきたオレは、ラブコメの修羅場に放り込まれていた。聡里と沙耶を出し抜き、想いを寄せる明日香を夏祭りに連れ出したまでは良かったものの、結局は二人に見つかり境内で正座させられる。
 そこまでならば笑い話で終わったところ、今度は明日香先輩がナイフで襲われ、庇ったオレは腕に怪我を負ってしまった。しかも目撃情報を信じるならば、襲ってきたのは親友の小沢信司なのだ。

 だがわずかな違和感と、小鳥遊京水の情報から、それ以外の可能性が浮上してくる。それには、オーバードライブと名付けられた存在が関係していた。

 明日香、聡里と来たので、今回はようやく、最も付き合いの長い沙耶に出番が回ってくる。倒叙形式風なプロローグから始まり、それを伏線として犯人を二転三転させる構成に仕立てられているのだが、そのあたりの演出は「ひきこもりの彼女は神なのです。」に似ている。
 オーバードライブという概念が登場し、ヒロインたちに共通点があることが明らかになってきた。そんな世界観の謎に迫っていくと同時に、一人の少年に迫る三人の少女の様々なアプローチ方法にも注目できるようにして欲しいような…。

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紙の本

紙の本オレと彼女の絶対領域

2011/12/01 20:22

孤独に耐える少女が健気

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る

 従姉の高尾沙耶が生徒会長を務める青陵高校に入学したオレは、初日に出会った先輩に一目惚れをし、いきなり告白してしまう。しかしその彼女、観田明日香は、自分のことをこの学校の知り合いに聞くとよいと忠告をして、去って行ってしまう。
 従姉によれば、彼女はラプラスと呼ばれ、絶対不可避の不吉を告げる魔女として恐れられているらしい。実際、死者1名、重傷者4名を含む34名が、彼女に不幸を予言されて、その通りになってしまったらしい。
 しかしオレは、忌避されることを知りつつ、わざわざそれを相手に伝えて回避させようとした彼女にやさしさを見出し、彼女に付きまとう。そんなオレに対し彼女が出した条件は、今日は学食に行かないこと。なに、そんな簡単な条件?一発クリア―だぜ!と思ったのもつかの間…。

 夢で未来を見てしまうことで自身が不幸になってしまっている少女と、その少女に一目惚れをした少年、そして、彼を心配する従姉を含めて形成される人間模様を描くラブコメ。この手の主人公らしく、アホなのに無自覚で格好良く、何故か鈍感で、そして最後には全てをさらっていく。
 未来を知ってそれを自分の有利なように活用できれば便利だけれど、それが絶対に変えられないならば、現在や過去を知る普通の人と何ら変わりはない。知っているだけにそれを何とかしようとして、普通よりも苦しんでしまい、まわりを巻き込むまいと孤独になっていく。そんな辛さを無自覚に察知し、ヒーローは彼女へと近づいていくのだ。

 ただ最近のラノベのヒット傾向から見ると、タイトルを無難につけ過ぎてしまった気がする。もっとラブコメ分を前面に押し出したタイトルならば、もっといけたのかもしれない。

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紙の本

紙の本オレと彼女の絶対領域 6

2015/09/30 15:16

ヒーローが屈するとき

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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る

青陵高校の体育祭である大覇青祭を前に、明智薫のイジリは絶好調を迎えていた。観田明日香と高尾沙耶が修学旅行で留守をしている間に、海原希優のバイト先に藤堂貴子と顔を出した際にあらぬ噂を振り撒いたり、あるいは二人を目の前に挑発する行動を取ってみたり、あからさまに修羅場をあおっている。
 だが、あおられているばかりにもいかない。高尾聡里を引き取って《オーバードライブ》を利用しようとした小鳥遊京水の監視者が、そばにいるはずだからだ。幽体離脱ができる空乃瑠雨樹こと尼塚空の情報により、その人物は相手の視覚を盗み見る力があるらしいと分かるのだが、どうもはっきりと相手の姿が見えてこない。

 大覇青祭の後始末として、明智薫の演劇部に助っ人に行くことになるのだが、そこで見る薫の姿は、いつも教室で見る彼女の姿とは違っているように見えた。そして彼らのハーレムも、崩壊の時を迎えることになる。

 今回はヒーロー大活躍の展開にはならない。でも、ハーレム構成員は順調に増えていることが確認できてしまった。内容的にはそんなにエロくないのだけれど、イラストのエロさは絶好調だ。

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紙の本

紙の本オレと彼女の絶対領域 5

2015/09/24 11:05

ハーレム安定のために

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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る

海原希優が引き起こした観田明日香の記憶喪失を回復させるため、オーバードライブだと自覚した高尾沙耶がアカシックレコードにアクセスしてから、彼女の体調が優れなくなっている。そのことに気づかないことを高尾聡里に指摘され、彼女を特別扱いしていないことを責められてしまう。
 そんな状況の時、カー坊のベッドに降ってきたのは、裸の生霊少女の尼塚空だった。空乃瑠雨樹というペンネームで作家活動をする中学生の彼女の作品は、観田明日香の愛読書らしく、何故かカーくんと小沢信司に似た人物が登場するらしい。つまり尼塚空は、腐女子だった。

 主人公に取り憑くことになってしまった尼塚空は、学校で彼が小沢と絡むのに大喜び。腐女子発言を連発し、主人公の問題発言を引き出していくことになる。
 そして小鳥遊京水に雇われたクラスメイトの明智薫も、主人公への接触を増し始めていく。

 今回の主人公は改めてサヤ姉となっている。自分の天才がアカシックレコードへアクセスして得られた他人の記憶に基づくということに気づかされてしまった彼女は、自分の能力のあり方に疑問を持ち、しかし、他人に頼られる立場を捨てることは出来ず、板挟みになって消耗していく。そんなときに、主人公がまた新たな女性問題を持ち込んでくるわけだ。
 未だ結びつきが表面的だった関係が、心の奥底をさらけ出させることで、さらに深く結びついていく。でもこれって、ハーレム内の安定化のために行われていることと見ることも出来るよね。

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電子書籍

電子書籍オレと彼女の絶対領域2

2015/08/25 10:55

超能力者に日常を

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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る

高尾沙耶と共通する実家に出かけた主人公は、全てを諦めたような目をしている幼女・綿貫聡里と出会う。彼女は、彼の憧れの先輩・観田明日香と同じ様な超能力者で、人の心を読める能力を持っていたのだ。
 この能力のせいで親しい人々から嫌忌され心を閉ざしてしまった彼女を、年齢に見合う笑顔を出せるようにしたいと思ってしまう主人公。そしてその頃、明日香は、主人公が聡里とキスをする未来を予知していた。

 予知を実現させないために、ライバルでもある沙耶と共闘する明日香だが、それでもしかし、過去の自分と同じ様な悲しい目をしている聡里から、カーくんを引き離すことはできない。そうこうしている内に、聡里は親戚から捨てられ、金持ちの道具として引き取られることが決まってしまう。

 自己の絶対領域である心の中を侵す超能力の持ち主に対し、同情し、何とか普通の生活を送れる様にしたいと、自分の力のなさも弁えずに思ってしまう主人公。そしてヒロインたちが、その思いを叶えるために協力する。聡里の絶対領域を、無理矢理に犯していくのだ。
 画面を華やかにするためだけでなく、ウサ耳が物語的に重要な役割を果たす構成は、個人的には初めて見たかも知れない。パターンを踏襲しつつ、それ自体に意味を持たせた試みは高く評価できると思う。

 主人公的にはひとりのヒロインに決めているのに、周囲のヒロインたちがそんなことを無視して寄り付いてくるという大変な状況。しかも彼女たちがいなければ、主人公はヒーローとして振舞えなくなるであろう、二律背反。今後も物語が続けば、このジレンマは、より大きくなっていくことだろう。

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