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電子書籍

昭和史 戦後篇 1945-1989 みんなのレビュー

  • 半藤一利 (著)
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紙の本

昭和史 戦後篇 1945−1989

戦後史をほとんど学校で習わない日本人は読んで損はない

9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:JOEL - この投稿者のレビュー一覧を見る

 『昭和史』の戦後編である。前編もたいへんに興味深いものであったが、こちらも負けず劣らず、面白かった。やはり、その時代を生きた人の証言というものは貴重である。

 講演録なので、口調に砕けたところはあるが、かえってそれがいい味わいをもたらしている。ただ、17回におよぶ講演録は長い(著者自身は寺子屋と称している)。ちょっとくたびれてしまった。読み物としてよりも、時代の記録として、ずっと受け継がれる類の本だろう。

 講演なので、著者の視点でバイアスがかかっているのではないかという懸念もあるが、その時代を特長づけるエピソードや具体的なフレーズをふんだんに盛り込んでいるので、そういった心配はなさそうである。どうしても心配なら、ほかの著者の昭和史と比較して読めばいいと思う。

 終戦直後の国全体の食糧難は、こうして時代体験として語られるとそのたいへんさが伝わってくる。豊かになってから生まれた者には、想像をこえる厳しさだったのが分かる。闇市における値段の高騰、国民の腹を満たすための策をもたない政府。
 いざとなると、政府には全く頼れないというのは、今の時代の人も理解しておいた方が良さそうだ。今後、首都圏直下地震などで東京が壊滅しても、おそらく政府からはまともな救済の手は差し伸べられず、自力で何とかしなくてはならないだろうという感じを受けた。著者の戦後史の振り返りは、著者の意図しない形で、将来の日本の道行きを暗示しているのかも知れない。

 特に、民法の改正で、社会のあり方が大きく変わったと結論づけている点は興味深い。法律に親しんでいる人でなければ、民法のことを気にかけることはほとんどないはずだが、社会のあり方と国民の精神を規定していると著者は見る。

 もちろん、憲法改正の議論はそれ以上に関心の的である。日本国内で自発的に改正しようとした動きがあり、そのあとGHQからの動きがあり、錯綜した動きだが克明に語り継いでいる。

 また、GHQの統治の最中で、東西冷戦がすすみ、アメリカが日本を見方につけておく必要が生じて、劇的に日本の歩みが変化していくくだりは、おさえていきたい。GHQの施策も急旋回したのである。これが良くも悪くも、戦争に負け、占領された国にも関わらず、戦後もっとも急速に経済発展する条件を生みだした。1950年代の朝鮮戦争特需とあわせて、日本の経済発展は幸運の賜物であることは忘れてはならないだろう。

 日本人のがんばりもあるが、たぶんに好条件や他国の悲劇をも好機にしていた側面を思えば、豊かになったあとの日本が国際社会に向けて果たすべき役割はもっと大きくていいと思った。
 
 55年体制の成立、60年安保、全共闘などが駆け足で語れられる。著者は1972年の沖縄返還をもって真の意味で「戦後の終わり」としている。ただ、この返還には、米軍の駐留というアジア戦略のなかに組み込まれる要素が組み込まれてしまっているのだが。これが今に至る沖縄の基地問題につながる。
 
 戦後の昭和史は、現代に至る同時代論という色彩を帯びて、終末を迎える。今の日本社会のあり方を理解する手がかりとして一読するのは、長大な本ではあるが価値があると感じた。

 少し驚いたのは、1960年代にすでに時代の閉塞感が生じていたことである。今もしきりに閉塞感が語られるが、すでに50年前にその萌芽があった。
 「そろそろ、きっちり出来上がって落ち着いてしまった時代に対しての閉塞感が出はじめていたような気がしないでもありません。」(p.506) この箇所以外にも、このキーワードが頻出するようになってくる。  

 こうした戦後史は学校ではほとんど習わないので、誰が読んでも勉強になるのではないだろうか。少なくとも個人的にはためになった。 

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