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電子書籍

もうすぐ絶滅するという紙の書物について みんなのレビュー

  • ウンベルト・エーコ (著), ジャン=クロード・カリエール (著), 工藤妙子 (訳)
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みんなのレビュー3件

みんなの評価4.0

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紙の本

もうすぐ絶滅するという紙の書物について

紙の本もうすぐ絶滅するという紙の書物について

2012/04/22 13:19

活版印刷物としての本が発明されたとき、それはすでに完成されていた!

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:サトケン - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は、筋金入りの本好きのヨーロッパ人二人による、本好きのための対談集である。一人はイタリアの中世学者・記号学者・哲学者・文芸評論家で小説家のウンベルト・エーコ、もう一人はフランスの作家・劇作家・脚本家のジャン=クロード・カリエール。ともに広くて深い人文的教養の持ち主である。

ところが二人とも活字の世界だけで生きてきた人たちではない。カリエールのほうは脚本家として映像の世界とはひじょうに深い関係をもってきた人だが、エーコもまた若き日にはテレビの教養番組の製作にかかわっていた経験をもっているだけでなく、原稿を書くのに早い時期からコンピューターをつかってきた人だ。カリエールは、イランやインドなどの東洋世界についての造詣も深い。両者に共通する趣味としてイエズス会士のアタナシウス・キルヒャーの名前がでてくるのは、そんなバックグランドも反映しているようだ。

本書のなかで何度も言及されるのがネットの世界でつかわれる「フィルタリング」というコトバである。内容があまりにもくだらないので、出版されたその時点から消える運命にあった本が無数にあったことについて語られているのだが、そういった駄本は現代になってから急速に増大したのではなく、活字印刷が行われるようになって以来、無数に出版されているとのことである。活字本を「フィルタリング」してきたのは有害図書指定による禁書や、図書館の火事といったものだけではない。活版印刷発明以来、読者自身が「フィルタリング」してきたわけだ。

有史以来、無数の本がパピルスや羊皮紙などさまざまな媒体の上に書かれ、活版印刷発明以後は紙のうえに印刷されてきたわけだが、その大半は現在では失われてしまっている。いま出版されている本の大半も、その運命をたどることになるのであろう。これは電子書籍の出現とは直接には関係ないことだ。「本は発明されたとき、すでに完成されていた」のだという。そう考えれば、むしろ電子書籍の出現によって、かえってどうでもいいような本も保存されることになるのかもしれない。電子書籍は、なんといっても物理的なスペースをとらないから。

そういった難しい話は抜きにして、本好きなら確実に楽しめる内容である。日本語版はハードカバーの真っ黒な表紙に背も腹もブルーで染色されており、聖書のようなブックデザインとなっている。聖書は言うまでもなく The Book と大文字ではじまる本であり、世界初の活版印刷物は「グーテンベルク聖書」であった。

この本じたいの運命については、どうなるかはわたしにはわからないし、すでに老齢の著者たちにもわからないだろう。ただ間違いないのは、『聖書』ほどの生命力はもたないであろうということだけだ。その他の無数の本と同じく。

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紙の本

もうすぐ絶滅するという紙の書物について

紙の本もうすぐ絶滅するという紙の書物について

2011/06/27 21:32

本(と、本を集めること)を愛するすべての人へ。

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:きゃべつちょうちょ - この投稿者のレビュー一覧を見る

題名に惹かれて、手にとったのだが、
最初の序文を数行読むだけでてごわさを感じた。
ん?これはわたしに読み通せるだろうか、と。
たしかにある程度の根気は必要だったが、
読み進むうち、納得できる場面もいくつか登場し、
そんなに気負うことなく読了できた。
ただ、ここに書かれているすべてのことを理解できたとか
そんなことはつゆほども思っていないし、またそうである必要もない。
意外にも、まぁ気楽に読んでくださいよ、と語りかけてくるような
親しみやすささえ持つ本だった。

超級のインテリ(こんな言い方が適当かどうかわからないが)ふたりが、
本をめぐるありとあらゆるものごとを語り合っているのだから、
やすやすとページをめくっていけるものではなかった。
知らないことについて多分に割かれたページの意味を、
そんなに深く探ろうとしないことが、読了のポイントのひとつかもしれない。
と、なかばひらきなおったところもある。
だって立ち止まったらきりがない。果てしない知のシャワーを浴びっぱなしなのだから。
でも大丈夫。
本が好き、本を読むことが好き、という気持ちをすこしでも持つ読者なら、
対談者たちの本に対する愛情を必ず汲むことができるだろう。
思わず、うん、あるある、と顔がにやけてしまうかもしれない。

この本は決して電子書籍を危惧するものでも批判するものでもないし、
時代に警鐘を鳴らすものでもない。
そんな堅苦しいものではなく、
わたしたちが呼吸しているこの現代を
色々な角度から過去の鏡に映して切り取り、
書物の持つ特性を浮かび上がらせてくれる一冊なのだ。
本、インターネット、出版や印刷の事情まで絡めながら
ふたりの投げる言葉のボールは多方向へ飛んでいく。
それはとてもスリリングである。
でも彼らの語りのレベルがみごとに互角で、
(どちらかの力に圧倒されてしまう対談は成り立たない)
対談という形式を壊さずにいながら、波打つように展開していく。
読者は彼らのおしゃべりに、はっとしながらも
全面的には安心して身をまかせることができるのだろう。

いちばんおもしろかったのは「我々が読まなかったすべての本」という章。
進行役がふたりに衝撃的な質問を投げかける。
おふたりはじつに様々な書物について語られていますが、
それらは、実際に読まれたものなのですか。
教養人というのは、知るべきとされる書物を必ず読んでいるものなのですか。
なんとも素朴にしてぶしつけな質問だろう!
これに対して、インテリジェンスあふれるふたりが
どのように答えていったか、ぜひ読んで確かめていただきたいと思う。

対談の最後のページをめくり、訳者のあとがきに辿り着いたとき、
読者はこれまでの長い旅路を反芻し、なにか達成感のようなものを感じる。
あとがきにはまれに、今まで読んできた本文を台無しにしてしまうものがあるが、
このあとがきは、本文の内容と読了した時間をさらに充実したものにしてくれる。
明晰な訳者の言葉にまるでねぎらわれているような、
そんなあたたかさが胸におりてきて、ほっとした気持ちで
この分厚い本を閉じることができるのだ。
わたしはこのあとがきを、本文の最初と最後に二度読んだ。
興味を持ってこの本を手にしたら、まずあとがきを捲るのもいいだろう。
ここにはこの本の魅力が端的に詰め込まれている。

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紙の本

もうすぐ絶滅するという紙の書物について

紙の本もうすぐ絶滅するという紙の書物について

2015/08/16 11:03

もうすぐ雑滅するかも知れない紙の本への賛歌

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Otto - この投稿者のレビュー一覧を見る

センセーショナルなタイトルとは裏腹に、世界的な碩学の
紙の本への愛に満ちた内容です。

ずっしりと重量感のある装幀に、厚手の紙はページを捲る
幸福感を十分に味あわせてくれます。天・地・小口が鮮や
かな青に彩られていて、所有するだけ至福の喜び。さすが
2011年の造本装丁コンクールで文部科学大臣賞を受賞した
だけのことあります。

皮肉なことに電子書籍版もあるようですが、是非とも紙書
籍でお手元に置いていただきたい、正に工芸品です。

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